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10話 実力差

誰かに見てもらえたらしいですね。

めっちゃ嬉しい!

 奥からズイッと顔を出したゴツいハゲのおっさんは

 俺に詰め寄っていた。

 

 「困るんだよなぁあ?」

 「トラブルっちゅうのは平穏からは程遠いもんで」


 「いや、この街の危機を永続的に救ったんだから」

 「報酬は貰わないと」


 「この子ずっとこうなのよ? 襲撃を止めたって」

 「秩序を守る者(ギルドガーディアン)なんだからなんとかしてよ」


 助けてくださいと言いたげな目をしながら、受付の女

 はおっさんに訴えかけた

 

 どうやらあのおっさんが

 ”秩序を守る者(ギルドガーディアン)” らしい


 「魔物の襲撃を止めただぁ? 嘘を言うぜ……」

 「魔物の群れに A ランク相当の魔物がいたはずだ」

 「昨晩、俺の”覚醒能力(オーバースキル)”が観測した」


 「混成雷獣(キマイラ)屍人騎士(ゾンビナイト)は俺が倒しました」


 これで信じてもらえるならどれだけいいことか……。


 「なぜ、知っている……」

 「俺が観測した魔物も混成雷獣(キマイラ)屍人騎士(ゾンビナイト)だった」


 おっさんは目を丸くして俺を凝視したが、

 俺は落ち着いた声でもう一度言った。


 「混成雷獣(キマイラ)屍人騎士(ゾンビナイト)は俺が倒しました」


 「あの魔物たちは俺以上の実力者2人は必要だぜ?」

 「お前みたいなガキじゃあ、討伐なんか出来ねぇ」

 「……返り討ちがオチだ」


 ……信じないなら、ちょっと脅かしてやろうかな。


 俺とおっさんの周辺に氷の柱が立ち、

 地面が雪原に変わっていく

 

 <四季領域:寒>である。

 

 「これで信じてくれますか?」


 本来の1割ほどの領域なので、範囲は小さい。


 おっさんは俺に向かって怒鳴る。

 小さすぎて、甘く見られたかな。


 「この程度でAランクを仕留められるってか?」

 「<雪原領域(スノウエリア)>程度でいきがってんなよ」

 「大人を舐める……な」


 俺に近づこうとしたおっさんの喉元から赤い血が滴る


 おっさんは首元に氷柱が突きつけてあることに

 気づいて、俺から飛び退いた。


 「<雪原領域(スノウエリア)>ですか……?」

 「もっと上位ですよ。威力は落としてますけど」

 

 「……お前はちと危ない……<拘束(ウィップ)>」


 「 <解錠アンロック> 信じてくださいよ」


 拘束魔術を一瞬で解く

 低位の拘束魔術くらい、造作もない。


 「信じるから! わかった、収めてくれ!」


 やりすぎてしまったかもしれない。

 少し反省して考え事をしていると、


 おっさんが畳み掛けてきた。

 渋っていると思われたのだろう。


 「……まだダメですかい?」

 「なら、兄貴って呼ぶよぉ。それならいいだろ?」


 土下座までしてくるので、身を引くことにした


 「いいですから、恥ずかしいのでやめてくださいよ」


 ギルドの真ん中で子供相手に

 技が効かずに泣きわめくおっさんの図。


 受付のお姉さんも俺への恐怖とおっさんへの軽蔑で、

 複雑な表情をしている。


 「ああ、悪かった! 兄貴はつえーよ、信じる」

 「俺でできるところまではランク上げるぜ?」


 「あ、はい。お願いします」


 「敬語禁止、強いやつがかしこまってどうする」


 俺は見るからに不機嫌という顔をしてみせたが、

 おっさんは気づかない。


 また、この一連の流れに受付の女は恐怖していた


 「おっさん! はやくしてくれよ。ランク」


 「やめてくれよ兄貴ィ……」

 「俺には ”タウィル” って名前があんだよぉ」


 「そりゃ悪かったな」


 全く悪びれていない。

 読んで欲しい名前があったなら、先に名乗れってんだ


 「気をつけてくれよぉ?」

 「じゃあ、ランク刻むから腕出してくれ」


 俺は大人しく腕を差し出した。


 前にもこんなようなことがあったが、

 もう思い出したくもない。


 過去の教訓から痛みに備える。


 「魂よ。自らの主体へ階級を……」

 

 ーバチバチッ!!!


