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第5話 報酬と開拓

 翌朝


「ゴブリン257体とオーク173体で金貨10枚と大銀貨8枚になります。また、オークの肉が合計で金貨5枚になりますがよろしいでしょうか?」

「ええ、構いません。お願いします」

 俺がお金をもらっているのは冒険者ギルドの受付ではなく、クエストで発生した物の取引の数が多かった場合に使われる部屋だ。

 結局、町に着いた頃には日没で門が閉まっていたため、今日になって冒険者ギルドに立ち寄った。

 今回のクエストでは、報酬金の金貨5枚にプラスしてオーガなどの解体した部位の引き取りで金貨15枚と大銀貨8枚を受け取った。

 この世界の通貨には紙幣は使われておらず、金貨などの貨幣が使われていてその単位も日本とは違っていた。


鉄貨  10枚 = 大鉄貨 1枚

大鉄貨 10枚 = 銅貨  1枚

銅貨  10枚 = 大銅貨 1枚

大銅貨 10枚 = 銀貨  1枚

銀貨  10枚 = 大銀貨 1枚

大銀貨 10枚 = 金貨  1枚

金貨  10枚 = 大金貨 1枚

大金貨 10枚 = 白金貨 1枚

白金貨 10枚 = 大白金貨1枚


 通貨の単位はこのようになっていて、鉄貨を1円と換算するならば俺がもらったのは208万円になる。

 日本の価格基準背もかなりの高額だが、回復ポーションなども良いものだと1つ買うのに数十万円もするから妥当だと思っている。

 そのため、この取引が終わったら必要な物を買って家に帰ろうと思ったらギルマスが入ってきた。

「やあやあ、今回のクエストはようやってくれた」

「かなりの難易度設定だったからね。腕試し程度の感覚で引き受けてしまった」

「それでも大いに助かったのには間違いないよ」

 どうやら、かなりの被害が出ていたようだ。

「ところでセレナ、これからどうするんだい?」

「どう、とは?」

 それまで緩い笑顔だったニーナが、急に真面目になったので俺も端的に聞き返した。

「君の実力なら、王族の(きさき)になる事だってできるんじゃよ?」

「うーん、それはないかな。確かに魅力的だけどかしづかれて生きるのは窮屈だから、しばらくは冒険者で緩く生計を立てていく事になるかなぁ」

 確かに、今の実力だと王族になって優雅な生活もできるのだがその分、生活面で制約が多いだろうから当面は行きたくはないな。

 俺がそんな事を言うと、ニーナは笑って肯定してくれた。

「ふふふ、暢気なお前さんにはその方が似合っているのぅ」

「そいつはどうも」

 そしてしばらく会話をしていると、俺はある事を思い出した。

「そう言えばミレイ・クラントールという少女に会ったんだけど何かしらないかな?」

「ミレイ?あぁ、いたのぉ、そんな奴。そいつがどうかしたかの?」

 俺が詳しく事情を話すと、ニーナは納得したような顔で説明してくれた。

 ニーナの説明によると、ミレイは孤児院で育った娘で伯爵などの貴族や王族とは無縁の存在だそうだ。

 しかし、彼女は孤児院育ちという境遇を脱したいと思っていてつい最近になって冒険者になったと言う事だ。

 だが現実は非情で、ただ単純に魔法が使えると言うだけの小娘に興味を示すグループは存在せず、1週間が経ってもどのグループにも属せなかったという訳だ。

「練習や訓練を行った形跡は見られなかったのか?」

「生憎、そういった物は見られなかったのぅ。あやつめ、訓練もしないで実戦に突入すれば何でもできるなんて軽はずみな行動をしよってからに」

 どうやら、かなりの地雷要素の強い冒険者だったようだ。

(これからはそういった奴に絡まれないようにしよう)

 俺はそう思って俺はニーナ達と別れて冒険者ギルドを出た後、市場で必要な物をいくつか買って自宅に向かった。


 ついでに以前、俺に絡んできたグラムという男はどうなったかというと、檻の中で30年ぐらい過ごす事になったらしい。どうでも良いけど。


~~~~~~


「ただいま~っと。誰もいないけど」

 自宅に戻った俺は、食料品を棚や冷蔵庫(何故かあった)に入れて外に出る。

 自由気ままに生活するには、家の周りに農作物や家畜を飼える場所を設けたいと思っていたため、森林をある程度開拓していこうと思う。

 規模しては、季節物の植物やハーブといった物を自給自足しながら町に売買できる程度だな。

 それ以上の規模になるといろいろとめんどくさいし、余計な金儲けをする気もないため、適度な広さを開拓していくよ~。


 1時間後


「こんなもんかな」

 できたのは、50平米ほどの広さの畑だった。

 昔に見たサイトで、人が1人分の食料を得るのに必要な農地が10平米だと書いてあったのでそれを参考に作ってみた。

 ここに、季節物の野菜などを植えて収穫すれば良いのだがクエストやら何やらで長くいない時がある場合が発生する可能性があるため、維持や管理を任せる人が必要だなと軽く後悔。

 牛やら豚などの畜産は、町に行った時に買えば良いと思って作らなかった。管理が大変だしね。

 となると、当面の目的は信用できる人材の確保だな。

 じゃないと、ここから長く離れられないしね。


 という事で、今日はできたばかりの畑に種を蒔いてゆっくりとする事にした。

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