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僕ワールド(3/11)

僕は、アルバイト先のレストランであるメニューを開発した。と言っても普通のトマトカレーだが。しかし拘りの配合や彩りがウケた。そこのレストランは個人経営と言うこともあって、すぐに社員にしてもらえたし僕のトマトカレーはその店の看板メニューにまでなった。

数年間必死に働きながら調理師の資格を取り、経営の資格を取り、そして独立した。

最初は屋台からのスタートを選んだ。

失敗したって資格があるんだからいざとなったら働き口はある。

だから恐れずにやりたい事が出来る。

屋台でもトマトカレーは売れた。

屋台は客の回転も良い。

毎日くる常連客が大勢できた。

客と恋をした。

トマトカレーがテレビで取り上げられた。

雑誌にも載った。

カレーの料理人として有名人になった。

結婚した。

レストランをオープンした。

物凄い数の従業員が出来た。

子供ができた。

家族で幸せな日々を送った。

年の半分は海外に居た。


僕は実業家だ。


0から元々のセンスで成り上がるのが上手だ。

そういう生き方に長けている。

僕は他とは違うそういう人間だ。


気付いたらいつも此処の3畳の部屋で僕は何者かになっている。


そんな凄い自分を妄想している時が一番集中している。

まるで獲物を狙うカマキリみたく数時間全く動かず妄想に更けいって過ごしている。

現実が妄想で、妄想が現実に変わるかもしれないとほんの少しそんなことを期待したりして。

ミュージシャン、医者、教授。

明日、僕は此処で何者になるのかな。






挿絵(By みてみん)




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