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13.ホトリと俺

 休みも一日終わりかけ、今日は月光の書については収穫が無かった。たまたま行った酒場が四皇管轄など誰が予想できる。今回は運が悪かったとしよう。しかし、イズミに関してとウンネイに関してはこれからどんどん深掘りが出来そうで安心した。イズミとウチワには少しくらい痛い目を見せなければ納得いかないからな。

 そして久々だな、この感じは。これからデリバリーでヘルスなあれを呼ぶ様なドキドキ感。呼んだことはないが。それもピンク髪で可愛いということが確定している時点で男なら多少ワクワクもするだろう。言ってると早速ノックだ。意気揚々笑顔でいらっしゃいだなこりゃ。


「いらっしゃーい!」


「ほう…?貴殿はそのような笑顔も見せるのだな。てっきり表情は苦笑いと真顔しか出来ないものだと思っておったぞ。」


 うーんこの。訪れたのは休日に最も顔を見たくないランキング堂々一位、直属の上司でした〜。あーあ最悪。どうせ明日からは何度も顔を見るのにな。すっかり俺も立場を弁え、ご機嫌取りの微笑を浮かべたところでまずは。


「あ、あはは…何かご用でも?」


 どうせ変な要件を押し付けられるんだ。職場から近い建物に住むとこういうことはたまにある。なんなら同じ建物なんだから当然のように来るわけよ。休みは仕事のことを考えないようにさせてくれよ〜。


「今日貴殿が行った酒場だが…事情は聞いているらしい。端折って説明させて貰う。この街では知っての通り魔族間の連携が取れておらぬ。故に勢力として様々な所から介入されているのだ。

 一つが例のカジノの元締、そして四皇のイズミ殿であるな。その他にも様々いる訳だが…それはこの街で過ごしていくうちに分かるだろう。バクチよ、貴殿に頼みたい事は他でもないこれらの統括なのだ。当官ではあまりにも手が足りぬ。知っての通り毎日書類に追われておるのだ。期待しておるぞ…。」


 思ったよりも可哀想な話なのかもしれない。ウンネイが手を回せていないのではなく、回す手がそもそも無かったのか。

 ここまで悲痛な顔をされるとはな。権力をもってしても出来ないことは多いらしい。仕方ないね。


「それでは私にある程度の権利を。金を稼ぐのは得意です。私財の中から自由に公共事業などをする権利を与えてください。そうすればどうにかしてみせましょう。」


「すまないな。それでは公共事業を自由に出来る権利を与えよう。それと…これは少ないが当官の私財である。これ以上は出せないがこれらは自由に使うがいい。」


 そう言ってウンネイは金貨100枚を俺に預けた。うっひょ〜!金だ金だ!…しかし俺は鬼だが鬼ではない。これらの金はお望み通り運営に使ってやる。いずれ恩を盾に俺の駒になってもらおう。


「ありがとうございます。それでは明日からまた励みます。」


「そのように頼むのである。それとその手の仕事は何かしらの補助を出せるかもしれない故、必ず書類を届けてから行うようにしたまえ。

 貴殿は文字が書けないようだが…なに、今来た者に書かせれば良いであろう。それでは失礼する。休日にすまなかったのである。」


「失礼致します。バクチ様、ただいま参りました。」


(ホトリ殿であるな。確かイズミ殿の右腕であったか。このバクチとやらはかなり使えるやもしれぬ。今回は期待出来そうであるな。)


 ホトリが来たと同時にウンネイは帰って行った。仕事は任されたが結果的に権力を手に入れた。権力と責任はイコールなのだ。これから多少は励もうか。

 それと覚醒魔法は切れているようだ。効果はあの場限りだったらしく、ホトリは何故こんなことに?といった顔を見せている。酒を飲んで昨日の記憶が無いみたいな感覚だろうか。

