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冬馬君の春と夏  作者: だかずお
17/35

蛇鰐実と花粉症

きみ子の親友、蛇鰐実ちゃんはくしゃみに苦しんでいた。

へっくしゅん、へっくしゅん

「あ〜なんじゃ〜イライラするのぅ、なんなんじゃこれはのぅ」

花粉症である。

「へっくしゅ〜〜〜んっ」

人にはくしゃみのし辛い状況と言うものがある。

し〜んとしている授業中

「へっくしゅ〜〜〜んっ」奴はお構いなしにした。

だが花粉症の攻撃は止まらない

「くらえ〜三連コンボ〜〜」

「へっくしゅ〜〜〜んっ、へっくしゅ〜〜〜んっ、へっくしょおおーんっ」

蛇鰐実ちゃんは何処にもぶつけられない怒りにイライラする。

「あ〜〜じゃかしいのぅ、だから姿を表せっちゅうんだ、花粉症野郎」

花粉症はその言葉に怒った「はい五連続コンボ決定!!」

「へっくしゅ〜〜〜んっ、へっくしょおおーんっ、へっくしょおおーんっへっくしょおおーんっ、ぶえっくしょおお〜〜んっ」

蛇鰐実はブチ切れた。

「ったくよぉ、だからツラ見せろってんだ花粉症、何処の学校に所属してるんじゃ〜年はいくつじゃ〜」


お家に帰り、蛇鰐実ちゃんの楽しみにしていたおやつタイム。

蛇鰐実ちゃんはこの時ばかりは花粉症を忘れて微笑んでいる。

「私の大好きなチョコレートケーキ、しゃーしゃーしゃー」

「いっただき〜〜へっくしょおおんっ」

鼻水チョコレートケーキが完成した。

「てっめえええええっ」しゅこおおおっ

「貴様が花粉症の手下かぁぁぁっ、遂に見つけたぞ」

ケーキの上に姿を現した、花粉症の手下(自分の鼻水)をこれでもかとこねくり回して、水で洗い流してやった。

「ぶわっはっはつ、ざまぁ〜みろっくしょおおんっ」

第二の手下現る。

「貴様良くもぬけぬけと、貴様のボスをつれてこんかぁぁっ」

蛇鰐実ちゃんは宿題をやらず、お昼の昼寝タイムに入る。

「さぁ〜寝るでぇ〜、ぐうすか寝たるでぇ」

スヤスヤスヤ、たまらんけぇのぅ、この昼寝っちゅうもんは。

蛇鰐実ちゃんは夢の中花畑を歩いている、すると花粉が…

「へっくしょおおんっ」

花粉によって起こされた

「ぐぎぎぎぎ、でてこおおぃっ、おんどりゃああああっ」

遂に堪忍袋の緒が切れた蛇鰐実ちゃんは花粉症が住んでると思われたアジトに乗り込む。

そのアジトとは自身の鼻

「おらぁ〜〜」アジトを右に折り曲げちゃるからなァ!!

次の瞬間だった

「いてええええっ」蛇鰐実ちゃんは自爆した。

奴の住処が自身の顔である事をすっかり忘れとったそうな。


この頃には鼻をかみすぎて、鼻の周りがヒリヒリしている、こうなると迂闊に鼻もかみたくない、しかし奴の攻撃はおさまらなかった。

こん時は悔しい、歯がゆい、そしてあぁ〜〜とうなりたくなる。

そんな時だった

「くらえこのタイミングでの4連続コンボ〜〜」花粉症の襲撃である。

奴の好きにさせてたまるかぁ〜

負けじと蛇鰐実ちゃんはくしゃみをしたら負けだと思い込み、自身の目と鼻の穴を全て手で閉じた。

「ぶえっくしょおお〜〜んっ」

顔の中で花粉症の手下の鼻水は爆発したそうな

阿呆!!


「うるがああああっ」この何処にもぶつけられない怒りをとりあえず鼻水にぶつけた「出てこいや〜手下が水に流されるでぇ」

この発言をたまたま耳にした近所のオバちゃんは震えていたと言われている。

「あれで中学一年生って、将来末怖ろしいわね」

「ぶえっくしょおお〜〜んっ」

手下の鼻水達は増えていく

「ちくっしょおおぅ。どんだけ慕われとるんじゃ花粉症の野郎、私も傘下に入った方が良いのかのぅ」

「ぶえっくしょおお〜〜んっ」拒否られた様である。


蛇鰐実ちゃんは寝ながら布団の中で考えた、どうしたら花粉症をこてんぱんに出来るんじゃ?

「ぶえっくしょおお〜〜んっ」リベンジしたいのぅ。

眠れない夜は続く

その時だった蛇鰐実ちゃんはとんでもない事を思い付く

「そうや花粉を吸い込まなきゃ良いんじゃ」

翌日学校はざわついた。

「どうしたの蛇鰐実ちゃん」驚くきみ子

どうでもいいが、虎鮫代ちゃんの舌は驚きの余り二十三回回ったそうな。(いつもより多く回しておりますぅ〜)


なんと二人の目の前には顔面を包帯で巻き、目と鼻はマジックで描かれた新生蛇鰐実ちゃんが出現していたのだ。

「勝ったで勝ったで、これで儂の勝利じゃあああ〜花粉症」

「お前の敗北じゃああっ、これで儂の中には入れんぞおおっ」

「へっくしょおおんっ」

顔を包帯で巻いた分、鼻水を拭き取る事すら叶わなかったと伝えられておる。


ち〜〜〜〜ん


勝者、花粉症


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