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第8章 王都と王族

「ふぅ。ステータスが高いとあっという間だね」

 ドラゴンになって王都に向かうという手もあったが、そうすると王都に住む住人を怖がらせてしまうため、走る事にした。

 その結果、俺が全力疾走で走ったら5分も掛からずに王都に着いてしまった。

 とは言え、特に問題はなさそうだからそのまま、近くの城門で冒険者カードを出して王都に入った。

 その後、冒険者ギルドに入ってクエストを選んでいると、

「神龍様でございますか?」

「?」

 と、後ろから声を掛けられた。

 そのため、声がした方を振り向くと兵士の姿があった。

「そうですが何か?」

「はっ、国王陛下がお呼びです」

「国王が?」

 疑問に思った俺は、兵士に詳しく話を聞くと王都に入った時点で城門から王宮の方に伝令が入ったため、すぐに会いたがっているとの事だった。

「こっちの会う理由がないんですがねぇ」

「そうおっしゃらずにお願いします」

 結局、兵士の嘆きの表情に押し切られて国王に会う事にした。


~~~~~~


 俺は兵士に連れられて、王宮の応接の間にやってきた。

 その応接の間の上段には、国王と王妃が座っていてその間に2人の子供らしき人物が座っていた。

「よく来てくれた、神龍殿よ!」

「しかし、いきなりの呼び出しだったのでちゃんとした服装ではありませんよ?」

「何!いきなり呼び出したから気にしないでくれ!」

 王宮に呼ばれた俺がそんな事を言うと、国王は本気で気にしていない顔でそう言ってくれた。

 そのため、服装に関しては気にしないが問題が1つある。

 それは、十年ぐらい前に失踪した姉が王妃が座るであろう席に座っている事だ。

 俺が日本人だった頃に、俺を産んでくれた両親の他に3年程年が離れた姉が居たのだが急に音沙汰が途絶えた。

 当時、俺は大学に入学して2年目に入り、姉は会社に入社したばかりだった。

 そのため、急に会社に来なくなったとその会社から電話が来た時には何かの冗談なのではないかと家族で疑ったものだ。

 だが話を聞いていく内に、会社の近くにある寮を調べた際に特に荒らされた形跡もなく、忽然と消えたように居なくなっていたそうだ。

 何故なら、部屋に置いてあったパソコンやクーラーといった電化製品は点きっぱなしだったとの事だった。

 その後、現場に向かった俺達もその部屋を見せてもらったが、本当に近くにあるコンビニにでも買い物をして来るかの様に部屋はきれいなままだった。

 その後、姉の捜索願を警察の方に提出したが俺がトラックにはねられるまでについぞ、見つける事ができなかった。

 そんな姉がいるのだから、気になって仕方がない。

 とその時、


『スキル「スキル遮断」を習得しました』

『スキル「スキル隠蔽」を習得しました』

『スキル「気配遮断」を習得しました』

『スキル「魔力隠蔽」を習得しました』

『スキル「ポーカーフェイス」を習得しました』


 と、謎のアナウンスがあっていくつかのスキルが増えた。

 だが、それとはお構いなしに国王は自己紹介を始めた。

「それはそうと自己紹介が遅れたな。私はアレクサンドル・エニグマ・クラウン。クラウン王国の12代国王だ。こっちが妻のマコト・タカナミ。妻になって5年ほどだ。そして息子のギレン。今年で4歳になる」

 なるほど、かなり長い歴史を持っているのか。いや、中世の平均寿命が30歳ぐらいだからそのぐらいで世代交代しているとすると、300年から400年ぐらいか。

 ローマ帝国や漢王朝と同じぐらいの期間、国として成立していたのだろう。

 そんな王国の王妃にうちの姉が収まっていたとなれば、ある程度動揺するのがさっき習得した十面相のスキルによってなんとかバレずに済んでいるようだ。

 それにしても、5年前に王妃になっていたのには驚きだ。

 自由奔放な姉の事だから、制約がたくさんある生活の王族に入るのは絶対に断ると思っていたのだがな。

「私はセレナ。神龍で冒険者をやっています」

 とは言え、急に黙るのもまずいと思って簡単な自己紹介をしておく。

 そして何故呼ばれたのかを聞いた所、明日には貴族達を集めたパーティーがあって、それに俺を招きたいとの事だった。

 パーティーの参加にはかなり迷ったが、ここで機嫌を損ねるよりかはマシかと思って参加を表明した。


