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第5話 放課後

それからも授業は円滑に進み今はSHR(ショートホームルーム)中である。

「古典の先生から寝てるやつがいたと聞いている。気を抜きすぎるなよと言ったよな。他のやつも気をつけるんだな」

 そう言って千花先生は俺の方を見て忠告してきた。

「じゃー、気をつけて帰れよ」

SHRが終わったので、俺は帰ろうと教室を出た。魁斗たちと帰らないのかと気になると思うが魁斗は部活、愛美は女子の友達と帰るので俺は1人で帰るのだ。

「冴咲くん、一緒に帰りませんか?」

 その声に俺は驚いた。そう、出てくるのを待っていたのか後ろから更紗に声をかけられたのだ。周りの視線が痛い・・・。俺に逃げ場はないようだ。

「ぉ・・おう一緒に帰ろうか…」

 それからというもの俺の教室から校門まで一生分の視線を浴びたのではないかと思うほどに注目されてしまった。

 校門を出て人が少しずつ減って言ったので俺は更紗に聞いた。

「なんで、急に一緒に帰ろうとか言い出したんだ?」

 昨日の今日で振ったにも関わらず一緒に帰ろうとか正直に言って意味がわからない。

「なんでと言われましても、家が隣同士ですし普通では無いですか?」

 あー、そうだ更紗はそういうやつだった。よく分からんところで天然でたくさん告白はされてるけど付き合ったこともないから恋の知識はこれと言って全くないんだった。とか、考えていると更紗が俺に新たな提案をしてきた。

「一緒にスーパーにいきませんか?」

 まぁ、俺も買いたいものあったし寄る予定だったからそれを承諾した。

「あぁ、わかった」

「ありがとうございます」

 そう言って、更紗はニコニコしていた。承諾しただけなのに更紗はなんでそんなニコニコしてるんだろうな。〈更紗のことを恋の知識がないと言ったがそれは拓海も同じだった。〉

「というか、あんた結局料理はできるようになったのか?」

 スーパーに着いて食材を探していてふと思った。

「あー、それはですね。まぁ、ほどほどに(?)」

 不安しか残らない返答が返ってきた。

「そうだ、材料費は出すから俺の家かあんたの家かどっちでもいいから俺に料理を作ってくれよ」

「ふぇぇ?・・・・あっ、拓海さん私に気があるんですね?」

「ちげぇよ、お隣さんが家事できないから心配だという親心に近い状態だな」

「・・・っ!! 分かりました、作ってあげますよ。とびっきり美味しいものを作りますから覚悟してくださいね」

「あー、それは楽しみだな」

 更紗に火がついたのか俺の家で作ることで承諾した。

「で、何を作るんだ?」

 気になった俺は更紗に聞いた。

「内緒です。出てきてからのお楽しみにしておいてください」

 家事が出来ないって言われてるやつが何を作るか分からないのは正直怖いとしか思えない。

 でも、俺も料理するのだから材料を見ればある程度何作るかぐらいは分かる。材料を見るにたぶんハンバーグでも作ろうとしているのだろう。

「お会計1624円になります。ありがとうございました〜」

 各々買い物を済ませスーパーを出て家に帰る途中、更紗の方の荷物は少し重たそうだったので俺が代わりに持ってあげようと思う。

「それ、俺が持つよ」

「え?でも、それは・・・」

「大丈夫だって、ご飯作ってもらうんだし」

「では、お言葉に甘えてお願いします」

 そうして、俺は更紗の荷物を受け取った。そうして歩くこと10分ほどで俺たちのマンションに着いた。

 そうして、更紗を俺の家に招いた。

「お部屋とても綺麗ですね」

「毎週掃除したり片付けたりしてるからな」

「私の部屋とは大違いですぅ…」

 そうして更紗はしょんぼりした。

「でもまぁ、あんたは引っ越したばかりなんだし気にしなくていいんじゃないか?」

「そ、そうですよね。うん・・・」

 更紗は少し元気を取り戻したようでよかった。

「じゃ、じゃあ夜ご飯作りますね。少しお待ちください」

「おう、器具の場所が分からなかったら言ってくれ」

「はい、わかりました」

 

 

 

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