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【41】屈辱のんにゃん

1話がの量が短いですが、これはスピードが遅いので1日で書ける量に準じています(´・ェ・`;)

それでも何とか41話目まで来れたのは皆様のお陰100%ですm(_ _)m

 クリーダの光のもやに触れたヘリオの剣は無残に燃え、そしてハーフサイズになってしまった。

 大事な武器をやられて流石に気落ちした感じがするヘリオ、それを見て少しかわいいとか思ってしまった。


『剣は材料の鉄があればあたしが直せるんにゃん』

「マジかよ!? スゲェなお前って鍛冶屋も出来るのか」

『あたしはベイカの何でも屋もやってるのだんにゃん』

「おーおー、その話聞いたことあるぞ!?

 アレってお前の事だったのか」


 へぇー、あたしの噂がヘリオの耳にまで届いてたんだ、何だかちょっと面白いね。


「まだ続けられますか?

 剣でバランスを取っていた様なので、半分になれば多少なりとも影響があると思いますが」

「せっかく面白い戦いが出来てるんだ、続けさせてもらうさ

 次はお前でいいか?」


 ヘリオは半分になった剣をあたしの方へ向けて言った。


『うん、今度はもっと気張るんにゃん』


 ヘリオはあたしの真正面からゆっくりと腰を落とし、低い姿勢のまま静止した。

 今度はあらゆる方法を使ってヘリオを迎え撃つつもりだ。


『行くんにゃん』


 ヘリオの足に足かせをし、真下とそして左右から土で作ったタケノコの様な形の鋭いトゲを生やす、更に走れない様に地面の摩擦をなくしてやる。あたしはそれらを同時に真正面にいるヘリオに発動させた。


『へ!?』


 離れていたはずのヘリオに魔法を発動させたはずなのに、そのヘリオは今あたしの目の前まで来てるじゃないかーーーッ!

 ヘリオが剣を振るうモーションに入ったとこで、強制的にあたしは小細工魔法の力で右10メートル程へと移動した。

 具体的に言うと地面に足を掴んでもらって引っ張ってもらったんだ。

 不自然にズザーッとコケながら滑るあたしを見て、ヘリオは剣を途中まで振った状態で唖然としていた。


『ペッペッ! どうだ驚いたかんにゃん!』

「あぁ、マジで驚いたわ……丸見えだぞ」

『んなッ……? うげぇぇぇーーーッ!?』


 足を引っ張って滑ったせいで、あたしの服装が随分とオープンになってしまってるじゃないかッ!

 いそいそと服を直すあたし、スゲェ恥ずかしいったらありゃしない。


『何という屈辱ッ! もう許さないんだんにゃんッ!』

「……オレのせいかよ」


 あたしはヘリオの足元をスッと指さし、そして地面を爆発させてやった。

 そうさ、全ての物質はあたしの味方なんだ。その物質を爆発させる事だって出来るんだ。

 しかし、土煙りの中を高速で移動しているものがいる、しかもこの感じだとさっきの爆発は全然効いてないな。

 あたしは足元の土に乗り、コケない様にバランスを取りながら移動して間合いを保ちつつ、ヘリオの反応がある少し先の地面を予測して連続で爆発させて行った。


「よし、大分いい動きになって来たな、だが……」


 あれ……? ヘリオの反応が消えているぞ!? 連続で地面を爆発させていたせいで見失ったんだ。地面レーダーには反応なし、という事はまた上か!?

 急いで上を見てみたけど何も居ない、ヤバい……一体どこに行っちゃったんだ!?


「つーかまえたッ!」

『うぎゃーーーッ!?』


 いきなりあたしの真後ろに沸いたヘリオに羽交い絞めにされたんだ、そのまま持ち上げられてあたしは足を空中でバタバタさせていた。


「うっはぁー! かぁーわいぃなぁぁーッ! よぉーしよしよしよしーーッ!」


 すごい勢いで頭をグリグリ撫でられた、何となくどっかのおじさんが動物に言う様な事言われた気がする。

 確かに今はネコさんの格好をしてはいるけどやっぱり腹が立つ。


『ぎぇーーーッ!! 離せェェェェッ!』


 その時頭上でボコッっと言う鈍い音がした。


「はぐぁ!?」


 そして、ヘリオは間抜けな声を上げて地面に倒れてしまったよ。

 どうやらクリーダがヘリオに石を投げつけたらしい。今回の勝者はクリーダと言う事になるのかな?


「全く……油断も隙もないですね」

「ふぅー、参った参った」


 降参のポーズをしているヘリオの横で、クリーダが腰に手をあてて怒ってる。


『わからないんにゃん』

「ん? なにが?」


 あたしはヘリオが悉く地面の情報とは違う位置に居た事と、最後にヘリオを見失った事が不思議でならなかった。だからその理由をヘリオに聞いてみたんだ。


「あー、位置をずらしたのは目の錯覚を利用したんだ

 まだ動いてないって錯覚をさせて、実は移動してたら当然位置がずれるだろ?」

『あたしは地面からの情報も使ってたんだ、

 目の錯覚だけじゃあんなにはズレないと思うんにゃん』

「そんなの、地面の情報を使ってるって分かれば簡単に騙せるだろ?」

『知ってたのかんにゃん!?』

「そりゃぁ、お前の反応の仕方とか見てれば分かるさ、

 目や耳だけじゃなく何か他の情報も使ってるなって

 それが地面という事ならお前の魔法の使い方でバレバレだ」

『そうだったんだ……

 じゃぁ、最後に見失ったのはなんでだんにゃん?』

「お前全然気が付いてないのか?」


 ヘリオはビックリした様な顔であたしを見て言ったよ。


『ムカッ! わかんないから聞いてるんだんにゃんッ!』

「なら教えてやるさ、お前の地面レーダーな

 ごく至近距離はすっぽり抜けてるんだよ」

『あ……』


 言われてみてやっと分かった、地面レーダーはあたしの足周辺にはかかってないんだ。

 だってあたしの足までがレーダーにひっかかってたら、瞬間的には分かりにくいから除外してあったんだ。


「爆発のドサクサに紛れてお前の真後ろに飛んでたんだ、

 そしたら全然気が付かないみたいで、後ろにいてそりゃぁおかしかったぜ」

『またしても屈辱……』


 あたしは地団駄を踏んで悔しがった。


 こんな短時間で欠点がいくつも出てくるなんて、小細工魔法の使い方をもっと改良しないといけないな。


こんな戦いの練習は作戦前日にする事じゃありませんね。

出来れば、もうちょっとルビーさんには戦闘や、その他の事諸々と経験を積ませたい所ですが、あんまりまったりしすぎてもなので、後少しだけまったり話を入れたら作戦へGOしたいと思います。


何かおかしい所がありましたら指摘等頂けるとありがたいです。

シリーズ的には大分続く予定ですが、それがちゃんと文字に表現して行けるかはかなり怪しい所があります(≧ω≦)

ともあれ今後ともよろしくお願いします!

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