14話 大蛇家族
めちゃんこ久しぶりでごめんね
白い光に包まれた俺は気づけば森に一人立っていた
まだ大蛇の胃袋から出てはいないらしい
アルザは消滅したとばかり思っていたが、
どうやら”転送”されただけであるらしい。
どこに転送されていてもあの男は生きているだろう
一 転送 一
解析中……
またしても能力が発動している。
自分では制御出来ていないので、祝福のようなものなのだろうか……
一 注意:高ランク魔物<王級>接近 一
後方からの毒系魔術に備えてください
反射のような動きで自分の後方に氷塊を展開する
ことが出来た
氷塊に当たった毒系魔術は氷と混ざり、地面に落ちる
魔術が放たれた方向に目を向けると、ワニが這いずり
寄っている
背中には紫色のトゲが生え、
白と青が混ざった美しい体色である
「グワァォォォ……!!」
ワニは咆哮をすると水中を泳ぐかのように宙に舞った
先程の龍に比べれば可愛いものだが、
それでも脅威であることは間違いない。
あのワニの能力は恐らく <不規則重力> というもの
恐らくあの龍の能力を引き継いだ魔物が
ボスクラスになっているのだろう。
「クロロロ……」<不規則重力:負荷>
足に鈍い重みが掛かり、俺の逃げる手段を封じる。
不気味な表情でこちらを笑ってみせたワニには
どこかあの”龍”の面影が見えた。
「カグルカカッ……」<毒礫石>
ワニの左右に禍々しいモノが集まって複数の”礫”を
作り出していく。
礫が俺に迫りくるに合わせ、俺も対抗する
「<水宝石の壁>」
リースの試験以来久しぶりに使った。
この魔術ほど複数防御に最適な魔術はない
「<水煙幕>」
霧でワニの視界を遮り、俺は<跳躍突風>で
空に飛ぶ。
「お前の兄弟の技、使わせてもらうよ。」
< 秘匿 > < 偽装 >
「グルルルル……」<不規則重力:無>
霧が晴れてしまうと同時に背後から
<獄炎槍>を構えた俺が
奇襲をする。
「ガラガラガラ……」<爬虫毒脚>
俺の胴を貫いたワニは勝利を確信したように、
”俺”を凝視し笑ったように見えた。
「<偽装解除>」
俺の言葉に呼応するかのように
”俺”は<氷塊処突>へと姿を変え、
ワニに襲いかかる。
「ガララッ……!」 <身体装甲>
身体装甲で身を守ったワニは焦っているように見えた
仕留めた”俺”が氷の塊となり自分を襲ったのだ
無理もないだろう。
「上だよ。ワニ」<雷降>
俺は電気の塊をワニに投げた。
ワニはまたニヤリと笑い、身体装甲で身を守った
「…… <偽装解除> 」
細長かった電気の塊は長方形に広がり、ワニへと落下していく。
「<錠前:無魔力領域>……」
輝く光に拘束され、光に鍵がかかる。
瞬く間に光は消え、そこに目だけを動かしながら
”俺”に威嚇するワニだけが残った。
ワニは身体装甲を解こうとはしない。
俺の魔力が切れるまで耐えるつもりだろう。
「身体装甲に自信があるようだな」
「……カカカ、ガララ」
ワニは力なく笑った。
目だけは”俺”を睨んだままに。
「残念だけど、お前にはとどめを刺す」
「”俺”の出番はここまでかな……<偽装解除>」
ワニに睨まれていた”俺”は霞となり、地面が氷に覆われていく
<四季領域:寒>
「俺は本物だぜ?」
俺はワニの頭上から叫ぶ。
それに反応し、ワニはこちらを睨みつける。
「<秘匿解除>! 耐えさせるつもりはない!」
解除の言葉に合わせ俺の横には<氷河処突>が無数に展開されていた。
<氷晶突豪雨>とでも名付けようか。
ワニは降り注ぐ氷晶に耐えられることもなく消滅した
ー実績:装甲空泳鰐”長”討伐
報酬として”装甲空泳鰐”、
個体名:ボスナーガBの固有能力獲得。
<不規則重力><身体装甲><毒操作>
が能力に追加されました。
またしても能力を入手してしまった。
グラルのような鑑定持ちに見られたらどうしよう。
気にしている場合ではないのは承知なので
俺は消滅していくワニに背を向け
森の奥へと歩いていく。
「アルザー? アルザいないのかー?」
俺はアルザを探しつつ、出口を目指していく。
そんなときだった。
背後から草をかき分ける音が聞こえた
気の所為ではない、明らかに生物が歩行する音
ー能力最適化
跳躍突風と不規則重力を統合
新たに〈 飛行 〉〈 物体操作 〉を獲得
今かよ。
すごい危険な状況なんだぞ、バカか
「レグオール! 無事かっ!」
背後から飛び出してきたのは先ほど別れてしまった
アルザだった
「アルザ! よく見つかったな!」
「運いいな!」
「あぁ! 珍しくな!」
「それより、お前のことを見つけるまでに食料と水」
「確保できなかったんだ……すまない」
何か妙な感じがしたが、気にせず2人で進んでいく
道中、飯を食うことにしたが食欲がないらしい
「今は腹いっぱいなんだ、お前にやるよ」
「おいおい、アルザ? それは毒草だぜ?」
やはり変だ。
アルザは能力の関係で学者並みの知識を持っている
はずなのに、俺に毒草を渡してきた
それとアルザは俺のことを「お前」とは呼ばない
「施錠。正体を表せ、殺すぞ」
「おぃ……ぉまうぇ……あはははは……」
サソリだ。
といっても、サソリの特徴を持つ女であった
髪の毛は後ろで結いており、先端が針となっている。
片手は人間だが、もう片手はハサミのようだ
「あんたでしょ……私の弟たちを殺してさ」
「強いんだね……君との幼魔、欲しいなぁ」
「あんたを私に頂戴よ。それで許してあげる」
人外から誘惑された。
なかなかに見た目はいいが、欲望に従うと
殺される気がしたので氷柱を女の腹に放つ
「そういう趣味はねーんだ。死ね」
女は身体装甲で腹部を守り、俺の魔術を弾く
「あはっ……そっかぁ。じゃあしょうがないな」
「〈 獄熱砂領域 〉。殺し合い、シよっか」
新しい小説を書き溜めておりました