 白き稲妻が腕から発せられ、鎌のような形状で

 タウィルの首にかかった。


 まるで ”触れるな” と意志を持ったかのように。

 慌てて俺はタウィルに叫んだ。 


 「俺の意志じゃない! はやく手を離すんだ!」


 「わかってる! 初めてだ、魔力に弾かれたのは」

 「少し動くなよ<覚醒能力(オーバースキル)監視者(フォーカス)>!」


 俺の腕に触れたままタウィルは能力を使った。


 幽霊でも見たかのような表情で俺のことを見つめた後

 俺から飛び退いた。


 離れた途端に首にかかっていた鎌は消えた。


 「な、なんだよ。なんか、変だったか……?」


 気味の悪いようなものを見る目で見られるので、

 意を決して聞いてみた。


 「変なんてもんじゃあねーよ。兄貴ィ」

 「……あんたおかしいぜ」


 「だ……だから、何がおかしいんだよ」


 「強すぎるんだ、いや世界中で見ても最上位級(トップ)だぜ」

 「あんた、S− ランクなんだよ。実力がよォ」


 リースやローズ、グラルが S+ ランクくらいなので、

 そこそこの強さではあるのだろう。


 いまいち実感がない。


 「<監視者(フォーカス)予測(ヴィジョン)>。何が異常かっつたらよォ」

 「俺が勝てる未来が見えねー。俺の能力<監視者(フォーカス)>」


 筋肉もりもりのおっさんの見た目で

 ナヨナヨと話している


 「権能は<魔力感知><遠視><予測>の3つだが」

 「相手を視ると勝率がわかるんだが……」

 「あんたへの勝率が1%もないんだよォ」


 「まぁ、確かにお前には負ける気はしないな」


 覚醒能力(オーバースキル)王級能力(キングスキル)は世界に記録された情報を

 一部使用できる権能がある……らしい。


 それでも俺はタウィルに負ける気はしないがね。


 だが、屍人騎士(ゾンビナイト)くらいなら

 難なく伐てそうだ……見た目に反して謙虚な男かも


 「これでも俺ァ、 屍人騎士(ゾンビナイト)混成雷獣(キマイラ)くらいなら」

 「……10回に1回は勝てるんだぜェ……?」

 「一応 ”猛者”っていう扱いなんだがなァ……」


 タウィルはそう言うと、明らかに肩を落とした


 確かに、能力が <解析(サーチ)系> なのに戦力になるのは

 猛者と言えるだろう。


 「……お前の呼び名は秩序を守る者(ギルドガーディアン)だろ?」


 「認められたんだよ、猛者として」

 「知ってんだろ? 世界からだよ」


 そんなの言われた記憶が無い。

 まさか、タウィルに負けたのか!?


 「んだよ、その顔は……さては信じてねぇな?」

 「魂よ、己の実績を開示せよ」

 「さぁ、好きに見てくれや」


 タウィルがそう口に出した後、タウィルの目の前に

 ステータスのような

 テキストボックスのようなものが浮き出た。

 

 <実績称号:タウィル>

 ・強者(グレーター)猛者(スタルワート) ・覚醒者

 ・超鍛者 ・狂戦士(バーサーカー)


 「なんだ、これ。急にゲームチックだな」

 

 「ゲームゥ? よくわかんないことを言うなよ」

 「おれ、頭悪いんだからよォ」


 これだから脳筋は困るのだ。

 それは置いておいて、俺もやってみたい。


 「魂よ、己の実績を開示せよ! だっけ……?」


 タウィルを真似て、俺も唱えてみた。


 見事成功し、目の前にステータスのような

 テキストボックスのようなものが浮き出た。


 <実績称号:レグオール>

 ・強者(グレーター)猛者(スタルワート)氷獣王アイスビーストマスター

 ・氷結魔術師 ・空領者(スペースキーパー) ・雷轟魔術師

 ・詠唱破棄(スペルブレイカー) ・魔神等級:初級取得(クラス・デーモン)

 ・魔神等級:操魔白星(クラス・ゲール)


 キモいぐらい実績獲得していたのだが、

 なんならタウィルも引きつった顔をしている。

  

 なぜか俺は、”魔神等級”というものを持っていた。

 そんなものを受けた覚えもないのだが……

  





リース:母

グラル:父

レグ(レグオール):主人公

タウィル(秩序を守る者):おっさん

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