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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

☆4IPON☆短編集

注※夢オチデス。

作者: ☆4IPON☆

先に言っておきます。

タイトルの通り、夢オチです。

それでもいいという方は、注※夢オチデス。

お楽しみください。

あなたは、人生が楽しいですか?

YES

▶︎NO


今すぐ死にたい?

▶︎YES

NO


__________________________


なんで生きなきゃいけないんだろう。そう考えることが、最近とても多い。


生きてて楽しいこともある。でも、辛いことだって、悲しいことだってある。


ただ楽しいだけだったら、ただ嬉しいだけだったら、どんなに幸せなのだろう。


どんなに素晴らしいことだろう。


「なんで、私は生きなきゃいけないの?辛いよ...。」


私の心は、今にも張り裂けそうになっているというのに、誰も助けてくれない。


「苦しいよ。嫌だよ。誰か、誰か...。」


あぁ、それならいっそ


「死んでしまったほうが楽。死にたい。」


「君は、死にたいの?いいよー、じゃあ、僕が殺してあげる!」


次の瞬間、私は死んだ。


「はい、君は死んだよー!」


「え、えぇ...!?」


「なんで驚いてるのー?君が死にたいって言ったんじゃないかー、ねぇ、なんで驚いてるのー?」


「嘘、私、本当に死んじゃったの...?」


そこは、真っ白い世界だった。


東西南北、どこを見回してもなにもなく、ただtだだだっ広い。


「だーかーらー、僕が殺してあげたの!そして、君は望み通り死ぬことができたんだよ!」


「あなた、誰?」


「僕?僕はキューピッドだよー!」


「あなたが、私を殺したの...?」


「さっきから言ってるじゃないか、しつこいなぁ、ていうかさ、僕にいうことがあるんじゃないの?」


「え...?」


「だって、僕は君のために、君が死にたいっていうから、君だけのために、君を殺してあげたんだよ?」


「嘘よ...嘘...いやあぁぁぁぁぁぁぁぁ...!」


「え、なんで?なんで嫌がってるのさ。君が死にたいって言ったんだよ?君が、言ったんだよ?」


「知らないわよ!もっと...やりたいことがあったのに!」


「今さらそんなこと言われても知らないよ。君が死にたいって言ったんだ。君の口で。」


「嫌よ...。こんなの...。私を生き返らせてよ。お願いだから!本当は、まだ死にたくないの!」


「死にたくないのに、死にたいって言ったの!?人間はよく分からないなぁー。」


「ねぇ、ちょっと聞いてるの!?」


「まぁ落ち着いて。死んでしまったものは仕方ないよ。諦めてこっちの世界で暮らしな。」


「冗談じゃないわよ!私は帰る...。」


「あ、こら!勝手に移動しちゃダメだってばー!ったく、礼くらい言ってもらわないと困るなぁ!」


なんなのよ、こいつ。確かに私は死にたいって言ったけど、だからって、殺す、なんて...。そんな...きっと、これは夢なのよ。


こんな悪夢、きっとすぐにさめるわ。


「さめないよ。それに、これは夢じゃないよ。」


「え...?だ、誰?」


「僕はキューピッドさー、キューピッドが一人しかいないと思ってたー?」


「そうそう。キューピッドは、この世界にはいっぱいいるんだよー。今は、僕とこいつだけだけど。」


「ねぇ、夢じゃないって、どういうこと...?私、帰れないの?ねぇ、答えて...!」


「帰れるよ?帰りたい?」


「え、帰れるの?なーんだ、早く言いなさいよ。早く、私を、帰して。」


「ただし、魂だけだけどね。帰るは帰るでも、還るだし。」


「はぁ?どういうこと?早く私を帰しなさいよ!!」


「了解。じゃあ、土に還れ。」


「残念だよ。君ならちゃんと理解できると思ったのになぁ。バイバイ。」


キューピッドが、私に向かって中指を立てている。


「え、ちょっと、なにこれ。聞いてるの...?嫌よ、嫌ぁ...。こんなのって...。」


自分の下半身が、つま先から少しずつ透明になって見えなくなっていく。


見えなくなっても、感覚はある。


ひんやりしているようで、あったかい。でも、危ない感覚がした。


「ちょっと、どうなってるのよ!動けないし、なによこれ!早く助けなさいよ...!ねぇ、待って!」


「もぅ〜、死にたいって言ったり、嫌って言ったり、生き返らせてって言ったり、帰してって言ったり、助けてだの待ってだの...。」


「求めすぎじゃない?」


「欲張りな人きらーい。」


「ちょっと!嫌あぁぁぁぁぁ!!」


もう、胸のあたりまで透明になってきている。


「ごめんなさい!ごめんなさい!!」


「何を急に謝ってるのさ、往生際が悪いなー。」


「反省して、とっとと土に還るんだ!」


そうよ。いつも私は欲張りだった。


欲しいものがあれば、意地でも手に入れた。


