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伝説の冒険の旅  作者: ご主人さま
第一章 冒険の始まり
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ロドイの開放 その② の続き



俺とユリアとリディの3人は馬車を追い掛けていった。

もちろん猛ダッシュでもしないと馬車に追いつけないからすぐに見失ったが、行先の見当はついた。


「アルアは宿に戻っていて。話を聞きに行くだけだから」

「は、はい。お気をつけて!」

そう言ってアルアは先に戻っておいてもらって、ユリアとリディと俺の3人で向かう。


みんないつの間にか小走りになり、元ボロッゾの屋敷へと向かった。

その屋敷は本来は国主や賓客などがロドイを訪れた時の為の滞在邸らしい。でもボロッゾの娘はここに戻っているだろう。


この2日で何度も通った道なので何も迷わずに難なく到着する。


検分などで衛兵が残っていたはずだが、屋敷の周りにはすでに誰も居なかった。

だが屋敷からは煌々と光が漏れていた。


扉には錠すら掛かっておらず、俺たちは屋敷の中に入った。少し部屋を探すと、彼女の私室らしい部屋でその姿は見つかった。


何やら着換えや私物などを部屋中に散らかせて、侍女と一緒に作業をしていた。


「あら、あなた達」

ボロッゾの娘は部屋に入って来た俺たちを認め、しかし上機嫌な様子で俺たちに言った。

すっかり余裕を取り戻しているみたいだ。


「部屋にいきなり飛び込んで来るなんて、先日もだけど、やっぱり下々の方はしつけがなっていないのですわね。まあ、今はわたくしも気分がよろしいので、特別に許して差し上げますわ」


彼女は高そうなドレスを合わせながら、俺たちに言う。


そんな彼女に、リディが言う。

「警備局にはまだ繋がりがあるみたいね。さすがに父君は助け出せなかったみたいだけど」


「お父様のことは残念ですわ、しばらくお別れみたいですわね。でもこれも致し方ない事、わたくしは海外に居るお母様のところに行って、共に慎ましくも優雅に過ごさせていただきますわ~! おーっほっほっほ!」


「………」

高跳びする荷造りをしていたのか。いや、そんな悪びれる様子も無いな。本当にしつけがなってない。


俺やリディは呆れて言葉を繋げられなかった。

だが、ユリアはそんな娘になお説得しようとする。


「ラローナ、私は、あの地下水道であなたと過ごして、あなたもそこまで悪い子じゃないかもと思ったわ! ただ教えてくれる人がいないだけで、きっと知ればみんなに優しく出来る人になれるって思ったの! ねえ、まずは町の人に謝って、自分がみんなにしたことを反省して? それからならどこに行こうと好きにすればいいわ。ね!?」


ユリアが優しく、でも内に熱を込めて彼女に言う。曲がりなりにもあの苦境を一緒に過ごしたのだ。

俺も芯まで悪い奴じゃないと思った、なのに。


ラローナはユリアの言葉を聞き流し、荷物選びを続けた。

「ふんふ~ん。あ、それは浜辺を歩くときに似合いそうですわね、荷物に入れておいてくださる」

それを見て、ユリアは肩を落とす。


そんなユリアにリディが手を触れて言う。

「ユリア。あなたは少し部屋の外で待ってて。今度は私が説得してみるわ」

リディが彼女に言う。


ユリアは落ち込みながら部屋を出て行った。ラローナのやつ………!


