悪い知らせ
――――――――酷い頭痛がする。それと胸騒ぎ。
朝から治まらないその2つ。友人からも心配されるほど青い顔をしているようだ。
昼休みに午後の授業は休もうかと考えていた時だった。
「朝倉っ」
朝倉 蒼太
それが俺の名前。
先生が焦った様に、それでいて急かすように職員室へ来るよう言われてしまった。
「何したんだよ」
「別に何もしてねーよ、お前じゃあるまいし」
「そこまで問題児じゃねーよ!」
「からまないからまない、ほら蒼太、なんか急ぎみたいだし早く行ったほうが良いよ」
「ああ」
「しっかりこってりねっとり怒られてきなよ~」
「だから違ぇーっての」
一緒に飯を食ってた3人に断って職員室へと急ぐ。
ああ、くそっ・・・嫌な予感しかしない。
その予感通り、俺はその日以降あいつらに会えなくなった。
◆◆◆
「落ち着いて聞いてくれ」
そう言ったのは親父だった。
職員室に来たら親父が居て、これはただ事じゃないなと悟った俺は大人しく学校から連れ出された。
車に乗った時、始めに親父が言った一言がさっきの言葉だ。
「葵が交通事故にあった」
は?
たった今言われた言葉が信じられず聞き返そうとするが俺に向かう親父の顔は真面目で
聞き返したくても言うのを躊躇わせる程だ。
葵は俺の双子の姉だ。
俺とは違い、成績優秀だし、運動も出来る、学校も県内1良い所に行っている完璧な優等生だがどこか抜けている
昨日もメールで『早く週末に会いたいな』などと恋人にでも送るようなメールを俺に寄越してきた
それなのに昨日の今日でどうしてこんなことになるんだ。
俺が黙っていると親父がどこか苦しそうに先を続ける。
「容体なんだが・・・意識不明の重体らしい」
「っ!」
「今から病院に向かう」
そう言った後親父はエンジンを掛けて車を発進させる。
驚いて声が出ない
車に乗っている間何も喋れなかった。ただただ病院に着くのを待つだけ・・・