 威力によって効果時間は変わりそうだな。無音だとこの程度が限界だろうか?…まぁ、どっちにしろだな。一度掛けようが二度掛けようが無尽蔵の魔力をもってすればなんのことは無い。もっかい覚醒魔法だ。


「…ッッ!」


 再び顔を赤らめる彼女。蕩けそうな表情を抑えているが、うーんなんともチョロいな。


「ホトリ、例の作戦の段取りは取れたか?」


「そ、そうですね。えぇ。まず手始めにあのカジノの裏に着いている勢力についての話からになります。

 それは…この街の裏組織の一つであり、最も巨大なグロウゴ組です。組には四人のトップがいると噂されていますが、彼らについての情報はあまり多くはありません。」


「それは…イズミさんの力をもってしても情報は集められない程なのか?」


「決してそういう訳では…いや、残念ながらそういうことになるのでしょう。我々はイズミ様の指示通り動いていますが、毎回作戦の根幹となる部隊が全て先手を打たれ敗走。といった具合です。」


「情報が漏れてるかもしれないな。それじゃあグロウゴ組についてもう少し聞きたい。そいつらはこの街特有の組なのか?それとも他の都市にも何かしら干渉しているのか?」


「それは有り得ません。情報不足の為確実にという訳にはいきませんが、この街にいるそういった裏組織は皆この街のみで活動している事が多いです。他の組であればその可能性もありますが…奴らは手広くやっている訳ではありません。カジノ一本では無いでしょうが、それに近い形態かと思われます。」


 カジノを抑えることが最も手早く致命傷を与えられるのは間違いないとのこと。

 しかし四皇、それも恐らく情報のエキスパートを退けるなんてどんな組織だよと文句が言いたくなるが…イズミが無能な可能性も無きにしも非ず。

 何にせよ手広く捜査していく必要も出て来てしまった。もういいや。この従順ピンクを抱いて今日は終わりとしよう。


「ところでホトリ、今日この後用事はあるか?」


「あ、ありません。その…」


「少しマッサージを頼みたいんだ。こいつのなァ!」


 ボロンとドカン。さあホトリよ、俺に尽くすのだ。


「あの…えっと私…」


 あまりにも悲しげな目をしている。嬉しさに震えたのだろう。


「どうした、お前の新たな主君はここに居るぞ。」


「…なんです。」


「?もう一度言ってみろ。」


「男なんです!」


 そ、そんな訳あるか。こいつはスカートを履いているんだぞ。スカートを履く男ってのは…女装趣味かジェンダー的なあれかのどっちかだ!この排他的中世風な世界では有り得るはずもないッッ!


「な、ならその格好はなんだ!紛らわしい格好をしている理由を説明しろ!」


「これは…イズミ様の趣味でございます…

 ですが!それとは別にバクチ様のことは好いております!男でもいいのであれば!抱いてください!!」


「…………………」


 イズミィ…!貴様は二人不幸せにした。イケメンに惚れてしまった哀れな男の娘一人、そしてこの俺様である。フハハハ…この俺に一度だけでなく二度までもやらかしてくれるとはな。覚えておけ。


「済まなかった。ホトリ、君はこれから俺の元で働くといい。生憎俺には男を抱く趣味はない。本当に済まないと思っている。しかし、その責任はやはり君の上司であるイズミにある。この話、受けてくれるな?」


「うぅ…わかりました。抱いて貰えるように精一杯頑張ります!」


 抱いて貰わなくていいんだからねっっ!何回も説明しないわよ?俺は。

 そんな一悶着も終わろうかというその時、外でとんでもない爆発音が鳴り響いた。


「バクチ!カジノ周辺で騒ぎである!今すぐ出立の準備を…」


 ウンネイは俺の偉大なる息子を見て静かに目を逸らした。

 お読みいただきありがとうございました。よろしければ感想、評価、お願い致します。

 投稿遅れちゃってごめんなさい!大学のレポート地獄に見舞われており、文章を書く気が失せてしまっていました。これから春休みなので更新頑張ります!よろしくお願いします。

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