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【25】ストライカー 1/2

今回の「ストライカー」の主人公は精霊魔法使いのスフェーンです。


常に最強の名を欲しいままにして育った魔法使いが、実際はどう考えているかと言うのが今回の見所であるといいなと思っています(;´・ω・)です

 あたしの名前は”スフェーン・アウイン”、今回はおチビたんに代わって特別に送らせてもらってますよぉーッ!

 うーーん? もしかしてガッカリしたとかぁ? してなーい? たまにはいいよねー? ありがと。


 まずは自己紹介からしちゃおうかしら。

 おチビたんが説明したと思うから知ってると思うけどぉ、あたしのクラスはソーサラー。

 ソーサラーは攻撃型の魔法を得意とする、パーティーの火力って言うのは知ってるよね?

 ランクは8。魔戦士組合の定期刊行物だと2枚目に載ってるから、組合員にならそこそこ名前は知れてるはずなんだけどぉ、まだおチビたんは組合に入り立てでそいうーのは見たことないだろうから今回が初耳かなぁ?


 今あたし達がいるのはナボラの教会、テン市長が泊まって行きなさいって言うから泊まらせてもらって今に至る様な。


 んでもって今の時間は朝の5時半、窓から見える空は朝日の光が赤く染めていてとっても奇麗だー。

 その朝日が目の前で無防備で寝むっちゃってるシンナバーを赤く染めててこれまた絶景。


 やぁ、実に清々しい朝だ、仕事も片付いちゃったしー後は帰るだけなのが少し残念っぽい。

 までもー、今日帰る前にもう1つだけやっておきたい事があるのよねぇ。


 シンナバーの髪をなでなでしてあげてたら、うぅーんって目を覚ましましたよぉー。


『あらぁ? シンナバーお目覚めぇ?』

「スフェーンおはよぉー……そしておやつみなさい……あと5分」


 アハハーッ! 何か口元がくっと上がって来ちゃった。この状態でくすぐってあげるとすっごーく面白いの。

 眠気とくすぐったさのどっちを優先するかの葛藤が見られるから。

 しかもぉー! これを暫く続けてあげると快感に変わるのが面白いのよねー。

 つま先をくぅっと伸ばして喜んでる姿見てると、最後まで続けてあげたくなるの。


「ムガァーーーッ! はぁッはぁッはぁッ!」


 ビックリしたぁ! いきなり凄い声を上げてシンナバーが起き上がったのー。


『あんたって……すっごーい声出すのね』

「もうッ! スフェーンのせいで、すっごいくすぐられてる夢見てたんだよッ! とんだ悪夢だったんだよッ!」


 どうやら、あたしのモーニングコールはとても良かったらしい。



 朝食に呼ばれて部屋を出たら、隣の部屋のおチビたんとクリーダも丁度出てきたとこだった。

 でも、「やぁっ」って感じでおチビたんに近づこうとしたら、クリーダの奴がバッチリブロックして来やがる。

 チィ、完全に目を光らされてるなぁ。悔しいからクリーダのお尻を触ってやったら凄い顔で睨まれた、この女超こわぁ……。


「うっはぁーぅッ」


 アハッ! おチビたんはまだおネムだねぇー、おっきなあくびしてるー。昨日は遅くまで起きてたのかなぁ。

 んむぅー……。あたしがおチビたんに噛み付いたトコとかー見られたかなぁ? クリーダのあたしに対してのマークっぶりが明らかに鉄壁なんですがぁ。


 朝食はヴェーロンのトーストとシスドのドーナツ、それにサラダと豆の煮物かぁ。

 おいしいけどぉ、そろそろお肉とか食べたくなってきたよねー。

 今まで1日1回は何かしらお肉を食べてたからぁ。


「スフェーン達は戻ってからどうするつもり?」


 おチビたんがあたし達の先の事を聞いてきたよぉー。少しでも気にしてくれてるのはうれしいねぇ。


『うーん……そうねぇ』


 シンナバーと顔を見合わせてから、思いついた事を言ってみた。


『とりあえず、シンナバーは実家に戻らないといけないでしょー? だから地元の街にまず戻るけどー?』

「ごめんねーッ! まぁスフェーンの事はあたしに任せておけばいいよ

 多少ヤンチャしてもあたしがいるから全く心配はないんだよ、あたしがいなかったら超心配だけどねッ!」

「なら心配ないね、二人とも元気でね」


 やばっ、おチビたんの言葉に思わず涙が出そうになっちゃったぁ。


 帰りはクリーダが乗って来たって言う、真っ白で恥ずかしい位派手な乗り物に乗って帰るんだってー。

 街の聖職者が道を挟んでズラーッと並んで、凄い拍手されながら街を出たよ。シンナバーとおチビたんはすっごーくはしゃいでた。

 テンションが戻ったおチビたんって、シンナバーと少し似た所があるのねぇ、あたしっておチビたんにホントォに酷い事してたよねぇ。


