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⑤蒼暦745年7月23日

ルクソールの森『マイント第12前線基地近郊』


夜更けから夜明け迄が本日の担当で、今森の中を先頭切って歩いている。温暖な帝国内において、マイント半島の気候は少し涼しい地方に属し、ルクソールの森は針葉樹の森でツサと言う木材に適した樹木が多く密集している。

基地でも、数多く伐採した後加工の上補強、補修材としてストックしている。

この辺りはそのツサの木が、20メートル以上聳え立ち

地面迄は月や星の光を落とさない為、真っ暗闇の上ジメッとした感じの空気の湿感が有りあまり気持ちの良い環境では無い。

しかも、針葉の枯れ葉は堆肥の様な形を成しており少しだが臭う。

俺たちは俺を先頭にして、間隔を狭めその後を2列縦隊で進んでいく。時間の感覚も無くなる暗闇の為に意識は研ぎ澄まされ、後ろの兵たちが枯れ葉を踏み付ける音が異常な程大きな音量で耳に入る。

常人であれば5分もすれば神経に異常を来たしそうな状態であるが、そこは行動や性格に難が有る遊撃班メンバーであるが、実戦経験は豊富な者が多く取り乱す者はいない。俺は少し安心しながらも、警戒しつつ歩を進める。

『んっ!』闇の帷で視界はないが、感覚は前方に人の気配を感じる。家を飛び出し母以外の人と接触して感じた人とは違う自分の感覚。見えない者を捉える意識が他の人に比べ異常に高く、浮浪児の時何度も寝込みや一人歩きをしている時に襲われたが俺に対しては奇襲は強襲にしかならず、逆に相手が俺の逆襲に面食らってる隙に倒す事が出来た。

今も目では見つけられない物体に対し意識を集中し

後ろの部下たちに、小声で止まれと伝える。

俺は1人、地面に敷かれた枯れ葉を踏む時な音が出ない様、忍び足で物体のある方向へ距離を詰める。

1歩2歩3歩、、、正解だ。

物体は全部で5つ。後は人かどうか?敵か?味方か?

を、判別するだけ。

そう思考を持っていくと、小声の話し声がきこえる。

「、、、らしい、、、てききちはす、、そこの、、

、ていさ、、、」

うん、どうやら的な偵察隊だな?そのままゆっくりと1番近くにいた奴の背後に回り込み剣を抜く。

大上段に構え相手の頭上に思い切り振り下ろす。

頭蓋が弾け脳漿やら血やら白や赤い液体が辺りに撒き散らかされる、剣はそのまま胸迄切断したところで

思い切り引き抜き左手で茫然と立ち尽くす野郎に向かって猛然と突きを放つ。左脇腹を抉るようにするも刀身は背中迄達した為、左肩口目掛け刎ね上る。

心臓を切断した為、大量の返り血を浴びるもどうというとは無い。今度は右奥にいる奴目掛けて突っ込もうとしたところで、待機していた軍曹達が戦闘に参加して来た。残り3人あっと言う間に俺の部下達に囲まれ

2人は狂うた様に刀を振り回し俺と軍曹に向かって来た。俺を襲おうとする者が多分この隊のリーダーだろう。俺は相手が振り降ろす前に素早く横薙ぎ一閃。

右脇腹から内臓を抉り出す様に振り切り、皮1枚となって倒れ込んでくる上半身を左足で蹴り上げ二つ折りとなった身体を真っ二つとした。軍曹の方も斬り伏せた様だが、残る1人は自我を喪失した様で、座り込んだまま、頭を振り乱し訳の分からぬ言葉を叫びながら拳を地面に叩きつける。

精神が触れており、捕虜として連れて行くには少々難義かも知れん。思った瞬間、男の首すじに刀を突き刺し命を奪った。俺が一人目を殺ってから5.6分と言うところか?


