ep.8 休日の過ごし方・続
俺と更紗は、ゲームを終えて晩御飯の買い出しに出かけた。
「甘音、ホントにゲーム全然してこなかったのか?」
「はい、友達の家でしかしたことありません」
なんでこんなことを聞いているのかって?どのゲームで戦っても一度も更紗に勝てなかったからだ。これでも、俺は地元じゃ負け知らずと言われるほどには強い方なのだ。そんな俺が…などと考えていると更紗が話しかけてきた。
「拓海くん、今日の晩御飯は何にしますか?」
「うーん、そうだな。ゲームで甘音が勝ったし食べたいもの決めていいよ」
俺は今特に食べたいものは思いつかないし、大抵の料理は作れるので更紗が食べたいものを作ろうと考えた。
「そうですか。でしたら、オムライスなどはいかがですか?」
「オムライスか。じゃー、それを作ろう」
そうして、最寄りのスーパー【Leaf】に到着した。
「さて、卵は家にあるからあとは野菜だけ買えばいいかな」
俺は、冷蔵庫の中を思い出しながら必要な食材を買っていく。
あと、俺はいつものルーティンとして、おやつをこの時に一緒に買っているのだ。
「甘音、俺はおやつを買うが何か買いたいものはあるか?」
「私は、パッキーが食べたいです」
「わかった、俺はいつものアーモンドチョコだな」
そうして、俺たちは買い物を終え帰路についた。
「さて、晩御飯を作りますか」
「はい、よろしくお願いします」
俺は、更紗に料理を教えながら晩御飯を作った。
「うぅぅぅ……」
「気にするなって、最初はそんなもんだよ」
なんで、更紗がしょんぼりしているかというと、オムライスといえばチキンライスの上に卵の布団が乗っているんだが、
俺たちの目の前にあるオムライスはチキンライスの上に散り散りになった卵が乗ってるというまぁ簡単に言えば失敗してしまったのだ。
「最初から出来るとは限らないだろ?」
「そうですね、これから頑張っていこうと思います」
そうして、俺たちは晩御飯を食べ終え更紗は自分の部屋に帰っていった。
俺は、この日は特にやることもなかったのでさっさと寝ることにした。
次の日は、日曜日でいつも通り更紗と朝ごはんを食べソファでくつろいでいた。
更紗は、ご飯の後勉強をするとの事なので自分の部屋に帰っていった。中間テストが終わったばかりだというのに、勉強を日頃からするからこそ常にトップだろうと感心していた。
俺の成績はと言うと、良くも悪くもずっと平均ぐらいに留まっている。そういえば、中間テストが終わると文化祭の準備がそろそろやってくる。高校に入って初めての文化祭だ。俺は昔のこともあり行事ごとは少し苦手だ。いつもは、魁斗や愛美がいるから大丈夫なんだが今年は同じクラスではないので心配だ。高校では、特に目立たずに過ごしているので大丈夫だと思う。そんなことを考えていたら、気分が沈んでしんどいので料理することにした。昨日、ホットケーキミックスを買ったのでそれを使ってホットケーキを作ろうと思う。