表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冬馬君の春と夏  作者: だかずお
11/35

サーとスーとピュー

男達はバーにくり出していた。

あの悪夢のゴリさんとチンさんを忘れる為に飲もうと言う話になったのだ。

その日はなんとスーも合流していた。

駅でスーとピューを待つサー(凄いあだ名の面々である)

「久しぶり」

「あっ、スー久しぶり」

「こないだはみんなで泊めてもらってありがとう」

「何言ってんのこちらこそ楽しかったよ」

前回スーの家に泊まりに行って以来の再会であった。

と、そこへ「すいません、お待たせです」

ピューも到着。

「じゃ僕が調べて来たお洒落なバーに早速行こうか」サーが言う。

「明日は休み、今日は思いっきり飲むよ〜」久しぶりの二人との再会でテンションアゲアゲマックスのスー。

三人は意気揚々とバーに繰り出す。

行く途中、こないだの出来事をスーに話す二人

「あっはっは、ゴリラにチンパンジーって凄いね、でも二人もまだまだ甘いね、後ろ姿で大体気付かなきゃ」

「え〜スーさんなら分かるんですか」

「そりゃそうさ、後ろ姿見れば一発、間違えないよ、後ろ姿だけで美人なんて分かるものさ」凄い自信満々である。

そんなこんなでバーに着き、カウンターの後ろのテーブル席に座る。

「なんか薄暗くてお洒落な所ですね〜」

「うん、結構評判良いんだ。食べ物が美味しいんだって」

男達は盛り上がる。

「じゃ、まずは生ビールで乾杯と行きますか」

「乾杯〜〜」

宴が始まる、最初はお互いの仕事の愚痴をぺちゃくちゃぴちゃくちゃべちゃべちゃと喋っていた。

「スーどう新しい仕事は?」

「ちょっとずつね〜、苦手な上司が居るんだけどさ」

酔いも徐々に深まり、店内も活気が出てきている。

その時だった!!

ピューがスーを小突く

「ねぇ、スーさんあの二人組絶対に綺麗だと思うんですがどうですか?」

スーがチラリと後ろを振り向く。

眼鏡をくいっと上げて

「あれは間違いない、絶世の美女だよ」

チラッ後輩のピューが先輩のサーをチラリと見た。

うっ、これはこないだ僕がナンパのサーとは僕の事だって言ったから期待してる瞳だ。

こないだで懲りたサーは目をそらす。

すると酔ったスーが言う

「自慢じゃないけど、一応僕もナンパのスーと呼ばれ一目置かれた時代があったからね(デマ)」

スーは思った、僕の自画像は格好良く映ってるかな?

サーは思う、コヤツ誰かに似ているんだよな(お前だ)

スーはこのまま引き返そうとした。

が、「スーさんお願いします、手本を」

ドンゴロシューンッ

引き返す道は爆破された。

男は残ったビールを飲み干し立ち上がる。

やっぱ、なんか誰かに似てるんだよなぁ、首を傾げる(だからお前だサーよ)

「すっ、すっ、すっすっ、スー(なんじゃ)すいませえぇん」

清水の舞台から飛び降りた。

「あのぅ、良かったら奢るんで一緒に飲みませんか?」

ザッ

同時に振り向く二人

瞬間、三人に衝撃的なイナズマが走る

バリバリバリバ〜〜リイィ〜


ズギャアアアンッ

ボカァァンンッ

ドドンパチンパチン

なんと振り向いた二人は例えるなら

地球外生命体のグレイとグレムリンであった。

スーよあの自信はなんだったんだ。

グレイは言った「あニャマニュはにゃペ〜」

なっなんだこの人、本当に宇宙人なのか?言葉が分からん。

するとグレムリンが微笑する

「奢ってくれるなら良いよだって」

どう訳せばさっきの言葉がそうなるかは謎だらけだが、そうなったった。

「あっ、そっそっそうですか、それなら是非」

必死にバレないように首を横に振る、サーとピュー

このパターンはまずいんだ、やめろ、よしてくれ。

自身の自画像にこだわる男にそんなのは全く気付かない。

よしっ、ナンパ成功した。

どうだサー、ピュー、見たか僕の実力を!!