リディはラローナに近付く。

「なんですの? 暴力でも振るう気ですの!? 私はか弱い淑女ですのよ?」

娘はそれでも自分に被害を加えられないと確信してるのか声は強気だった。


「いいえ。こうしてあなたとお話しするのは初めてだから、まずはお近付き出来ればと思って。これ、私の国のお菓子なんだけど、良かったらどうぞ」


「あら。あなたはそれなりに礼儀をご存じのようね。へえ、見た事の無いお菓子ですわね。頂きますわ」

ラローナは、リディが包みから取り出し差し出した、団子?のような物を受け取り口に入れた。


「もごもご。んん? 可笑しな味ですわねえ。こんな味があなたの国では流行っていますの?」

「外国というか、材料はこの辺でも採れるようよ。ね、リックス?」

「へ?」


唐突に話を振られ、俺は拍子を抜かれる。

だが、彼女が鞄から取り出し俺に見せたのは、“あの”草だった。それを持つ手にはいつの間にか手袋がはめられていた。


「あらら? ふあ、な、何かしら。急に、何か、腰に力が入らなくなりましたわ……??」

そう言って、ラローナは足を震えさせていた。その内立っていられなくなり、よろよろと家具にもたれ掛かる。


「お、お嬢様、大丈夫ですか!?」

侍女たちが心配してかどうか、娘に駆け寄ろうとする、が、そんな侍女らにリディは言う。

「どうやら疲れが出たみたいね。彼女の様子は私たちが見ますから、あなた達はもう休んでもらって構いませんよ」


「そ、そうですか? では……」

「あ、ま、まちなひゃい!」

侍女たちは部屋から出て行った。彼女たちも失業することになるんだろうな、大変だな。


「ま、まひゃか、ど、毒を盛りましたの!?」

ラローナはリディを見て言う。


そんな彼女にリディは結構明るく答える。

「大丈夫。私もこの前食べたけど、こうしてぴんぴんしているわ。安心して」


「じゃ、じゃあ、にゃんで、こんな、へろ~~」

ラローナは床にへたり込んだ。

俺はリディに近付き、声を掛ける。


「……、持って来てたのか、レロレロ草。」

「何か使えそうだな―と思って、えへ」

……ほんとに油断ならないなこのひと。わざわざ団子まで作って。


そうこうしている間にも、ラローナの症状は、以前のリディと同様になってくる。

「く、ふぅん……。こ、こんなあん! せ、せつにゃいですわああ!!」

彼女は自身の体をきつく抱き締めて言った。


「ふふふ」


リディはそんなラローナをサディスティックに何もせずただ見下ろしている。そして時間が過ぎて行き、ラローナの辛抱が利かなくなってくる。

床には高級なカーペットが敷かれているが、ラローナの周りだけは汗や色んな液でぐっしょりと染みが広がっていた。

もう随分待たせてるけど、ユリアにはこんなの見せられないよ~。


「へ、へあ…へあ…。んぎぃ! ど、どうひゅれびゃ、こりぇ、どうにきゃにゃるんですにょおお?? ひぐぅ!!」


「あなた、まだ経験無かったみたいね。それは、悪かったわね。でも身体はもう知っちゃったみたいね? どうする? 自分でなんとか出来る?」


「どうしゅればいいんでしゅにょお? む、むりでしゅわああ!! お、おねぎゃい! どうにきゃしちぇくだちゃいましいい!!」


「それが人に物を頼む態度? ちゃんとお願いも出来ないの!?」

今までと一転、厳しい口調でリディは責め立てる。彼女の声は結構甘い感じだが、それが妙に責める口調とも合っていた。俺も言葉を聞いてるだけで背筋がぞくっとした。


「んぐうぅ!!」

リディはラローナを虐め抜く。こ、これも教育、なんだよな?? 信じてるよリディ。

それにしても……なんかラローナのやつ、虐められてるのに、喜んでいるように見えなくも……?


そして、ラローナは地べたに這いつくばって懇願した。


「お、おにゃがいいたしましゅうぅ!! わたくひにょお、おかひいのおお、どうにかしてくりゃさいまひい…!!」


「心が籠ってない!!」


「お、おにぇがいでございましゅわあ! たしゅけへくりゃさいまひい!!」


「もう一回!!」


「おにぇがいでひゅのおおお! おじひをくだひゃいまひいい!!」


鬼だ。鬼がいる……。


「ふう。さあ、こう言ってるけど、どうする? リックスくん??」


リディは振り返って俺に聞いて来た。

その表情は上気して大変ご満悦の様子でした。



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