 数時間で乗り物は中間地点辺りのザッサ平原と呼ばれてる、見渡す限り何にもない原っぱだけの所を走ってた。


『悪いんだけど、用があるからちょっと寄り道していーい?』

「えぇーーッ!? こんな所でぇ!?」

「スフェーン? こんなトコには何にもないんだよ? 観光するならもっといい所でしてこうよ」

『あたしが用があるのはクリーダによ』

「へ? クリーダに何の用?」

『ケジメ、付けさせてくれないかしら』


 あたしがキッとクリーダを睨んでやったら、クリーダも睨み返して来たよー。

 クリーダって本当に恐ろしい女だ。睨まれて体に震えが起こるって事は本能的にコイツはヤバイって事なんだろうねぇ。


「もういいじゃないッ! 何でまだ拘ってるの!?」


 止めてくれるかおチビたん、正直言うと本当に止めて欲しい気がする。あたしだって心底恐ろしくてたまんないのよ。


「わたしは構いませんよ? それでケジメが付けられるのであれば」


 受けてくれたかありがたーい、これは絶対にやっておかないといけない事なんだよね。

 シンナバーはあたし達を黙って見てた、流石あたしの気持ちを一番理解してくれてるなぁ。


 おチビたんとシンナバーは乗り物に残ってもらって、あたしとクリーダはそこに影響が出ない位離れる事にした。


『どの位離れればいいかしらね?』

「そうですね、あそこの木を超えた辺りにしましょうか?」


 あそこの木? もしかして遠くに点みたいに見える奴の事ぉーッ!?

 木に辿り付いて乗り物の方向を振り返ったけど、乗り物は全く見えなかった。周辺にあった大きな岩らしきものが点として見える位。


『わがまま言ってごめんねー』

「礼には及びません、わたしにも関係ある事ですから

 それじゃ、始めましょう」


 あたしとクリーダは向かい合い、そしてニヤッと笑った。それが開始の合図なのは言うまでもない。


 よーし、手始めに炎の魔法を速攻で撃ち込んで……うん?

 既に目の前に紫にきらめく光が迫っているじゃないか、しかも恐ろしく高速だ。これは今から横に跳ねただけじゃとても避けられそうもない。


『風よッ!』


 間一髪! 風の力を借りて回避する事が出来た。あぶなぁー!

 って、今の光ってプラズマじゃないッ! 当たってたら跡形もなく消滅してたぞーーッ!?

 クリーダは本気であたしを消そうとしてるんじゃないの!? むしろ願ったり!? これがおチビたんに手を出した罰カァァーーッ!


 とにかく、風の力で高速移動しつつ機会を得るのが得策かもねー。


 んぅ……次が来るッ! 風を……あれ!?


 えぇッ!? 風が出ない!? ギャァァァァーーーー来たァーーーーッ!!


『ゼェゼェ……』


 円形をしているプラズマを避ける最短距離は斜め下だ、そこに素早く移動すれば何とかなる。

 チッ、髪がプラズマに少しかすった。左だけちょっと短くなっちゃったな。

 クリーダは最初の位置から全く移動していない、もちろん無傷。それに対してあたしは既に死にそうな目に二回も遭っている。

 最低ランクに高ランクが追い詰められてるのか、ランクなんて全然当てにならないね。


 あたし……今日ここで死んじゃうかもしれにゃい……。


「一応言っておきますが」

『なによッ!』

「わたしは精霊魔法を失敗させる事が出来ます

 先ほどは炎と風の魔法をキャンセルさせてもらいました」

『ふーん、おかしいと思ったらそうだったんだ』

「精霊魔法使いのあなたにはとても不利だと思うのですが、このまま続けますか?」

『全く問題ないよ、続けてちょうだい』


 あたしったら何言っちゃってんの!? 問題ありありでしょーーーッ! むしろ問題以外存在しないってばぁッ!!

 クリーダはプラズマを撃ちながら、同時に魔法がキャンセル出来るらしい。うぁーーーッ本気で困ったぁ。


「わかりました、それじゃ」


 クリーダが魔法を同時にキャンセル出来る数はいくつまでなのか、同時に使える魔法の数で勝負だーーッ!

 あたしはクリーダの周囲に風氷水炎雷土の6大魔法を同時に展開してやった、しかし全て同時にキャンセルされてしまったよ。トホッ!


 ――やっぱ勝てない


 あたしはクリーダに対戦を申し込んだ事に後悔を感じていた。


スフェーンは本人の頭の中で考えてる口調と、喋ってる口調がちょっと違います。


スフェーンが主人公のストライカーはもう少し続きます、引き続きスフェーンをよろしくお願いします。

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