第1話 出会い
初めて小説を書いたので、素人が書いていると思って読んでください。楽しんで読んでもらえると幸いです
みなさんはこんな経験があるだろうか。
学園一の美少女から告白されるというシチュエーションを誰でも一回は想像したことがあるだろう。かくいう俺、冴咲拓海もそういう経験がある。だが、その理想が現実に起こると人間誰しも困惑すると思う。そう、今まさに、目の前にいる学園一の美少女甘音更紗がこの俺に告白してきているのだ。
「冴咲くん・・・・・・私と付き合ってもらえないでしょうか‼︎」
「え⁉︎・・・・・どっ・・・どういうことですか?」
「どういうって・・・あっ、結婚を前提に付き合ってください」
「いやいや、そういうことじゃなくてなんでこんな冴えない俺なんかに告白してるんだってことだよ」
当然俺は成績は中の下、スポーツも普通ぐらいでこれと言って目立ったところもない平凡なモブだ。
「なんで冴咲のやつが聖女様に告られてるんだ?」
周りの野次馬もたくさん集まってきたようだ
「なんでと言われましても、冴咲さんが好きだから以外に理由ってありますか?」
甘音更紗“通称 聖女様”はきょとんと首を傾げてそう言った。
「ちょちょ・・・ちょっと待ってくれ。今頭の中を整理するから」
そう言って俺は頭を抱え込み心を落ち着かせた。
「聖女様は俺のことが好きだから告白したってことでいいんだよね」
「私はさっきからそう言ってますよ!」
聖女様はもっちりとした頬を膨らませて怒っている。正直こちらとしては可愛いとしか思えんのだが。
「一旦、場所を変えようか」
俺は周りの野次馬が増えすぎていると思い聖女様に提案した。
「そうですね、ここでは落ち着いて話もできないですしね」
聖女様は俺の提案を承諾し、俺たちは移動した。場所を変えた俺たちは、学校から少し離れたカフェで話し合っている。
「それで、さっきのことだけれども俺のどこを見て好きになったんだ?」
「ふー・・・これで少し気が抜けましたわ」
ん? 様子が変だぞ。
「私があなたに告白した理由ですけど、それはあなたがなんの取り柄もなく平凡だったからです」
「平凡なとこが好きで告白したということか?」
「違います。自分で言うのもなんですけど私って結構モテるんですよ。」
「ん?・・・あぁ、そうだな」
俺は聖女様いや更紗の噂はよく聞いていた
「これまでに告白された数は何十回にもなります。これがどう言うことかわかりますか?」
「ん〜と、大変そうだなと思う」
「そうなんです!大変なんですよ!毎日、毎日告白されては断って告白されては断っての繰り返しもう疲れたんです。そこで私は考えたんです。学校にいる無害そうな男の子と付き合ったふりをすれば告白されないのでは・・・と」
俺は唖然としていた。俺の知っている聖女様は成績は常にトップ、スポーツ万能、誰とでも分け隔てなく優しい人だと思っている。だが、今目の前にいるのは天然なのかと言うほどのぶっ飛んだ考えの持ち主である。
「ってことは、聖女様は俺がなんの取り柄もないモブだから告白したと言うことで間違えない?」
「えぇ、その認識で間違えありません。それで、結局付き合うんですか?だってこんなに可愛い彼女なんてあなたにできるとは思いません」
「お断りします」
「え⁉︎ なんでですか?」
更紗は結局付き合うと思っていたのだろう。驚きを隠せない彼女は動揺でものすごくソワソワしている。
「なんでって、そんなめんどくさそうなものに関わりたくないし俺は教室の端でゆったり過ごしたいんだよ」
俺はモブだ。だからこそ、特に何事もなく平穏に暮らしたいんだよ。
「そんな〜」
更紗は目が少しうるうるしてる。そんなに俺に全てを賭けてたのか?
「こればっかりは俺も譲れない。じゃーな、ここの会計は俺が払っておくよ」
そうして俺は帰路に着く。
「やれやれ、今日はどっと疲れたぜ。今日は早く寝よう」
俺は明日とんでもない事態に巻き込まれることを知らずに眠ったのだった。