またねバリ
バリ滞在、最終日。
空は快晴
現在、冬馬君達はホテルのプールサイドでくつろいでいる。
「みんな、明日の朝は空港に朝方の3時には出発するから、超早起きだよ」正子が言った。
冬馬君は、プールに浸かりながら青い空を見上げては思う。
ああ、いよいよ明日帰るのかぁ、なんだか寂しい様な、そんな気持ち。
来たばかりの日に戻りたい。
グラサンをつけて寝そべるサーも同じ気持ちである。
ああ、僕の夏休みの旅行が終わってしまう、日常生活が始まるんだ。
ああ、また上司に会うのかぁ…
次の瞬間思ったのは、仕事だりぃだったそうな。
今頃親友のスーは仕事続いてるだろうか?
「そう言えば、さっきテセンさんからラインで写真が届いたよ」隆が自分のスマートフォンを皆に見せる。
「ああ、これ僕達が一緒に行ったウブドの写真だ」思い出の写真に大喜が声を上げる
「撮ってくれてたんですね」多網ママも喜んでいた。
素敵な人と知り合えて良かった、旅の一つの醍醐味である。
そんな中、プールの中では、多網ときみ子が何故かオナラについて熱く語っている
「バリでこくオナラの音ちょっと違くない?」(一応オナゴである)
「湿度の関係」多網が頷く(ホントかよ!)
「ちょっと濃いよね」(どんなだ!)
ちなみに普段色白な多網は、日に焼け、随分と黒くなっていた。
ついでにこの男も、グラサンをとったサーの顔は、パンダみたくなっていたのには笑った。
「こんなんで仕事行けない〜」一人テンパっていたそうな。
プールからあがり、昼食をホテルの外で食べ。
一同は街をぷらりとお土産を見たり、最後の観光を楽しんでいた。
「滞在中何度も通った、この海沿いの道も今日が最後だね」
きみ子が名残惜しそうにビーチを見つめる
「なんかバリの人の感じが、暖かくって、昭和の頃の日本人の姿を見た気がしたなぁ」隆が言う。
「そうですね、バリの人の空気感、最高ですね」サーも頷く。
バリで見る最後の夕陽
海のビーチに腰掛け、大きな、大きな、まんまるの夕陽を眺めている。
バリで見る夕陽は本当に奇麗だ。
「夕陽をこんなにのんびりと見た事、日本で最近無かったなぁ」正子の一言に頷く大人達。
「日常の生活に追われ、大事な事を忘れてしまっていたんですね」パンダは言った(サー)。
冬馬君も、夕陽のあまりの美しさに言葉を失い、ただただ眺めていた。
夕陽の背で流れる、波音のBGMがとても心地良い
砂浜が段々と、オレンジ色に染まる
なんだか、日本に帰ったら、この場所が恋しくなりそう
次はいつ来れるかなぁ、本当に楽しかったなぁ
また必ず来るね バリ
夕食はホテルの近くで食べた、バリの夜は色々な所で音楽が流れ、遅くまで賑やかだ。
明日は朝早いので、子供達は早めに布団に入る
もちろん、バリでの最後の夜中の語り合いをしながら。
翌朝、多網ママの声で目を覚ます。
「みんな起きて、日本に帰るよ」
「今日はもう、あのバイキング食べれない」ガッカリと落ち込む多網
「多網ときみ子は、バイキングで相当食べてたもんね」笑う大喜。
ホテルのロビーでチェックアウトを済ませる大人達
外はまだ暗い。
ロビーにはこれから滞在するのであろう、到着したばかりの他の旅行者の姿があった。
大喜が冬馬君に言う「良いね、これから始まるんだね」
「本当、どんな旅になるんだろう、僕達も来たばっかの時を思い出すね」
その話を聞いていた、きみ子も「これからまた滞在出来るって言ったら最高だね」
「それは本当に最高だね」
みんなは笑いあった。
空港までの送迎は、来た時に空港からホテルに送ってくれた人と同じ人達だった。
「皆さん、楽しめましたか?」
「楽しかったです」
「では、空港に向かいましょう」
こうしてボクらのバリ旅行は終わった
明日からは日本の日常生活に戻るんだ
また必ず来るね
飛行機の窓から見たバリの島が、胸にしまわれた、沢山の宝石の様な旅の思い出を思い出させてくれた。
冬馬君の心はいつまでも、楽しかったバリの思い出に浸っていた。