バリ散歩
散歩をして、腹の減った一同は海の近くのお店に入る
「しゃ〜〜、バリ料理食すぜ〜」
「ビール飲むでぇ〜」
バリ料理を食すのに、冬馬ファミリーは気合が入っている。
店の中を覗き、隆とサーは安心する、何故なら他にも日本人のお客がいたからだ。
ここなら、日本語いけそうだ!!
「ビア、プリ〜ズ!」
「オッケ〜ビンタン」
「イエス、ビンタン〜〜」
そうは思いつつも英語を喋り、大人の階段を登った様な気がした隆とサー(なんじゃ)
ビンタンで乾杯!!
「いやぁ〜旅先で飲むビールは最高ですな」
「やはりビールは瓶で飲むのが旨いっ」
「確かに、確かに」
子供達はメニューを見ている
「ナシゴレンはやっぱ食べなきゃでしょ」きみ子が言う
「じゃあミーゴレンも頼んでみよう(バリ風焼きそば)」
子供達もジュースで乾杯
「すぐそこ海だね、後で行ってみよう」ご満悦な冬馬君
「やった〜海最高!まだホテルのプールも入ってないもんね」と大喜
この旅の始まったばかりの時は最高の気分なのである。
「あ〜なんだか日常を離れ、仕事を忘れ、この瞬間やっぱたまらないよなぁ」隆は日常の現実から離れているこの感覚になんとも言えない解放感を感じている。
「ほんと、この瞬間だけはもう全てを忘れ、のんびりしましょう」と言ったそばから上司の顔を思い浮かべ、むせたサー。
「がふっ」
ホテルの外で食べた初めてのバリ料理は最高だった。
このボリュームでこの値段は有り難い。
そしてなによりもバリの人達の心のこもった笑顔と接客になんだか心が和んだ。
「日本人の接客も素晴らしいんだけど、距離感が近く、ほんとに嬉しくて笑ってくれるこの接客はなんだか和みますね」多網ママが言った。
お店の人に礼を言い、会計を済ませ、いざ海へ
「ここが有名なレギャンビーチみたい」
「バリは夕日が凄く綺麗に見えるみたいだよ」
大人達の会話を聴き、時間を確認するも、時刻は現在14時
夕陽にはまだ少し時間がありそうだ。
「海入りたいけど、海パンスーツケースの中だね」と大喜
そう、冬馬君達のスーツケースは明日ホテルに配送されると言う事になっている。
「荷物ないから、不便だわ。荷物来るまで足りないもの買わなきゃいけないし」正子の怒りが再燃する
「でも水着レンタルがホテルにあったよ」ときみ子
「ホテルのプールも入りたい」多網のその言葉に冬馬君達御一行はビーチ沿いの道を歩いて一旦ホテルに戻る事にした。
ホテルに着くまでの道のりも色んなバリの人達が話しかけてきてくれた。
「木の上にリスが居るよ」
リスよりも日本語のうまさに驚く隆
「どうして日本語そんなうまいんですか?」
「いやぁ〜日本語出来ると商売になるから」
非常に正直だった。
もう既にこの国が気に入った多網ときみ子
「なんかもうここに住んじゃおうかな」
多網もそんなきみ子の提案に嬉しそうにぶっこいた プリッ
バリの人達の生活を見てると、日本の様にギスギスした感じはなく自由な感じがした。
陽射しの強い日中は木陰に座り、お客を待つタクシーの運転手
道端で座り話し込むバリの人々
そしてなんと言っても、海に囲まれてるこの夏を感じる雰囲気がたまらない。
それにしても。
「二人は完全にバリ合うね〜」冬馬君は現地の人と変わらない空気感を放つ二人を見て笑う。
二人のテンションとノリの良さは、現地の人と通じ合う。
途中海沿いにある、ビーチウォークと言うショッピングモールも覗いてみた。
「旅先のデパートもなんだか良いわよねぇ〜」正子と多網ママときみ子がショッピングに夢中の間
他の男性陣はフードコートで座ってくつろいでいた。
「女性は買い物好きですよねぇ〜」
「ほんと、ほんと」
男達の手にはビンタンが握られている。
そんな光景に冬馬君と大喜は思う
あんたらもビール好きだよねぇと。
多網は一人ナシゴレンをくっている。
さっき昼食たべたよね?
買い物を終え、ホテルについた頃には17時を過ぎていた。
水着は結局子供達だけレンタルする事に。
「よ〜し、さっそく部屋で着替えてプールへゴー」
子供達は一斉に駆け出し、部屋に戻って行く
あれだけ暑い陽射しの下歩いたのに子供達は元気だ。
水着に着替え、いざプールへ
「ひやっほ〜〜」
「水の中って最高〜〜っ」
「しかも、ここは南国リゾート〜〜」
「バリ島」子供たちの声は見事にハモった!!
