ep.10 三連休明け
「疲れた〜」
「お疲れ様です」
あれから、俺たちは3時間ほど勉強をしていてもう晩御飯の時間になっていた。
「今日は、冷蔵庫にあるもので適当に作るわ」
「私もお手伝いしますね」
いつも通り、二人で晩御飯を作り美味しく頂いた。
「では、また明日」
「また明日な」
俺は、更紗を見送ったあとリビングに戻り今日のログインボーナスを回収して眠ることにした。
火曜日の朝である。火曜日はなぜこんなに憂鬱なのだろうか。
「今日から四連勤か」
学生の仕事は勉強なので、実質学校は会社であり勉強は勤務なのである。俺は朝ごはんを作りながらこんなことを考えていた。
「おはようございます」
玄関の方で声がした。更紗である。
「あぁ、おはよう」
俺は挨拶を返しながら、食卓に朝ごはんを並べていく。
「甘音は元気そうだな」
「はい、元気ですけど?拓海さん体調が悪いのですか?」
「いや、何。三連休明けだから少し憂鬱なだけだ」
「そうですか。それならいいんですけど」
更紗は別に三連休明けだからといって、憂鬱にはならないらしい。俺たちは朝ごはんを食べ、時間をずらして登校することにした。
「じゃー、私が先に行かせてもらいますね」
「おう、こっちも5分ほどずらしてから出るわ」
ずらして登校しなければ、またいらぬ噂が流れ、めんどくさい事になることが目に見えているからだ。
「おはよ〜、拓海」
「おはよ〜、たっくん」
「あぁ、おはよ。魁斗、愛美」
学校に行く途中で二人にばったり出くわした。
「お前らは、三連休明けは憂鬱じゃねぇか?」
「うーん、俺は少しめんどくさいなとは思うぜ」
「私は、友達と出会えるから全然かな」
やっぱり、愛美は友達も多いしそうだよな。
「まー、何言ってても学校行かなきゃなんだし、楽しいこと考えようぜ」
「それはそうなんだが」
魁斗の言うことはもっともなんだが、なんとも言えない気持ちになることあるは誰にでもあると思う。などと、話をしている間に学校に到着した。
「お前らー、席に着けー。三連休明けだからしんどいのはわかるが気合い入れてけよ〜」
千花先生は、朝のSHRを終えて教室を出ていった。
「魁斗、1時間目は何だっけ?」
「あー、1時間目はたぶん古典だったな。というか、古典の宿題やったか?」
「宿題?そんなもんあったか?」
「お前、やってねぇの!?それはまずくねぇか?」
「魁斗お願いだ!助けてくれ」
「貸一つな?」
「あぁ、わかったそれでいい」
それから、魁斗の宿題を自分のノートに丸写しした。
古典のおじいちゃん先生が来た。
「はい。今日は、玉水物語を勉強していく」
「玉水物語は、入試にも出るような作品だから予習として宿題を出していた」
(魁斗が見せてくれたおかげで助かった)と心から思った。
「えー、じゃー拓海ここからここまで読んでみろ」
「は…はい、えー……」
「OKじゃ。ちゃんと予習してきておるの〜」
古典の授業はこの調子でギリギリ耐えた。