12話 豪運の緑
目的地が同じ、緑色が仲間になった!
やったね!
アルザは奇しくも、俺と同じ場所を目指していた。
この世界の5ヶ月は前世の1年に匹敵するほどの長さ
なので、本当になぜ生きていたか不思議だ。
「俺もセンギを目指している。奇遇だな」
「ハハハッ! オレは運がいいんだなー!」
「にしても、腹がへったよ! 飯にしよう!」
それもそうか……今は大体飯時だし、
さっきまで魔物から逃げ回ってたんだ。
休憩にしてやろうか。
「そうか、じゃあ飯だ。結界を張るぞ?」
俺は歩みを止め、アルザに向き直り言った。
「結界ねぇ……そうだな」
「左に2歩後ろに5歩の位置で止まっててくれ」
アルザは何か思いついたように俺に指示してきた。
俺は指示された通りに行動し、
結界を張るために魔力を体に込める。
「そう、その木でいい。そこでストップだ」
ー 生体反応:頭上、約5メートル。
魔物の反応
木の上からシュルシュルと音がする
このままでは初撃を食らってしまう。
「当たり! 動くなよ? <散花吹雪>」
「魔力に敏感な蛇、”囮罠大蛇”だ」
「今だぜ? 攻撃するなら」
アルザは大蛇に刃物のような草の竜巻をぶつけて、
俺に叫んだ。
俺はアルザの声にハッとして、大蛇に攻撃を仕掛けた
「<錠前・檻>!! <爆雷光衝撃破>」
動けなくなり、木から落ちた大蛇は
目を動かしながら俺に威嚇する。
俺は大蛇の首めがけて軽く手刀の形で手を振り下ろす
「<激流水手斬>ッ! 俺を囮に使っただろ!」
俺は早速アルザに文句を言う。
しかしアルザはケロッとした態度で俺に言った
「オレは肉が食べたいと思いながら、たまたま」
「木の下にオマエを誘導しただけだ」
「それに見ろよ、この木。”鱗後の果実”の木だ」
「は? りんご?」
「知らないのか? ”鱗後の果実”は食べると」
「体力、魔力、能力値が上昇するんだ」
「伝説の果実ってやつだよ」
俺にはその伝説の果実が2つほど見えるのだが、
本当に伝説なのだろうか。
そんなことを考えていたら、アルザは大蛇に目をやる
「これは……ただの”囮罠大蛇”じゃあない」
「長だよ……長を討伐したんだ」
「A+級のを、世界から認められるくらいの」
ー実績:罠大蛇”長”討伐。
報酬として”囮罠大蛇”、
個体名:ボス・ナーガAの固有能力獲得。
<秘匿> <偽装> <蛇眼威圧> が
能力に追加されました。
持ち能力が増えた。
通常ありえないはずだ
「どうだ? 世界の実績で認められたか?」
「身体能力があがっているだろ」
アルザが俺に言ってくる。
言い方的に能力が増えたことは知らないらしい
さすがのアルザも長は倒したことがないようだ
「魔力量も上がってるよ。アルザのおかげかもな」
「この蛇、一緒に食おうぜ」
「ああ、その前に」
「後ろにある岩、魔術で撃ってみてくれないか?」
またよくわからないことを言い出した。
アルザは自分の背後の岩石を撃ってくれと言っている
だが、悪いことは起きないと感じたので
従ってみることにした。
「<氷河突刺>。これでいいか?」
「ばっちりだ! 感謝するぞ、レグオール!」
レグオールと呼ばれたのも初めてかもしれない。
感動を噛み締めていると、
俺が魔術を放った岩はすぐさま色が変化し、
宝石のようになった。
俺は本当にアルザを尊敬しそうになった。
「またしても運がいい!」
「あれは”退魔岩”だな。自然の結界だ!」
「これほど変質するのは腕がいいからだろう」
「なんでそんな沢山のことを知っているんだ?」
「予知の能力でもあるのか?」
俺は聞いてみることにした。
アルザに出会ってから事が上手く行きすぎている
「オレは天からの祝福者だ。祝福、”豪運”に」
「能力、”知識収納”がある」
「天からの祝福者と能力持ち両方の珍しいタイプさ」
「その運と知識があれば敵無しってことだな」
「ここで生き残れた理由がわかったよ」
本人の実力が高い上、祝福と能力の2つ持ち。
死ぬ訳がない。
「敵なし……か。そうだな!」
「出来ないこともあるんだがな、人探しとか」
「その運があってどうして見つけられないんだ?」
俺は蛇を切りながら、軽く聞いた。
訳ありなのだろう、アルザは深刻そうな顔をしている
軽く聞いたのを少し後悔した。
「探しているやつが特殊でな……」
「オレと同じような体質なんだ」
「探している人も”豪運”ってことか?」
「概ねそんな感じかな」
含みのある言い方だ。
何か理由があるのか、それが見つからない理由なのか
定かではないが
目的の人物は相応の能力を持っているのだろう
「ほら、レグオール。火がついたぞ」
「蛇を食おうじゃねぇの」
「そ、そうだな」
切り替えの速さに戦慄しながら俺は蛇肉を棒にさし、
火で炙っていく。
ヘビの肉っていうだけでも抵抗があるのに、
暗い話で腹がいっぱいだ。
「そういえば、レグオール」
「お前、魔術を撃つときの詠唱が極端に短かったな」
「詠唱から発動までの時間も短かった」
他人に<詠唱破棄>ができることを悟られないように
発動起点詠唱だけを叫びながら魔術を撃っている
何人かそのようなことができる者もいるらしいし、
バレないだろうと高を括っていたのだが……
バレてしまったのか?
「とても訓練していたのだろう! 尊敬するよ」
バレてはいなかった。
だが、発動起点詠唱からの
魔術発動が早すぎたのかもしれない。
気をつけなくては……
「聞きたいことがあるのだが、いいかな?」
俺は露骨に話を変えた。
出す魔術多すぎてこまりんご




