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Ep.26 接触

「ぼっ、き…」

ボッキディウム・チンチンナブリフェルム。

1832年、ルネ=プリムヴェール・レッソンによって記載された。種小名の由来はラテン語で「鈴」の意がある“tintinnabulum”に「…を持つ」の意がある接尾辞“-fer”を合わせたもの。(Wikipediaより引用)…丁度今回の生物学のテストにボッキディウム・チンチンナブリフェルムが出てきていたな。それで魁斗が喜んでいたのを覚えている。なんだ甘音も嬉しかったのか。そうなら早く言ってくれれば良かったのに。しかしそうではない事は明確だった。甘音は頬を赤らめ、スカートの裾をきゅっと握って恥ずかしそうにしている。

「いっ、や…してたけど…でも違うんだ!」

「でも…ぼっき、してたんじゃないですか!!」

途中で声が上擦ってしまいながらも、顔を赤くしながら怒る甘音。可愛い。が、それどころではない。

「そっ、そうだ!!甘音には付いてないから分からないかもしれないんだけどな、チ◯コってたまに自分の意思に反して勃っちゃう時があるんだ!」

「はぁ…?!そんな事あるわけないじゃないですか!貴方のおっ、おち、お◯ん◯んでしょう?!」

どんどん赤くなっていく。可愛い。

「と、思うだろ?でも違うんだなコレが。これ結構あるあるなんだけどさ、チ◯コって性的興奮を感じなくても勃つ事があるんだ。猫撫でてる時に何故かムクッと起き上がったり…あ、別に猫ってなんかの隠語でも誤訳でもないぞ。猫な。あとバスで長い時間座ってると立った時に一緒に勃っちゃう、みたいな。頭のいい甘音なら、海綿体がうんちゃらかんちゃらでバッキバキ!て分かるんじゃないか?」

完全に拓海の土俵だ。もう拓海に恥という感情はないが、甘音はすごく顔が赤い。多分これから何を言われてもこのまま言いくるめられる。

「でもっ、あの時は神崎先生がいました…」

「あんなキチガイで勃起する訳ないだろ」

「…じっ、じゃあ…わ、私じゃぼっきしないんですか?」

その一言で拓海は土俵から転げ落ちる。そんなこと言われたらなんて言ったらいいか分からない。いやしますよ、します。情けなくチ◯コ勃起します。でも恥ずかしい。言いたくない。でも彼女の尊厳を守る為にもここは勃つと言っておかなければ。

「あっ、あ…」

そんな思考とは裏腹に、拓海はただ驚いて言葉に詰まることしか出来ていない。

「…あ、ほら…今も、ちょっとだけたってる…」

甘音が拓海の息子に手を伸ばす。少しだけ指が先っぽに触れる。

「ひっ!」

情けない声が出てしまう。甘音は驚いて手を引っ込めてしまった。

「…ほら、たってるんじゃないですか」

また甘音が息子に手を伸ばす…

「おーい二人とも!お菓子持ってきたぜー!」

「うわっ!!!」

魁斗が部屋に戻ってきて、お菓子を持ってきてくれた。二人はサッと距離を空けて座る。

「ん?なんだようわって…それに…」

魁斗は二人の顔を見てニヤつく。

「お邪魔だったかな?」

「違う!!」「違います!!」

「ハイハイ、人んちでおっ始めないでくれよー。そんじゃ、ちょっと休憩にしますか!」



それから3人で勉強をしてお別れし、甘音と拓海はマンションの一室に着いた。

「そ、それじゃ…」

「はい…また、明日」

2人はお互いの部屋に戻る。ベッドに倒れ込み、今日のことを思い出す。甘音の手が、拓海チ◯コに触れた…その事を思い出すと落ち着けない。しかも隣の部屋に甘音がいるのだ。

「あぁ〜…ダメだ、頭ん中ぐちゃぐちゃだ…」

なんで思っていると、コンコン、と窓から軽い音が聞こえた。なんだろう、と思いながら窓の方へ向かう…と、拓海の目線の先で、真っ赤な夕日が窓の向こう側にいる何かに大きな影を落としている。その影の持ち主はただ機械的に窓をコンコンと叩いている。

恐る恐る近づくと、それは人だった。

「拓海くーん!今時間あるー?」

愛美だった。そういえば愛美もそういう奴だったな。

「愛美かよ、びっくりした…てか玄関のインターホン鳴らせよな」

「えぇー、こっちの方が近かったんだもん」

「あのなぁ…ここ4階だぞ」

「壁登ったらすぐじゃん。しかもここの壁すごく指かけやすいよ!」

「お前はどこぞの死刑囚かよ…で、何の用だ?」

「えへへ…」

愛美は壁にへばりつきながら、不適な笑みを浮かべた。


 


 

 

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