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15.バクチ凱旋

 衛兵とミル、そして後から合流したホトリを連れ、カジノの入口に爆破油を使いぶち壊す。


「んぁこれよりぃ!運営長バクチの権限によりぃ!貴様らカジノの従業員を確保するぅ!大人しくお縄につけぇ!」


「「「「「おおおおおおおお!」」」」」


 ――――――


「や、やめろ!何をする!」


「バクチ様、こちらグロウゴ組の長の一人、グルチーミでございます。」


 そこからは思った五倍簡単に進んだ。というのも数の暴力というのは凄まじい。大義名分さえ得ることが出来ればこんなもんだろう。

 この街で最も税金が注ぎ込まれた精鋭たちがウジャウジャと、それもカジノといった戦うにはあまりにも広すぎる場所では賊に勝ち目などなかった。力のあるもの達だ、向こう側にも何人か強いのが居たが、そいつらは今ホトリの部下たちによって拷問に掛けられるらしい。連れを殺された恨みも強いだろうから、情報に期待だ。

 さて、床にころがったこいつ…どう料理してくれようか。


「貴様、グルチーミと言ったか。これから何をされるかは分かるよな?」


「や、やめてくれ!こんなこともう辞めたいと思ってたんだ!俺は利用されただけなんだよぉぉぉ!

 情報なら話す!なんでも話すから俺だけは見逃してくれぇぇぇ!」


「無様だな。まぁ、話すなら聞こうじゃないか。」


「ま、まずお前らの運営長のウンネイだ!あ、あいつは俺達側の魔族だぞ。この情報だけでも有力だと思わないか?なぁ!」


「ふむ、それ件については…俺が既に牢獄にぶち込んだ後だ。残念、君の情報は今のところゼロだな。」


「ああ!?それなら…このカジノを任せた人物ならどうだ!」


「ほう…?」


 異世界人の可能性が極めて高い情報だな。これは俺にとってもメリットがデカい。見逃す訳には行かないがこの話は吐かせるのが吉だな。


「あいつは日本人だ!この情報はカジノのVIPにしか流れていない!VIPの中にも有力者達が…」


「バクチ様、その情報は既に調べがついております。」


「ホトリか。」


「先程はあまり力になれず申し訳ありませんでした。ですが、そのお陰でVIPに関する情報、グロウゴ組に関する情報、そしてこの街にある裏の情報をほとんど全て入手致しました。」


 優秀だぁぁぁぁぁ!ならばグルチーミとやらはもう既に不要だな。

 そう確信した。この街に根付いてしまった悪を許すことはない。


「最後に質問だ。この本にいて何か知っているか?」


「そういうことはあの異世界人に聞いてくれ!俺は何も知らない!」


 収穫なしか。まぁいい。

 さぁ、下賎なる者よ。貴様の原型…残してはやらんぞ。


「ぐぁぁあ!何をする!」


「人間ってのはか弱い生物なんだ。弱点を蹴るだけでこんなに惨めに這い蹲る。」


 そう言って俺は急所をとにかく蹴った。こいつ単体に恨みは無いが、新天地はやはりストレスなのだろう。蹴っていて大変気持ちがいい。


「や、やめっっ、何をっっ!」


 周りの衛兵がドン引きしているが知ったことでは無い。俺がこの街のトップになった以上人間の扱いなどこんなものだ。幸い俺達は魔族。そして人間の身分は間違いなく下。これからこの街では人間達の粛清を行う。


「貴様らグロウゴが居なければウンネイさんも人間も…もう少し穏やかに暮らせたのかもなぁ?

 これからの都市シデスは魔族主義を貫いていく。愚かなる人間共よ、貴様らは最もやってはいけないことをした。それを牢獄で悔い改めるがいい。

 こいつも牢獄に連れて行け!そして俺の権限により人間共の階級を全て剥奪!この街に不必要だ。財産も差し押さえて全てを運営資産とする。」

 ――――――


 カジノ騒動を終えてボロ館へと向かう俺だったが、戻り道には魔族たちが押し寄せていた。


「バクチ様!ありがとうございます!これで元の生活を取り戻せます!」


 人間達により不法に占拠されていた地区も多かった。魔族の子供達が道に溢れていたのは、力のある人間どもが原因だったのだろう。

 魔族と言えどやはり一般人に戦う能力は少ないのだ。


「バクチ様!ありがとうございます!ありがとうございます!」


 民衆の心は俺に傾いてくれた。ここからはこの街を俺好みに変えていこう。ホトリからイズミ、イズミからソバツカさんに連絡してこの街を改造していくのだ。さぁ、楽しくなるぞ。

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