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冬馬君の春と夏  作者: だかずお
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旅の余韻と夏の一日



夏の日々は続いている

冬馬君は日中、楽しかったバリ旅行を思い返していた。

旅の余韻なのだろうか、ずーっとバリの風景、思い出などを思い出しては楽しかったなぁと考える。

あれからみんなどうしてるんだろうか?

元気にやってるかなぁ、まだほんの数日しかたってないのにそんな事ばかり思う。

あぁ、楽しかったなぁ。

正子のスマートフォンに入ってる動画や写真を見ては

「ああ〜そうそうこれこれ」と一人ぶつぶつ呟いては、ニタニタ笑っている。

最近は正子がグーグルマップで地図を実際の画像として見れる事を教えてくれて、それを指で動かしながら

「そうそう、ここ泊まった所の前の道だ、ここ歩いた、歩いた」と何度も旅先で通った道を地図上で行ったり来たり、またも一人ぶつぶつ呟いているのだ。


だって 本当に楽しかったんだもん!!


冬馬君の旅行に行った後のこれもまた、旅行のルーティンなのである。

夏休みも、もう折返し地点に入った、まだこの時期は少し余裕がある

「まだ半分も夏休みがある」


冬馬君はあまり学校が好きでは無かったから、学校の事を考えると少し気分が落ち込んだ。

冬馬君はどうも人間関係が苦手である、仲の良い友達などの前では自分をさらけ出し普通に話せるのだが、あまり親しく無い人などが居ると、どうにも気を遣ってしまい、うまく話せず、気疲れする事が多かった。

仲の良い人だと沢山喋るのだが、他の人の前だと無口になった。

だからあまり親しく無いクラスメートからは決まってこう言われるのだ、冬馬君って暗いよね、大人しいよねと。

最初はそう言われるのが嫌だったが、考えてみれば暗いのも、大人しいのも個性であり悪い訳でも、劣ってる訳でもなんでも無いのだ。

それは近所の犬おじさんに(『冬馬君の夏休み』より)会って、話をして貰って気付いた事でもあった。

人の長所は見方によっては短所にもなり得るし、短所だって見方によっては長所にだってなる、その見方は本人が決められるんだ。


冬馬君に少しずつ、自分を大切に、尊重する事の心が芽生えてきていた。

自分を大切に、尊重、出来ない人は、結局は他人も大切に、尊重など出来ないだろう

他人を大切に、尊重、出来ない人は、ほんとのところで自分を大切に、尊重、出来て居ないだろう。

これは大切に、の部分を、愛するに変えても同じだと思う。

何故冬馬君で、いきなり、こんな真面目な事を語ってるのかは謎だが(笑)

大きく話のそれたカーブは本編に戻る(笑)!!


とにかく、冬馬君は、今まで否定しかしなかった自分の事を、少しずつ大切にする事を学んできたのだ。


ミ〜ン ミン ミン ミン

外では蝉が忙しく合唱している。

空には大きな青い海が広がっている

「夏はこうで無くっちゃ」

冬馬君の心はまだ続く夏休みと、これから行くキャンプに胸を躍らせていた。





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