表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/19

ep.16 小遣い稼ぎ

次の日の昼頃…拓海の部屋に魁斗が遊びに来た。

「よっ、拓海!」

「おう、入れよ」

拓海は魁斗を家に招き、床に座る。

「俺たち二人でやる事っつったらよ…スマパラだよな?」

スマパラ…正式名称はスマッシュパラダイス。色んなゲームのキャラが集結し戦う、超傑作格闘ゲームだ。テレビを付けてゲームを起動する。

「魁斗、今日は誰使うんだ?」

「オレはもちろん遊者だぜ」

「はぁー?!キモすぎんだろお前!」

「お前だってメロン・マック使ってんじゃねぇか。ソイツも十分キモいぞ」

 

遊者。「魔剣伝説」シリーズより参戦。剣と盾を持ち、魔法を駆使して戦う。必殺技のスロカススロットでは、運が良ければ相手を一発で破壊できるチートキャラ。攻撃が当たった時の音が爽快で、脳汁が溢れるのが堪らない。

 

メロン・マック。「キチゲファイト!」より参戦。機動力が高くスマッシュ攻撃だけで相手キャラとプレイヤーの精神を破壊する。ある程度攻撃を受けると「キチゲ解放」が使用出来るようになり、一発で相手を消滅させる。


クソキャラ同士が今、ぶつかり合う。キャラ選択が終わり、試合開始の合図がされる。

「いくぜ!開幕スロット…!」

遊者が初手からスロット展開!初手から大当たり!ガード不能の画面全体即死攻撃によりメロン・マック死亡!

「はぁ?!初手から…!!」

メロン・マックの残機は残り2つ、マックは蘇る!マックは遊者に殴りかかり、シールドごと粉砕してしまう!

「今ので割れんのヤバいって!!!」

馬鹿糞高火力パンチによって遊者にかなりのダメージ!しかしまだ撃墜とはいかない!遊者は復帰し、スマッシュで応戦する…しかし!すでにマックはスマッシュを構えていた!遊者の攻撃はマックの「アーマー」の前には虚しく、高火力パンチで無事死亡!!

「はぁ?!キモすぎ死ねカス!!」

「お前のソイツもキモいだろが!」

熾烈なクソ技の押し付け合いにより、お互いの残機は残り一つ。読み合いもテクニックもない、ストレスのぶつけ合いだ。

『ンゴォ!』

メロン・マックの「キチゲ解放」が溜まった。遊者は機動力ではかなりマックと差がある。お互いダメージも溜まっている為キチゲ解放をくらえば即死する。

「ガチでキモいぞお前!!」

「お前もキモいぞ!!」

マックはゴキブリのようにカサカサ動き回り、キチゲ解放を当てるチャンスを伺う。ガード不能、攻撃を受けても踏ん張る、即死級の一撃。

「こうなったら…!」

遊者もスロットを展開。「魔剣斬り」を発動!大きく振りかぶり、相手を粉砕する技だ!しかしマックのアーマーによってその攻撃も無効化され、遊者敗北!勝者はメロン・マックだ!!

「グボワァァア!!キモキモ!キモすぎる!!」

魁斗は白目を剥き、怒りのあまりコントローラーを握りつぶしてしまった。そんな時の為に予備のコントローラーがある。二人は夕方までスマパラを続けた。


「あー、メロマキモかったわー。もう一生スマパラやらん」

「とか言って次の日にはやるだろ」

二人は公園まで歩き、ベンチに腰掛ける。

「なぁ…お前昨日聖女様といただろ?あれって結局何してたんだ?」

ここでそのことに突っ込まれるとは思っていなかった。

「え…ああ、お礼にって飯奢ってもらったんだ。」

「…もしかしてお前、金ないのか?」

魁斗がニヤリと笑う。魁斗がこの顔をする時は、面倒ごとに巻き込まれる時だ。

「…ないけど…。」

「来週の日曜、隣町の地下闘技場でデカい大会が開かれる。二人一組なんだけど…拓海、オレと出ないか?」

拓海はニヤリと笑う。

「…面倒な事かと思ったけど…なんだ。小遣い稼ぎじゃんかよ」

二人は握手を交わし、来週の地下格闘大会に出ることにしたのだった…。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