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第4話 アイテムボックス

もう1話投稿しますっ

 サイズの割には、その箱の中身はそんなに多いものではなかった。


 まず、ぼくの目に入ったのは、パンである。食べるパンである。

 これって、どう見てもパンだよね?一体いつのものだろう・・・・・・

 あまりぼくはパンの種類に詳しくないが、田舎パンに雰囲気が近いだろうか、なんというか素朴な感じだ。臭いをかいでみる限りでは、特に問題がなさそうだ。昨日目を覚ましてから当然いままで何も口にしていないわけで、このパンの保存状態は非常に気になるところだった。

 下手に口にして身体を壊しては元も子もない、ぼくは空腹を我慢してパンを横にのけておいた。

 

 そのほかには、きんちゃく袋とその中に入った銀貨と銅貨がいくらか、いかにも怪しい色をした液体の入った小さな瓶(試験管にコルクの栓がされていると表現した方がわかりやすいだろうか)、そして、他のものとは見るからに違う、かなりの使用感があるノートが入っていた。

 いままで、建物自体、家具、倉庫の中身を見てきたわけだが、そのどれにも不思議と使用感というものがあまりなかった。しかし、このノートは、ここに誰かがいた痕跡をはっきりと示していた。

ノートは、その半ばまでぎっしりといろいろなことが書き込まれているようだ。何か現状を知る手がかりがあるかもしれない。ぼくはまず、このノートを確認することとして、ノートを手に寝室へと向かった。ベッドで読むのが一番落ち着いて読むことができる気がしたからだ。

 寝室に入ったところで、ふと思いつき、ノートをベッドの上において、水を汲みに向かった。のどが渇いていたし、読み終わるまでに時間がかかるかもしれない。

 水汲み場に向かったぼくは、詰まれている桶の中から、状態がよくきれいな小さな桶を選び、丁寧に洗った。そして、運ぶのに重くないように、半分ほどまで水を入れると持ち上げて寝室へと運んでいく。

 寝室へと向かう途中、窓から差し込む光に照らされて、桶の水面に自分の顔が写る。


 ぼくの足は思わず止まってしまった。


 なんだろう、このかわいらしい顔は……それが、自分の顔を見て、ぼくが最初に抱いた感想である。右手で自分の顔を触ってみる。すると、当然のことだが、水に映る姿も手で自分の顔を触っており、その姿が自分の姿であることを証明してくれる。

 水面には、幼さの残る顔がこちらを驚きとともに見つめていた。改めて自分の手足を見てみると、それが自分の意識より、華奢で幼さが残るものだった。自分の容姿や年齢についてのはっきりとした記憶があるわけではないが、何かが違っていることそれをはっきりと感じることができた。


 目を覚ましてから、わからないことばかりだ。だんだん頭が考えるのを拒否してきている気がする。

 今、頼りになるのはこのノートくらいだろうか……ぼくは期待を込めて、ノートを開いて、最初のページに目を落とした。


 [私の名前は、楯無焔。たぶん間違いない、なぜ確信が持てないかというと、だれもそれを証明してくれる人がいないからだ。私には、ここに来る以前の記憶がない。]


 ぼくと一緒……?


まだ続く、家の中の探索物語・・・・・・


なんだか、上手くイタリックのタグが使えなかったので・・・・・・

ノート部分を[]で囲んでます。

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