どうしても手に入らなかったら、友達とか、周りの人に無理を言って譲ってもらった。


そして、なんでも一番じゃなきゃ嫌だった。


私が2番だったら、1番のやつを恨んで、嫌った。


そいつに嫌がらせをしたりもした


すぐに人のせいにするし、他の人のことなんて考えたことがなかった。


だから、友達にも、私のことを考えてもらえなかった。


結局、最後は全部自分に返ってきた。


私が嫌がらせをしたやつ、友達だと思ってた人、それに、全然知らない人まで。


みんな私をいじめる。


現実が嫌になって、死にたくなって...。


でも、悪いのは私。


私が、悪かったの。


全部、自分のせい。


「悪かったわ、反省したから...やめて、たすけえ、おえがぁ...!!」


とうとう口の高さまで消えて無くなった。


それでもまだ消えていく。


そして、ついに目のすぐ下のところまで。


視界が切り替わって、そこは、地獄だった。


言われなくても、わかる。そこは、地獄。


「嘘よ...嫌ぁ、嫌ぁぁ、ごめんなさい、ごめんなさい...!」


なんだか、鉄の匂いがする。


「なんで、なんで...もう、早く、夢なら、早くさめてよ...キャッ!?...ガハ、ガボ...ゲボゴボ...ぷはっ!!」


血の海に突き落とされた。


「ガバゲボ...い...や...ゲボ、ゴポ...たす、け...ゴポゴポ」


どんどん沈んでいく。息が苦しい。


(そんな、そんな、苦しい、苦しい、助けて、助けて!!)


肺に血が入ってくる。どんどん苦しくなってくる。


意識が飛びかける。


(もう...だめ...本当に、死んじゃったんだ...私は。)


諦めて、目を閉じた。


私は、意識を手放した。


次に私が目を覚ましたのは、また血の海の目の前。


本当に目の前。


血の海に突き落とされて、まさに顔面から着水する瞬間。


「あぁ!」


ザパン、そう音を立てて、水しぶきならぬ、血しぶきが飛んだ。


「ガボゴボ...ゲポゴポ...ゴポゴポ」


(ま、また!?く、苦しい...なんで、なんで...。)


延々と繰り返すんだな、そんな気がしてた。


そして、予想通り、何十回、何百回。


何千回と、このループが続いた。


終わりは、来なかった。



__________________________


朝、目がさめると、時間は午後2時。


すごく長い時間、悪夢にうなされていたようだった。


「私、死んだんじゃなかったんだ。」


安心したような、がっかりしたような。


本当は...死にたいなんて、嘘だったのかな。


でも、現実は辛い、厳しい。


「やっぱり...死んじゃった方がいいんだ。私なんか...。」


いくら私が悪いといっても。


私が引き起こした不幸だといっても。


辛いし、嫌だ。悲しいし、嫌だ。


やっぱり、死んでしまった方が楽。


辛い現実なんて、要らない。


「...死に...たい...なぁ...。」


頬を伝って、一筋の涙が流れた。


「さぁ、今日の夢はどうだった?反省できたかなー?」


「えぇ...?夢の...中で、出てきた...キューピッド!?」


「うーん、あんまり反省できてないみたいだなー。」


「えー、まじ?本当?」


「うん、そうみたい。だめだなー人間は。」


「あぁ、本当にごめんなさい...!違うの。今のはそういう意味で言ったんじゃないの!」


「はいはーい、言い訳は聞かないよーだ。」


「あっかんべー!だもんね!!」


「嫌よ、嫌!やめて!来ないで!!」


まだ夢からさめていないの!?


助けて、助けて、助けて!


「助けて、助けて、嫌だ!助けて、助け...ぇぇぁあ。」


音も立てず、私の首は断たれた。


もう、ダメだ。手遅れ。


「...反省しないから、こうなったんだ。」


私は、本当に死んだ。



__________________________


人生は楽しいですか?



今すぐ死にたいなんて、考えていませんか?



せっかく与えられた生なのだから、



自分で自分の魂をダメにしてはいけません。



与えられた時間を、大切に。



あなたの人生、あなただけの人生。



あなたは、大丈夫ですよね?きっと。





夢オチからの、唐突な死。

一度、夢オチで終わらない夢オチを書いてみたかったのです。

せっかく与えられた時間。有意義に過ごしましょう。なんてったって、我々は人間ですから。

それでは、いつかまた、お会いしましょう。

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― 新着の感想 ―
[一言] とても読みやすく、おもしろいお話でした!短いのに面白いっていうのがすごい・・。
[一言] 夢落ちでも最終的に夢と同じで死んでしまうとは!(*_*)予想していなかったです。 これからも頑張ってください。
感想一覧
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