~~~~~~


「ベッドの柔らかさが全然、違う・・・」

 次の日にパーティーがあるとの事で今日、泊まる宿は貴族達が寝泊まりするような場所の部屋の個室だった。

 そのため、装備を解いてベッドに腰掛けた時の感触が大分、違った。

 自宅にあるベッドは一般的に市販されているような普通のベッドなのだが、王宮にあるベッドは貴族達が一時的に寝起きするだけの事もあってかなり上質だ。

 とは言え、今の俺の関心事はそんな驚きに関してではなく、スキルについてだ。

 あの時は確か、5個ぐらいスキルを習得していたよな。

 そう思って、自分のステータス画面を開いた。


『名前:セレナ』

『種族:神龍』『フォルム:ノーマルフォルム』

LV:62 年齢:16 性別:女

HP :46,000 MP :46,000

攻撃力:46,000 防御力:46,000

魔攻力:46,000 魔防力:46,000

素早さ:46,000 運  :100


固有スキル

ブレス:LV-- 龍の爪:LV-- テイル:LV--

飛行:LV-- HP自動回復:LV-- MP自動回復:LV--

気配察知:LV-- 魔力察知:LV-- スキル遮断:LV--

スキル隠蔽:LV-- 気配遮断:LV-- 魔力隠蔽:LV--

ポーカーフェイス:LV--


通常スキル

鑑定:LV-- 薙刀術:LV-- 総合格闘術:LV--

料理:LV-- 人化:LV-- 自己再生:LV--

炎魔法:LV-- 水魔法:LV-- 風魔法:LV--

土魔法:LV-- 光魔法:LV-- 闇魔法:LV--

雷魔法:LV-- 回復魔法:LV-- 空間魔法:LV--

錬成:LV8


耐性スキル

物理耐性:LV-- 魔法耐性:LV-- 状態異常耐性:LV--

属性耐性:LV-- 即死耐性:LV-- 孤独耐性:LV--


称号

神龍:LV-- 転生者:LV-- 姿を変える者:LV--


『スキル遮断』

 鑑定によるスキル閲覧を妨害します。

 最大レベルで所有者の任意のスキル以外を表示します。


『スキル隠蔽』

 鑑定によるスキル閲覧を誤魔化します。

 最大レベルで所有者に似合うスキルとそのレベルを表示します


『気配遮断』

 所有者の気配を遮断するスキルです。

 最大レベルで完全に気配を遮断します。スキルのオン/オフは手動で行えます。


『魔力隠蔽』

 所有者の魔力を遮断するスキルです。

 最大レベルで完全に魔力を遮断します。スキルのオン/オフは手動で行えます。


『ポーカーフェイス』

 あらゆる状況でそれに適した表情をします。

 最大レベルで表情から所有者の偽の心理を読み取ります。スキルのオン/オフは手動で行えます。


「これらのスキルを最大レベルで習得するとか、あの状況が今にストレスだったかがわかるな」

 それだけ、動揺していたと言う事がわかる。

 まぁ、これらのスキルさえあればある程度はなんとかなると思う。

 とは言え、応接の間から出る時に姉のステータスを確認したら勇者の称号とレベル397という数値しか見れなかった。

 多分、姉もまたスキル遮断や隠蔽のスキルを持っているのだろう。

 となれば、こっちも打てる手は打っておこう。

 俺はそう思って、準備をし始めた。

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