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13.蒼暦745年9月4日

マイント半島伯爵領商業都市トルイネ


さてさて、我が12前線基地遊撃中隊で有りますが

正式に解散を1日付けで受けまして、今はマイント半島治安維持軍トルイネ地区隊にそっくりそのままとは行かなかったけど異動となりました。

隊長は俺。3度目の正直で正式に大尉に昇進。

副長もウェルキン フォン ギルター中尉

内務班先任曹長にルーカス トライゼル

警備班先任曹長にマーガレット マイヤー

第1小隊長にワーレン少尉

第2小隊長にレオン少尉

トルイネ地区隊は2個小隊配備となった為、中隊の第3小隊は外されちゃった。

トルイネは半島内陸部のマンティスへの最終中継地であり、内陸部都市としては割と大きな都市なんだ。マイント半島は北方貿易が盛んな地域の為、栄ているのは基本港湾都市で内陸部の都市は都市とは名ばかりの田舎町ばかりだからね。

で、1日付けで辞令を受領して3日間と慌ただしく準備して本日着任したわけだ。

トルイネは薄いながらも防壁で周囲を囲い、門は2つ、マンティスから来る西門と対になる東門がある。俺たちは西門から入って行くのだが、現在は自警団なる元伯爵軍の彼等が町を守っている。トルイネは第7連隊が通過する前に降伏の使者が来て無血で通過した経緯がある。守備隊はほぼ在郷郷士か商人の家族であり、退去などさせられないので、そのまま自警団として俺の指揮下に収まる予定だ。入門時に軽く自己紹介などして、街へと入る。まずはこの街の支配者、市長へ会いに行く。市長の居館は公邸があるらしいが、報せの者によると今は私邸にいるらしい。

西門から10分程度、徒士と歩調を合わせ緩々と馬を歩かせていると到着した。

大きな屋敷だか結構年季のあるがっしりとした作りで威厳はある。屋敷の敷地内に入ると、屋敷玄関先で、ずらりと人が立っていた。

真ん中にこれまた、この屋敷を象徴するかの様な恰幅の良いと如何にも支配階級でございと言った男が俺を認めて近づいて来る。

「アシュレイド・フォン・ベルツブルグ大尉でいらっしゃいますか?私はトルイネの市長ヨーネン フォン トルイネと申します。恐れながら当家は代々マイント伯爵様よりこの周辺を治めるよう申し付けられ在地している家門でございます。」

「これはこれはご丁寧に!、、、トルイネ卿とお呼びしても?」

「いや、まぁ、、、そうですな。、、それはそうと領都からの長旅お疲れでしょう。お部屋を公邸の方にご用意しております。夜は細やかながら大尉の地区隊長御就任の宴も公邸の大広間にて開催させて頂きます。ささっ!向かいましょう!」

ん?貴族では無いのか?家門って言ったよな?

まぁ上に言っときゃ良いだろね。と思いつつ公邸への途に着いた。


トルイネ市長公邸

トルイネ卿 に案内され公邸に着いた。

公邸は赤煉瓦造りの2階建。卿の私邸より2回り程こじんまりとしているが、悪くない感じだ。

道すがら卿よりこの公邸を地区隊本部として使って欲しいとの事で、俺の居室も用意しているらしい。俺の部屋は2階かと思いきや隠し階段みたいな廊下の突き当たりに扉がありそこが入り口(そをなに隠れては無いけど外観からこの3階は見えない。屋根裏の空間を利用していて、無駄に広い、仕切りはベッドが置いてある寝室だけ、後は横長のでかい空間。そんな印象を受ける)で、2階は、左右に部屋が5つづつ、計10部屋。

1階は大広間と食堂、炊事場と小部屋が4程あるらしい。少し仮眠を取ると宴の用意が出来た旨の報せがあり、1階の大広間に向かった。


大広間には、壁際に張り付き何人かがヒソヒソと囁き合っている。俺は穏やかな微笑みを浮かべ軍人歩調は取らず悠然と近づいて行く。俺を認めると顔が引き攣り震え始める。何と言っても俺はでかい、この世界の成人男性の平均身長は165。俺は220近くある。50センチは上に俺の頭が有る。間違い無く恐怖だろう。いつもの事だけどちょっと哀しい。取り敢えず話し掛けよう!

「皆さま、ご機嫌よう。私はアシュレイド・フォン・ベルツブルグ大尉です。この度、縁有りましてこの街を皆さまを守る職務を拝命致しました。

これから宜しくお願いします!」

うん!騒ついてる、誰か勇気のある奴は居ないのかな?白髪のスタイルの良い老紳士が口を開く。

「た、大尉、一つお聞きして宜しいですかな?

大尉の家門はボーネンベルツブルグ男爵家ですかな?」

えーと?この質問も士官学校以来何度も受けてるんだよねぇ?さて今回はどう答えるかな?

「ハハッ、フォンを名乗りましたから当然のご質問ですね!えぇっと、ボーネンの男爵家では無いとは否定しておきます。ただ、すいません!それ以上は申し上げる事が出来ないのです、大変失礼かとは思いますが、事情をお察しいただければありがたく思います。」俺は申し訳ない表情を体全体で謝意を表す。

「ふむ、そうですか?では、私も聞かなかった事に致しましょう!」

うん、そうしてくれ。これ、説明するのが面倒何だよね。

その後はトルイネ卿が来てくれてたので、会話も弾み、和気藹々とした雰囲気になった。


まぁ取り敢えずは初日は無難に過ごせたんじゃ無いかな?

あっこの無駄に広い空間に、曹長を苛め可愛がる特別室を使って貰おうかな。

楽しみだなぁ!

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