取り敢えず殺した敵の身ぐるみを剥ぎ、何か重要な物が無いか探索する。最後に俺が切った隊長らしき奴の左内ポケットに紙片が1枚。

ここでは暗く1字も判読出来ない為、月明りのある開かれた場所迄移動。軍曹に紙片を手渡す。

「軍曹、読め!」

「ハッ!、、、、、、、、、中、中尉?」

少し軍曹の顔色が朱に染まっている様で、夜の軍曹を思い出され、俺の剛刀が奮い立つ。

ちょっと木の影にでも連れて行くか?

「あの?中尉?内容をお伝えしても良いですか?」

「うん?あっ?あぁ!頼むよ。」

「はい!どうやらこの先に少し開けた場所がある様で

そこに敵の襲撃部隊が駐屯している様です。その数200、1個中隊程度と有ります。ここは基地に戻り報告の後、指示を仰ぐべきです。」

えーそうかなぁ?ちょっと違うんじゃ無いかなぁ?

俺がいるんだし!俺は強いぞ。俺を倒せる奴はいないだろう?やっぱそうだよな!じゃあ行くかな?

「軍曹!その駐屯地はここからどの位なんだい?」

聞きながら、軍曹の後ろから抱きしめ胸を揉みしだき

欲望を満たす。

「えっ、中尉やめて下さい!部下が見てます!」

「えっ?何を?ところで聞いた事には答えてほしいなぁ?」「はっはい、アン、イヤン、あの30、ンフッ

分く、クッ、位だと思い、アーン、ます。」

兎に角俺は報告を聞きながらでも、手を休める様なそんな怠惰な態度は取らない。軍曹の身体で唯一柔らかな部分を攻め続ける。その途轍もなくて盛り上がった柔山の中央の硬い突起を左人差し指で転がしながら

会話を楽しむ。

軍曹から回答を受け、スッと体を離し、ポカンとコッチを凝視していた部下たちの前に向かう。

軍曹は膝から落ち、息も絶え絶えに座り込んだまま動けないようだ。

俺は此奴らをどうやって敵陣に連れて行くか考えてる。とは言え、俺の頭では考えても答えが出るとは

、、、思えんな?まぁ何時もの様に行き当たりバッタリで行くか?

「さて?部下諸君!俺の力はさっきの戦闘を生で見て

実感したと思うが【紅阿修羅】の二つ名は伊達では無い!今、軍曹から重要な情報が舞い込んだ。

敵の襲撃部隊がここから30分程度の場所に駐屯している事が判明した。そこでな?そこでだ!そこを俺たちだけで、やっちゃおうと思ってるんだけど、どうだ?

やるかい?」

部下全員は目をひん剥いて驚いた。俺は少しこいらをびびらせておいて言い放つ。

「お前らが来ないなら俺だけで行く。後は野となれ山となれだ!戦さは時の運。俺の強さを信じるならば付いて来い。」言い放ち俺は目的地に向かう。

見れば軍曹はもう立ち上がっていて、先程迄の淫靡な眼差しから、【白夜叉】の二つ名に相応しい眼差しに変貌している。コイツらやっぱり来んかな?

まぁ良いか?軍曹と2人で行くかな?

と、思っていたら、

「中尉!我らも参ります!中尉の力を信じて参ります!そして大手柄を共に挙げましょう!」

オォ!付いて来てくれるか!良し良し!

然し、200か?今ここには10人。20倍か?

アレ?何で俺20倍の敵と戦おうと思ったんだ?

考えろ!なんでだ?俺は強い!無茶苦茶強い!

多分10や20位なら瞬殺で死体の山は作れる!、、、

、、でも、200だと、いや100としてもだ、そこまで

殺し続けると疲労も出るし、剣の斬れ味も悪くなり使いモンにならなくなる。と、すると一度に殺れるのは良いとこ50というところか?

じゃあ残り150をどうする?軍曹でも10かそこらが限界だな?残りの8人は未知数だが軍曹よりずっと落ちんだろう?3人と見積もって、24人。

全部足しても100にも追っつかねえ。

倍だ!倍!どうする?

と、思案していると、軍曹が可愛く俺の顔を下から顔を傾いて見つめてくる。

「中尉?何か策は有りますか?小官に一つ妙案が有るのですが?」

何だこの可愛い見せようとしている大動物は!

