アンコール その①
街灯が灯る夜中の街を走る俺たち4人。
いつもは夜なお騒がしいこの街も、今はやけに静かだ。
魔操兵たちの姿も見えない。もう殆ど倒されたのかな?
「どうしようか? 市長を捕まえるにしてもやっぱり味方が多い方が良いし、一回オリミスたちと合流しようか」
俺は少女らに聞いた。
「でも、どこにみんながいるか、分かりませんだよ?」
「そっか。そうだね。みんなが分かれた場所に残ってるとは限らないからなあ」
「…………」
ルティカは俺とナムネの会話を黙って聞いている。
「居場所が分からないと言えば、市長の居場所すら分からないんだよな……。どこかに隠れて高みの見物をしてるんだろうけど。いや、舞台に立って宣言したり、自己アピールも好きみたいだし、結構目立つ場所にいる可能性も……」
「隠れられて、目立つ場所?? む~~ん、そんな場所ありますだかねえ……」
足だけを止めずに悩む俺たち。
「何をお探しでしょうか?」
と、そんな俺たちを見かねたのか、メリアンノがそう急に割り込んできた。
ナムネが説明する。
「え!? あのね、メリアンノさん。市長の人の居場所が知りたいんですだよ」
「市長。グレッグ・オイド氏のこと、ですね?」
「うんそうですだ、そのおいどさん」
メリアンノは少し考える様に間を空けてから答える。
「……情報が不足しております。お力になれません。申し訳ございません」
やっぱりメリアンノでも分かんないかあ。
そりゃそうか。相手の居場所を探す魔法はあるけど、そう都合良く使えるわけないしな。
前に居た世界なら、警察だったらGPSとかで探せそうだけどなあ……。
…………。
ん? GPS?
「な、なあメリアンノ。おまえに命令した人の場所って分からないのか!?」
俺は思い付きにやや興奮しながら、メリアンノに聞く。
メリアンノは答える。
「直近のラビスマインによる指令の、命令者名については登録されていないようです」
メリアンノは変な用語を使って説明する。ちょっと分かり難い言葉だけど、何となく把握して俺は聞き返す。
「ラビスマイン?って言うのが命令する道具なのか?? じゃあそのラビスマインって道具の場所は分かるか??」
メリアンノは今度はあっさり返答した。
「はい。現在も指令が発令されており、受信しております。現在使用されているラビスマインの発信場所の特定は、可能です」
「????」
ナムネも、ルティカもいまいち意味が分からないようで首を傾げている。まあこの世界の人には分かりにくい話かもな。
俺は彼女らに教える。
「市長の居場所がわかるみたいだぞ!」
「え、本当ですだか!?」
結構ナイスプレイだったぞ、俺。
でも、向こうには本気メリアンノ並みの相手が4人もいるかも知れないんだよな……。
いや、その迷いは捨てよう。
「メリアンノ、その場所を教えてくれ」
遅い上に短くてすみません。。




