ep.9 アフタヌーン
ホットケーキを作りすぎてしまった。特に何も考えずにぼーっと作っていたらホットケーキミックスを全部使っていたみたいだ。
「このたくさんのホットケーキどうしようかな?更紗と一緒に食べようか」
俺はテーブルの上にあるスマホを手に取り、更紗に電話をかけた。
「もしもし、甘音。今大丈夫か?」
「はい。大丈夫ですよ」
「ホットケーキを作ってるだけどさー、ちょっと作りすぎちゃって一緒に食べないかと思って」
「ホットケーキですか!はい、食べます」
更紗はホットケーキが好きなようだ。
「あと、最近買ったいい紅茶があるのでお持ちしますね」
「ありがとう。じゃー、待っとくな」
そうして、俺は電話を切りスマホを机の上に置いた。その後、俺はホットケーキをお皿に盛り付けテーブルに並べて更紗を待っていた。五分ぐらいすると玄関の扉が開いた。
「拓海くん、お待たせしました。紅茶入れますね」
「ありがとう、頼むよ」
そうして、優雅なアフターンティの始まりである。
「勉強は結構進んだか?」
「おかげさまでかなり出来ました」
「そうか、それは良かった。そこで一つ提案がある。俺に勉強を教えてくれないか?」
そう、数学Aの確率の単元で少し手こずっているので、更紗に助けてもらおうと思う。
「ええ、別に大丈夫ですよ」
「ありがとう、助かったよ」
更紗は、快く承諾してくれた。
「なら、ホットケーキを食べた後にやりましょうか」
「あぁ、よろしく頼む」
そうして俺たちは、急遽勉強会が始まった。