(嫌?さぁ?どんなに可愛く振る舞っても、でかい者はでかいやね!)

俺はそのまま抱き寄せ唇を奪い、そのまま溜めを30秒行い、体を話し問い掛ける。

「どんな案だい?」

「んっふっ、ジュル!ハイ実はこの先に木材の集積所として使用してい小屋があります。小屋の中にはダルマイトの粉が2箱保管されています。

奇襲直前にこの粉を爆発させ、相手を混乱させて、

退却の偽報を叫びながら走り回れば、敵を後退させられるのでは無いでしょうか?」

ダルマイト!ダルマイトねぇ?

すると、そこに痩身ながら背の高い(でも俺より20センチ位低いもんね!)顔は恐ろしく冷酷そうな銀縁眼鏡が、ニヤニヤと口角を上げた笑顔を取り繕って、俺の前に立った。

「中尉、中尉は力なら古今無双と自負されていますよね?違いますか?」

何だ?当たり前の事を言われ少しシラケ気味な俺は

「さっきもそう言っていた筈だよな?聞いてたか?」

こいつ!俺がそう言うと、今度は俺を小馬鹿にする様な顔をして言い放ちやがった、

「嫌、ご気分を悪くされたのであれば申し訳ありません。策を披露させて頂いてもよろしいですか?」

「あぁ、良いよ!どうぞ!」

「畏まりました。、、、ダルマイトですが、実は余り知られてないのですが、空中に散布して直ぐに火を点けると、爆風を伴った大爆発を起こします。

この特性を活かした虐殺方法が有るのですが、どうでしょう?」

んっ?それと俺の怪力と何の因果関係があるんだ?

「で?俺は何すりゃいいんだ?」

「ハイ!中尉には、ダルマイト2箱分入った箱を弓矢で相手のど真ん中の天空に打ち込んで頂きたい。

出来るだけ高くへ。」

んーわかんねェ?それでどうやって箱の中の粉を散布するんだ、って言うか矢をどうやったら箱ごといることが出来る?

「中尉、多分口で説明しても理解は出来ないと思います。私に1時間だけの時間と手伝いに3人貸して下さい。」

まぁ夜明け迄未だたっぷり時間も有るし、奇襲をかけるなら、夜明け前が1番成功率は高いだろう。

「わかった!じゃあ取り敢えずその小屋に行って見よう。」



小屋に着くと早速、さっきの銀縁眼鏡君が、小屋に手伝いの3人と共に入って行った。

俺は小屋の前で見張りをする事にした。だって聞いても判らんもんは、過程のものを見たってわかんねーよ

俺が見張りをすると言ったら軍曹の奴、

「今晩は寝ないでくださいね。」って言いやりやがった。これはお仕置きが必要だ!

俺は軍曹のトンネルに足を使いピストン輸送を実施!輸送量の限界を超えさせた。



「中尉、出来ました。」予定通り小1時間程で銀縁眼鏡君から声がかかる。俺の隣には気絶した様に眠る軍曹がぐったりとしている。

「で、どれ?」

小屋から手伝っていて3人ともう1人が2人1組になり

不恰好な矢を2本、それと途轍もなくでかい長弓が

1張を別々に持っている。

「これかい?何とも不恰好な矢だな、又この弓も馬鹿でかい、こんなの弾けるのは、、、アァ俺だけか?

成る程、弓引きについては理解した。だけどあの不恰好な弓は、、、成る程、あの矢の太き所にダルマイトがぶら下がっている訳か?」

「ハイ、そうです。中尉も、どうして、頭の切れは、かなり宜しい様ですな」

「ぬかせ!わかるのはここまでだよ!まぁ良い?

説明を聞いても多分分かんないよね?で、いつやる

多分後3刻もすれば夜明けだぞ」

「そうですね?直ぐに取り掛かりましょう。

んっ?軍曹は起こさないので良いのですか?」

「アッ?軍曹は俺が背負って現地迄行くよ。軍曹の事だ、戦さの匂いを嗅げば自然と目が覚めるだろう。」

そして俺たちは阿鼻叫喚の地獄を見せる為に敵集結地へと急いだ。

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