第10話 奴隷
次からは不定期投稿とさせていただきます。
理由は、生活面で忙しくなってきたからです。
なるべく、定期的に投稿しますが気長に待っていてくだちぃ・・・。
「神龍様がお望みのものとなりますとこちらになります」
俺がいるのは、王城の城門近くにある奴隷商がいる建物の地下だ。
奴隷と言えば、非合法なやり方で奴隷にされた人達だと思われるかもしれないが、この世界では当たり前のように存在しているらしい。
存在している理由は様々だが、日本があった世界でも戦争に敗れた国の女子供は奴隷にされていた時期もあった。
しかし、近代以降は移民による安い労働者が大量に移動したために奴隷制自体が廃れていった。
それはともかく、この世界の奴隷の内訳は大まかに分けて4つ。
1つ目は、犯罪を犯したために刑罰として身分を落とされた犯罪者奴隷。
2つ目は、敗戦国の人達が安い労働力として奴隷に落とされる戦争奴隷。
3つ目は、何らかの借金の形として関係者などから奴隷にされる借金奴隷。
そして4つ目は、奴隷同士の間から生まれた出身奴隷だ。
これらの経緯以外からも、奴隷に落とされるケースもあるが大概の場合は、曰く付きや奴隷として価値がないものがほとんどだという。
また、奴隷自体は物として扱われるため、お金による売買で行われる。
その中で俺が選んだのは、女性で死にかけている者だった。
女性を選んだのは、男性奴隷から女性の俺に対しての下手な恋愛感情を持たれたくないからだ。
日本にいた頃から、周囲の人に見かけは気安そうなのに気安くないんですね、と言われまくっていたが実際に、私生活でともに過ごすとなると俺の生活やら何やらをある程度、受け入れてもらわないと困る。
そのため、死にかけている奴に恩を与えてある程度の忠誠を誓ってもらう必要がある。
そこで案内されたのが、女性の中でも病気や飢えなどで死にかけている女性がいる場所だ。
その中で俺が順番に奴隷を見ていくと、2人の少女が一緒の檻に入れられているのを見つけた。
「店主さん、この少女達は?」
「そいつらは曰く付きな上に死病に冒されているんですよ」
俺が店主に聞くと店主は核心的な部分を言い渋ったため、続きを促した。
すると、
「実はそいつらは吸血鬼の姉妹なんですが、感染した血を吸いすぎたために死病に冒されている間に捕まって、ここに放り込まれたんですよ。本来なら1人で大金貨10枚はつくのに、死病に冒されているから銀貨10枚でも買い手がいないんですよ」
と言うものだった。
そのため、俺は鑑定で彼女達のステータスを見るとこうなっていた。
『名前:マーラ・ユピテル』
『種族:吸血鬼』『状態:病気』
LV:98 年齢:13 性別:女
HP :1,624/9,648 MP :4,276/6,827
攻撃力:5,976 防御力:7,496
魔攻力:12,736 魔防力:11,758
素早さ:10,859 運 :87
『名前:カルマ・ユピテル』
『種族:吸血鬼』『状態:病気』
LV:96 年齢:13 性別:女
HP :1,376/8,976 MP :3,763/7,089
攻撃力:5,621 防御力:7,298
魔攻力:12,568 魔防力:12,654
素早さ:10,673 運 :85
『状態:病気』
毒や火傷のように、徐々に体力を削る状態。
病気の種類や種族の違いによって体力の減り具合が変化する。
吸血鬼というと、日光や聖水なんかに弱いとされているがこの双子姉妹は大丈夫なようだ。
なぜなら、天井の近くにある窓から日光が入ってきているのに平気そうな顔をしているからだ。
それに俺が見る限りでは、何らかの目的をやり終えるまでは死ねないという意思が表情に出ている。
そのため、俺は彼の吸血鬼姉妹の前でしゃがみ込み、いくつかの質問をした。