ちなみに大人達はプールサイドのイスに横たわり日光浴
「かは〜〜っ生きてるってワンダフォ〜〜」
幸せな一族である(笑)
サーは格好つけようと思い、この日の為に用意していた、生まれてこのかた、ほとんどかけた事のない、グラサンたるグッズを身に着けていた。
グラサンをかけた瞬間から、サーの空想映画は始まる。
私の名はジェラーシュド・サー 世界一イケメンでモテる男である。
男はプールサイドでカクテルを飲んだら格好良く見られると思い、カクテルを頼む(常に人にどう見られるか目線で動く男その名もサー)
グラスを片手にクイッと一口でカクテルを飲み干す。
そして決まった!と言う瞬間のポーズをとる、サングラスを片手でクイッと上げて、カクテルグラスを少し傾け、口元につけ、ほくそ笑む(どんなポーズじゃ)
サーは思う、今ここのプールに居る女性は僕を見つめて恋に落ちているはずだ、ほっぺを赤くして。
チラッ
人っ子一人見ていなかったそうな。
いや、蟻は見ていた、こいつなんか食い物落とさねぇかなと。
隆もビンタンを片手に持ち空想にふけりだす。
俺は仕事の出来る男隆。
世界で活躍して英語もペラペラ、今はバリのプールで仕事の合間にくつろいでいる、俺は仕事の出来る男、隆、隆だっ!(変に強調せんでよろしい)
世界中にクライアントを抱え、みんなが俺に頼っている。
やっぱ隆さんはすげーよ、一流だよ、真の成功者だよ。
男の中の男だよ、外国語もペラペラだしほんとすごいよ
隆はほくそ笑んだ
ユーアーウェルカムッ
この時、一人呟き、笑っている隆を見て、妻の正子は距離をとったそうな。
男は再びほくそ笑む
アイム 仕事の出来る男 隆 アイム隆だっ!!!
その時たまたま目の前にいたホテルの従業員さんが、なにか注文を取りたいと思って自分が呼ばれたと勘違いし「ウッジューライク サムスィング トゥ〜ドリンク?(何か飲み物如何でしょうか?と聞いてくれた)
とっさの英語にまぁ、てんぱってしまった隆はなんと飛行機からの流れで「ビーーーーーフッ」と囁いてしまったそうな。
んで、とりあえず本当にビーフが届いたそうな、やったね隆!!
そんな中、多網ときみ子はプールでぷっぷ屁をこき大爆笑
プールに浸かりながら、青い空を見上げる冬馬君
ああ、外国に来てるんだなぁ、ここはバリなんだなぁ。
なんとも感慨深い気持ちとなる。
プールの中で感じるバリの空気感に心が開く
「最高だね、大喜」
大喜を見た瞬間、冬馬君は自分の目を疑った。
何故なら大喜は目をつむり、片手を天にかざし。
次の瞬間「う〜っ大喜」と叫んだからだ。
冬馬君、多網、きみ子は大爆笑
「何やってるの」
顔を赤らめる大喜、しまった見られていた。
大喜はプールだけではなく、自分の世界に浸っていたそうな。
その時だった。
多網は細い目を突然カッ開いた!!
ピカッ
視線の先には金髪の同世代くらいの美女
美女がプールからあがると、多網も何故かプールからあがる。
真っ白い多網の顔はあかく火照り、珍しく心臓の鼓動は高まる
奴はイノシシ並みに猪突猛進タイプだった。
「アイム タアミ」
突然の声掛けに驚く金髪美女
「アイム スザンナ ナイストゥミーチュー」
その後何故か日本語を喋り出す多網
「どこから来たの?」
もちろん分かる訳もなく、苦笑いの美女は去って行く。
その様子を見ていた冬馬君は思う、凄い男だ多網、前にきみ子が好きと言ってたが良いのかな?とこちらも苦笑いの冬馬君。
その時だった。
空が曇りだす
まさかの怪しい雲行き
この時 サーは嫌な予感を感じていた、この感じはまさか?
その通り!!
天敵出現である
まさかの雷様
そう、スコール開始の合図であったのだ。
そんな中、彼女たちはキレた。
うん、そう多美
また出番ないやんけぇ〜〜、毎度この展開ええ加減にせえよ
バリの回全部でまさかこのパターンにするんじゃなかろうな?
えっ?手抜き野郎め
前回予告したうんこ撒き散らすでぇ〜
しかしなんと言うことだろう、うんこが踏ん張っても出なかったそうな。
彼女はキレた。
「ちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
以上