貧乏街
「てか、早く降ろせよ」
体をバタつかせ降ろせという合図を送る
それに反応し今まで異世界の世界に見とれてた集が気づく
「ごめん、ごめん忘れてた」
異世界という驚き周りの環境の凄さにお姫様抱っこしてることさえ忘れていた
「忘れてたじぁねーだろ、何で助けてくれたんだ?今回は本当にやばくて捕まっちまいそうだったぜ」
「何ていうんだろ、少女が追いかけられたら助けるのが普通だろ」
鼻の下をこすり照れたそぶりを見せる。
「そうなのか?お前の普通はわからねぇー、でもお礼だけは言っとく...ありがと」
照れたそぶりを見せながら言う
ルカは今までこういう風に助けてもらったことがなかった、いつも周りの人は見ないふりをしてそのまま歩き去っていく、だからこうやって助けてもらったことにとても嬉しさを感じていた
「お前はやめよう、俺は佐藤集、集でいいよ、よろしく」
手を差し出した。
「もう関わることはねーけど名乗られたからには名乗るぜ、ルカだ」
嫌がるそぶりを見せながら嫌々握手をした。
「あんた、いや集、なんか見慣れない服着てるけどどこから来たんだ?」
嫌なところ突っ込まれたなどう返事すれば良いのかアニメや漫画では遠い国や田舎から来たとか使ってるのを見たことがある、まぁ妥当なところで
「田舎から来たんだ、田舎の民族衣装的なもので」
考えた結果田舎から来たを選んだ
「へー、でもそれにしても珍しい服着てんな、集のところは皆こんな服着てんの?」
俺の服を見回すようにルカが見てくる。
こんな服とかルカの服はどんな服だよと突っ込みたいがそれをやめ、真面目に答える
「まぁーな、それにしてもここはさっきの街と大きく違うな、貧乏な街って感じだな、本当に人住んでるのか?」
話題を変え、改めてこの街を見渡す、見渡しただけでも人一人居ない、夜になりかけているからだろうか。
「住んでるぜ、人は少ないけどな、まぁろくな街じゃねーな、ここには人生に絶望した奴やお金がない奴、俺みたいな親が居なくてここに住んでいる奴、他にもいろいろな事情をかかえている奴がいるもう最悪だ」
真剣に言うルカの虚ろな目にはいろんな悲しいことを乗り越えて必死に生きてることがわかったような気がした。