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6話 勝敗

頑張ります。

 ジル・ヴィオレードと俺の母、リースが戦っている

 俺は手も出せなかったジルをリースは

 圧倒しているし、余裕すら見えた

 

 召喚獣、”大氷龍”グラジェス の力が圧倒的すぎる

 ジルはすでに下半身を凍らされている


 「なぜ……あなたのような凡人に……私が」

 「私が、負けなければ…いけないのですか……」

 

 「……あなたが弱いのが原因でしょう?

 「何を悔しがっているのですか?」


 ゴミを見るのような目をジルへと向けながら言う

 

 今のジルと似た顔の人間を前世の俺は見てきた

 初めて上司に理不尽を押し付けられた新入社員の顔


 社会を舐め腐っていた者が敗北を味わった時の

 絶望の表情


 「この場にレグがいてよかったわ!」

 

 「なぜ……私に近づくのですか……まさか」

 「私を殺したりするわけじゃないですよね……」

 

 「凄惨たる死を与えると言ったでしょう?」


 リース、笑顔でなんてことを言うのだ。

 自分の母親ではあるが怖すぎる。


 だが悪い気はしない! いいぞ、やってしまえ!


 「わ、私の後ろには黒家(グレイ)がついているのですよ?」

 

 「うちの子が白家(シルヴ)だと知っての発言かな?」

 

 「……あなた達は野良のシルヴなんだ」

 「……本家の家々には……敵わない……」

 

 「私達は野良に下ったの。力は受け継いでいる」


 初耳だ。

 貴族だったとは聴いたが、シルヴ直属の血だったとは

 

 「な……なぜ! なぜそのような強者が……!」

 「あ、あなた……名を、名を名乗りなさい!」

 

 「そういうのが嫌で逃げてきたっていうのに……」

 「私の名は……」


 ーーーーグラル視点ーーーー


 「運びの中に紫家(ヴァイオレット)黒家グレイの手のものがいるな?」

 「今なら優しくしてやる。すぐに出てくるが良い」


 そのような呼びかけで前に出るものなどいない


 少し時間をおき、剣を鞘の方へ持っていった。

 

 敵意をなくしたと思われた剣。


 その時、構えはすでに終了していた。

 いわゆる騙し討ちだ。


 「そうか……。<火氷斬首>」

 一太刀で凍らせ、二太刀で灼熱、三太刀落とす。

 

 リースが龍まで出している

 早くカタをつけなければならないな


 「お待ちなさい。<黒薔薇の檻(デス・ローズガーデン)>」

 

 攻撃が吸い寄せられるように、一点に集まっていく

 周りの運びのほとんども茨の檻で消されてしまった

 技を防いだ女は優雅に歩いてくる


 「補充はできましたわ。何ならお釣りが来るほど」

 

 「……貴様、黒家か。どう料理してくれようか」

 

 「あら、随分と自信があるのね」

 

 「そうでもなきゃ、子育てはできねーんだよ」

 

 色家(パレット)は祝福を持って生まれることが多い

 本家ならなおさら、強力な祝福を受ける

 故に気を抜くことができない。

 

 「そうだな、まずは。<紅楽烈火>」

 

 この技も何年ぶりだろうか。

 そんな技を使う程に色家(パレット)

 特に白と黒は警戒しなくてはならない相手なのだ


 「白家にしては珍しい技……。楽しそうね」

 

 「どこを見ている?」


 残像が残る速度で背後に回り、左腕と足の腱を切る。


 まずは様子見だ。

 黒家には自らの命をトリガーにする能力もある

 

 「殺さないのね。優しい人だけど」

 「裏切りは良くないわ。グラル・”クリムゾン”」

 

 「赤の名は捨てたぞ。ゴミどもとは仲良くやれん」

 

 「そう。だから駄目なのよ <流星の夜演場(ソワレ)>」


 しまった、領域だ。


 俺の知識にはこのような領域はないし攻略法も知らん

 能力を使っていないため<見通す眼>も発揮できない


 固有領域を人間が持つのは珍しい

 相当な実力者であろう。


 女は星のスポットライトに照らされ、舞っている。

 自らが主演だとばかりに。


 「<演者交代(ステラ)> あなた、変わってね?」

 

 運びの一人の腕が飛び、足から血が吹き出す。

 逆に女には傷ひとつなくなっていた。


 「身代わりの祝福か? 随分と悪趣味だな」


  問いかける。

 

 「<流星の夜演場(ソワレ)>、これは祝福じゃないのよ?」

 「能力、領域に入った者は演者なの。主演は私」

 「さっきの (脇役) には交代(・・)してもらったわ」

 

 「おいおい、まじか」


 鑑定結果を見て、記憶が蘇る


 能力1:<流星の夜演場(ソワレ)

 能力2:<???>


 戦闘スタイル:<流星の夜演場(ソワレ)>に引き込み

 <???>による追撃を行う


 複数能力持ちだったのだ。

 やはりこの女はこの世界においてもトップレベルの

 強者であるということがわかってしまった


 「能力複数持ちかよ。珍しいな」

 

 「あまり手の内を見せるわけにもいきませんね」

 「殺して差し上げますね。<嫉妬の黒(ノワールロータス)>」

 

 「茨くらいで殺せると思ったか? <赫怒劣癪>」


 剣をかざし、茨を燃やし尽くす。

 これぞグラル流剣技であるだ。


 「こちらはどうでしょうか? <悲しみの青(サッドレイ)

 

 「浅はか!<朱苦厄葬>」

 「方向を曲げるまでだ」

 

 「では数でいきましょう。いでよ、我が従魔達よ」


 黒夜烏(ナイトクロウ)星大熊(アーサメイジ)が3匹ずつ。


 「やってしまいなさいな。 <堕ちた者の逆恨み(サッドマンズパレード)

 

 「従魔を凶暴化なんてさせるもんじゃねぇぜ」


 全てを斬り伏せる。

 

 違和感が走る

 黒家の人間の割には弱すぎるからだ


 ましてや領域に引き込んでいるのに

 有効活用をまるでしていない。

 

 戦いに慣れていないのか……?

 

 領域に引きずり込まれたので警戒していたが先程から

 遠距離攻撃しかしてこない

 近づかれたくないと言われたようなものだ。


 「 <緋喜咲欲> 仕留める」


 距離を縮めて、首を狙う。

 

 「やっと近づいてくれましたわね、剣って痛いわ」

 「でも、あなたの技結構いい威力ね」

 「高威力になりそうですわ」

 

 受け止められたのか 俺の剣が


 それと同時に

 左目の情報が更新された。


 能力2:星夜の彗星(スターリーコメット)


 「この領域内のダメージ」

 「そのような物を少しずつ少しずつ蓄積する」


 領域のステージ幕が段々と下りていく


 「ものすごい威力を生むのよ」

 「それではご機嫌よう <星夜の彗星(スターリーコメット)>」

 

ーーーーレグオール視点ーーーー


 「そんな……あなたが……氷龍帝だったなんて」

 「話が違う……違いすぎる……」

 

 「もういいかしらね。グラジェス、餌よ」


 ジル・ヴィオレードは大氷龍に食べられた。

 死亡だ。

 

 母の方は勝ったが、父はどうだろうか……?


 周りは黒いドームに覆われて、見ることはできない

 

 パタリとした静寂の後に突然と

 ドームが消えた



 「あら? リースちゃんじゃない?

 「グラルは私が殺しましたわ」

 

 は? グラルが死んだ?  

 

グラル、死亡……?

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