サーとピューは泣いた。

はよ帰りたいと。

こうしてサーとスーとピューと宇宙連合との対談が始まった。

沈黙がまずいと思ったのか、サーがこんな質問を。

「あのぅ二人は何処から来たんですか?」

「へまけろまかた」グレイが囁く

するとグレムリンが「木星と言っている」と訳す。

ギョッ、かなり怖がる三人、サーとスーに関しては失禁しかけていた。

とんでもない人に声をかけてしまったんではなかろうか?

「ふふっ冗談、出身は埼玉だって」

冗談に聞こえなかった、そもそも何故日本語じゃないんだ。

怖すぎて臆病な三人はそこに突っ込めなかった。

するとグレムリンが「私はワーナーブラザース」

全く意味が分からなかった。

グレムリンの映画から出て来た様なニュアンスを言いたかったのだろうか?ワーナーブラザースかどうか知らんが。

一応へへへへと笑っておいた。

「名前はなんて呼べば良いですか?」とスー

「グレイ」とグレイが喋った。

ギョヒョ〜〜ッ凍てつく三人、日本語通じてるし。

すると今度は「私はギズモ」グレムリンがおっしゃった。

ギズモってグレムリンの主役じゃないか〜

なんじゃこの人達は。

「ちょっとトイレ」と言って立ち上がるサーをスーとピューが掴む。

逃しはしないぞサーよ。二人の瞳はそう訴えていた。

するとグレイが再び口を開く

「あはなさかなはままま〜」

するとギズモが「さっき奢ってくれると言ったと言っている」と通訳した。

結構がめつかった。

「あっ、どうぞ」金出すから帰らせてくれとピューは思ったそうな。

「ぺけろぺけろ」

「やだぁ〜何言ってるのよぺけろぺけろはここには売ってないわ」ギズモが微笑する。

なんだ、ぺけろぺけろって?

すっげ〜気になる三人。

勇気を振り絞り禁断の質問、踏み入れてはならない聖域に踏み込むサー。

「すいません、ぺけろぺけろって何ですか?」

ギズモが何故かテンションをあげ、両手の人差し指をサーに指して言う

「それ聞いちゃう、それ聞いちゃう」

この時、あまりの恐怖にサーの男根からチッチが二滴吹き出してしまったそうな。

「人間の肉」

席を立ち上がるスーとピューを怖くて動けなくなったサーが全力で掴んだ。

二人だけ逃しはしない。

「嘘よサーモンって言った(どんな嘘じゃ)」

その後沈黙の中、バーにて地球外生命体とのコンタクトは続いていた。

沈黙を破るグレイ「ぺにゃぺにゃ」

訳すギズモ「のり食いてぇ」

即、焼き海苔を頼むサー(良くメニューにあったな)

しかし、ここにてピューが絶対に踏み入れてはならない禁断の地に足を踏み入れる。

「あのぅ、グレイさんは日本人ですよね?日本語喋れないんですか?」

その瞬間だった、グレイとギズモがピューを凄まじい形相で睨みつける。

ヒイイイイイイッ

ギョオオオオオオッ、ピューとサーとスーは漏らす寸前。

まずいっ、食べられてしまうっ。

「そこは聞いちゃ駄目でしょ」ギズモが怒り席を立つ。

グレイも「なはたさやなは〜」と怒ってる模様

あまりの怒りにグレイは両手をかざしカッカしている。

ギズモは自分に水をかけてグレムリンを大量発生させようとしている(映画のまんまの体質か)

その時だった。

「お待たせ〜〜」

ズギャアアアンッ〜〜

サーとピューは椅子から転げ落ちた。

なんとそこには、ゴリとチンが立っていたからだ。

「やだぁ〜またあの人たちよ、なんでギズモとグレイと一緒に居るのよ、さては私達のストーカーじゃない、行きましょう、ギズモ、グレイ」

猿人は地球外生命体をバーから連れ出してくれた。

その場にへたへたと座り込む三人

「たっ、助かった〜〜」

しかし、あの四人一体どんな繋がりなんだ?

と言うか本当に人間なのだろうか?


その日三人が見た夢は

グレイとギズモに宇宙に誘拐されるところをゴリラとチンパンジーに救われると言う奇妙な夢だったそうな。


めでたし めでたし




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