仲間や友達というものが少し分かった瞬間
まだ、彼女に悩まされていた頃の話です。
先生が
「どうしたいの？」と言ってきた頃だろうか、
私はその時久しぶりに人前で涙を流した。
私の思いや辛さが理解されず
その感情を言葉に出来るほど強くも無かったし、
感情が溢れだして個室で担任に相談していると、ボロボロ泣いたのを覚えている。
高校時代家族以外の人前で泣いたのは
この時だけだ。
確か、彼女の事をなぜ 嫌いだど思うのか。が分かった瞬間だったと思う。
彼女を嫌いだとおもっていた理由は簡単だった。
うっとうしいのもあったが、
『過去の自分と似ていて、そんな人が変わる努力をしようと、
していない様に見えたから。』だった。
彼女は色々 過去の私に似ていた。
周りが見えなくなることだったり、
人の感情が読めなかったり
容姿をあまり気にしない点も。
『私が変われたんだから、彼女も変わらないことにイライラする』とか言った様な気がする。
それをつたない言葉で、
担任に伝えた瞬間泣いていた。
高校生になってから、
人前で泣かない様に努力していたが、
あの日なぜか、心のタガが外れてしまった。
「泣いてる所なんて、はじめてみた！」とびっくりしていた。
私も自分が泣くとは思っていなかったからとてもびっくりした記憶がある。
泣くことが分かっていたら、絶対にカバンは教室に置いて来なかった…。
でも置いてきてしまったからこそ、友達の優しさに触れることが出来た訳だ。
基本的に男友達が多かったのだが、
カバンを取りに教室へ戻るといつも一緒にいる友達たちが残っていた。
そして、その中でもふざけあっている男友達が一言
「個室で泣いてたの～(笑)」とふざけて聞いてきた。
散々泣いた後だったから目も赤く腫れていたんだろう。
鼻水をすすっていた様な記憶ともある。
そんな状況で
「泣いてないっうの(笑)」とその時できる精一杯の笑顔を向けた。
だが、その男友達を含めて
いつも一緒にいる友達たち
みんながなにも言わずに接してくれたのが嬉しかった。
せっかく涙が流れ終わったと思ったら、
キャンパスの入っているビルを出るためにエレベーターに一人で乗っていると、自然とまた涙が出た。
今度は悔し涙や辛さからくる涙ではなく、
嬉し涙だった。
その時何年もよくわからなかった
″友達"というものが、解ったような気がした。
話は彼女の話しに戻そう。
彼女に高１の秋から悩まされ、
2年生になっても彼女は変わらなかった。
どれだけ言っても変わらなかったが、
私は徐々に学校へ行くことが辛くなってきていた。
あれだけ 行きたいと頼み込んだのに
あれだけ 楽しく青春を取り戻していたのに。
私は中学時代の自分に逆戻りしそうになっていた。
だが、
有り難いことに私の高校では
登校時間や登校日数を選べた。
日数を減らしてしまうと、だらけてしまうのは目に見えていたので、
今まで、朝から午前中の登校時間のコースにしていたが、
ついに耐えきれなくなったのは2年生も終わりに差し掛かった、
12月のある日…両親や先生に午後の登校時間のコースに時間帯だけ変更したいと、話した。
当時の記憶がないのだが、
当時更新していたブログをみると父親は反対していたようだ。
父親の考えでは、夕御飯は家族揃って食べるものだ！
という考えがあるからだろう。
でも…私はこの時もそうだが、時間帯変更をしたことを後悔していない。
なぜかというと
この時間帯変更が
私の運命を変えた。
それまで関わることの無かった同級生と友達になって、
新しく仲のいい後輩も出来た。
そして何よりも
本人には恥ずかしくて改まってお礼などは言わないが、
とても嬉しい一言を友達から聞くことが出来たのは、
時間帯を変更して彼女と離れることができたからだった。
3年生になって午後自由参加の選択授業にも、今までの友達と
合間をみて出ていた。
あまり早くキャンパスにつくと、
彼女に会って相当面倒なことになりそうだったので、
なるべく気をつかっていた。
その頃、私は心機一転
彼女からのメールも耐えきれなくなったのもあり、アドレスを変更し
