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【14】少年の心に刻まれた思い出

 ベニトに素敵な初恋の思い出を作ってやろうじゃないか!


 さてー、どんなもんでしょー? 思うのは簡単だけど何をしたらいいのやら。

 アレコレ考えていると、ベニトが大あくびをしている。それを見てあたしもあくびが出てしまった。


『んむー? ベニトは夜ちゃんと眠れなかったのかんにゃん?』

「だってさー、鬼が煩い夜って寝られないんだよなぁ

 だから今日は村のみんなもきっと寝坊だよ」

『そっかッ! でもこれからはよーく寝られる様になるんにゃん』

「え!? おまえら本当に鬼退治したのか!?」

『あったり前だんにゃん!

 すッッごぉー……ぃ! おっきな鬼が30匹位いたんだぞー! それを全部やっつけたのだ!』

「ホントか!? おまえらってすっげぇなッ!!

 でもさ? 鬼をやっつけたのは氷女だろ? 娘ネコはすぐにやられちゃったんだよな? 今だってあんまり動けないし」

『あぅん……そうだったかも』


 うぅ、、子供ってホントに容赦ないなぁ。だがそのピュアーさがいい所なのだよ。


『んじゃー、ベニトもここに横になるのだんにゃん!』

「えー……やだよ」


 こういうと大体反射的に言うんだよね。

 でも、イヤだと言う割にちゃんと横になるかわいさだ、クリーダとあたしに挟まれて複雑そうな顔をしているよ。これが後数年もしたら意識しだしたりするんだろうねぇー。


『ベニトは好きな人はいるのかんにゃん?』

「そ、そんなのいないよ」

『そなんだ、ベニトはあたし達の事も嫌いだもんね』


 って言ったら、ベニトは「えっ?」って感じの表情に変わった。


「嫌いじゃねーよ……」


 逆に言ってみると本当の事を言うんだってさ。

 それからいつの間にか眠ってしまい、あたし達が目を覚ました頃にはすっかりお昼をまわっていた。

 よく寝たらすっかり体が元通りに動く様になったみたいだ。クリーダはちょっと残念そうな顔してたけどね。

 元気になったら急にお腹がすいて来た、そしたらベニトのお母さんがお昼ご飯をご馳走してくれたんだ。

 何だかベニトのお母さんにはお世話になってばっかだなぁ。

 ベニトのお母さんはアンドラって言う名で、今はベニトと二人暮しらしいんだ。

 でもね、お父さんの事を聞いたらちょっと困ったような顔してた。

 何か言いたくない事情があるんだろうね、だからそれ以上は聞かなかったよ。


 ご飯のお礼にあたしは家の補修と、ベニトには勉強机と椅子を作ってあげたんだ。まぁ、ベニトはツリーハウスの方がお気に入りなんだろうけど。

 その後、あたし達は村長に今回の仕事の完了のサインをもらいに行った。


「うーむ、しかし本当におったとはのぉー」

『そのおったって一体ナンダんにゃん?』

「こっちの話だ、気にするでない」

「それではここにサインをお願いします」


 クリーダはあえて流れを無視して進行してくれたよ。下手に話を合わせるとまた話が横道にそれまくるからね。

 この村長、何故か鬼を退治した事には感心がないのか、特にどうのこうの言われなかった。

 証拠の鬼の首を持って来たか? とか言われなかったのは幸いなんだけど。

 村長がサインをしてくれたのを確認すると、あたし達はさっさと切上げようと外に出ようとした。


 そしたら村長が、


「ゲジローにもたまには来いって言っといてくれ」


 とか、意味不明な事言ってたよ。

 まさかの長老は、あたし達が本当にゲジロー一味とでも思ってるんじゃなかろうか?

 そもそもこの村長、子供向けの漫画のキャラクターなんてよく知ってたもんだ。



~~~~~~


 さぁーッ! 仕事もバッチリこなしたし、胸を張ってあたし達の街に帰ろう!


 アンドラに帰ることを告げると、帰りに食べるようにってドーナツをくれたんだ。

 ベニトはと言えば、ずっと下を向いていたよ。短い間だったけどやっぱり別れが辛いんだろうね。しょうがないから最後にギューッってしてあげたら泣いちゃった。

 あたし達はベニトにとって、いい思い出を刻む事が出来たのかな?


 帰りは軍にもらった乗り物に乗って帰るんだけど、軍の乗り物って黒くてつまらないデザインだからちょこっと変えさせてもらったよ。

 白い花をモチーフにね、なんたって可憐なあたし達が乗るのには相応しいでしょ?


『ドラド村を出発した白く優雅な乗り物は地平線の彼方へと消えてゆく

 じっと見つめるベニトは何を思い、今後どの様な成長をして行くのだろうか

 そのお話はまた今度なのだんにゃん』

「何ですか? それは」

『そういうナレーションがどこからともなく聞こえて来そうな名場面だんにゃん』

「フフ、まさかこういう事をしてるとは思わないでしょうね」


 その「こういう事」とは、あたしが今クリーダに「あたしの印」を付けている事を言うのかな?


『イヒ、少年の心は時としてガラスの様に繊細なのだんにゃん』

「そうですね、では何年か後にベニトさんにわたし達の事を全部話してみましょうか?

 どういう反応をするか興味があります」

『きっとグレると思うんにゃん』


 そして、あたしは今後ずっとクリーダと共に行動する事になった。

 様々な困難に出会おうが、周りの目が厳しかろうが。


 <ずっと一緒だよ>


 あの時あたしがクリーダに言った言葉の通りに。


まとめておいてすみません、実はまだ少し続きます。

あなたの心にも何かしらを刻めます様に。

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