ゲームのやりすぎで視力が落ちていたので眼鏡を買った。
登校する時間帯が変わるだけだが"新生活"には、かわりなかった。
登校時間を変えると今までの友達とは
疎遠になりがちだが、
元々教室でふざけたり話し込むのが好きだった仲間内のメンツは、
時々会えるしSNSやメールで繋がっていたので、
疎遠になることはなかった。
午後のクラスでも友達や仲のいい後輩ができた頃
男友達に彼女が、
「なんで最近(私のニックネーム)見ないんだろうね～」と、言ってきたらしい。
男友達は親友でもある
天然系の男友達が彼女に悩まされてるのも知っていたし、
私が悩んでいたのも知っていて、
時間帯変更したのも、"彼女のせいだ"と知っていた男友達は、
一言彼女に「お前のせいだよ。」と、半ば怒った様に言ったらしい。
…らしい。という表現でわかると思うが、
私はその現場を見ていないし、
在学中に男友達は私にその話をせず、卒業して少し経った後男友達と、天然系と私の3人で遊んでる時にふと言われた。
「マジか！ありがとう」と、
その時は男友達がさらっと言うものだから、
そんなリアクションしか出来なかったが内心とても嬉しかった。
私の為に怒ってくれる友達が居るんだ。としみじみと感じた。
その男友達と彼の親友の天然系とは、卒業してから何度も遊びに行ったし
卒業して5年以上たった今でも、時々遊んでいる。
…まぁ、あまり女の子扱いしない彼らの空気感が心地いいし、
彼女に一言放ってくれた彼には感謝しているから だろう。
そして、そんな男友達たちと
友達以上の関係にならないのは、
今も昔も変わらない。ということだけは伝えておこう。
後から知るわけだか、
男友達の一言に救われた様に
私も一人の後輩の女の子をふとした一言で救っていた。
元々共通の友達がいた
後輩の子は私より背が低くて小柄で
可愛らしい洋服も似合う 私とは正反対の子だった。
午後の登校になり不安はあったが、
後輩の子が元々知り合いだというのもあって、あまり心配はしなかった。
後輩とキャンパス近くのカラオケに行ったり、
遊んでいると後輩の子はすぐに息切れをして、2階分の階段を上るだけでとても辛そうだった。
「体力ないのかな？」と思う程度だったし、痩せてる印象はあったが、
「痩せてるなぁ。」と思う程度だったが、
だいぶ仲良くなったある日、一緒に駅まで帰っている時
後輩が
「なんで痩せてるのか、気になりませんか？」と聞いてきた。
「別に気にしてないよ。痩せてるなぁ～って思ったけど」と素直に返したら
後輩はびっくりしていた。
後輩本人いわく、
ある病気の再発を繰り返していて
入退院を繰り返していたのもあり、
痩せてるのだ。と教えてくれた。
だが、私は本当に「痩せてるなぁ」としか、思わなかった。
その病気がストレスからくる病気なのは、後輩の話を聞いてから
テレビでその病気の事を特集していて、知った程度だった。
適応指導教室には、
自傷行為をしている子もいたので、『自分の体を自分で傷付けていないから。』とも思っていたのと、同時に
適応指導教室のあの空間は、普通じゃないことが普通だったんだ。とも思えた。
後輩に関しても卒業後遊んでいる時にふと、
「あの時気にしてないと、言ってくれてありがとうございました。」と言われた。
私はなにも意識せず、自分の思った事を言ったまでだが、
後輩にとっては、
人生で2人しかその言葉をかけられなかったらしく
未だにお礼を言われる。
この2つが時間帯を変えるという選択がなければ、
起こっていなかったし、
あのまま彼女のこと我慢して過ごしていたら、
今私はこんな風に過去を振り替えれなかったかもしれない。
ある言葉を、発しない事でいじめを受け
ある言葉を、言われたことで人を信用できなくなり
ある言葉と態度で、生きる希望をみつけ
ある言葉で、誰かの支えになって
ある言葉で、助けられた
そんな風に思える様になるには、
まだまだ時間がかかることだった。
とりあえず、後1話高校編を書くかわかりませんが
そろそろ現代編と私が夢を諦めた理由について書きたいと思います
