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ファンタジー、コメディ、その他+α(短編)

『星野くんの二塁打』に対する私見

作者: いのりん

 アナタは道徳の授業って好きでしたか?


 ちなみに私は、結構好きでした。


 何故なら、頭のいい人達が熟考の末に選んだだけあって『読みやすく、色々考えさせられるお話』が多かったから。また『明確な答えの無い問題』も多く、子供の時に出した答えと大人になった今出す答えが違ってたりするのも面白いなぁと思います。


 例えば、野球少年だった私にとって特に印象深いお話に『星野くんの二塁打』というものがありました。

 青空文庫で原文が読めますが、要約するとこんなお話。


 ◇◇◇


 チームの中心選手ながらこの日はノーヒットの星野くん。大事な試合の山場、走者一塁で打席が回ってきて打ってやるぞと張り切る……が、監督のサインは送りバント。でも、直感的には打てそうなんだよなぁ。


「打てそうな気がするんで打たせて下さい」と直訴するが、「気がするってフワッとした理由で打たせるわけには行かない、バントしなさい」と監督。


 迷ったが、結果出せばええやろとサイン無視で2塁打を打ってチームは勝利。チームメイト達も歓喜。しかし後日、「規律を乱した者を次の試合に出すわけにはいかない」と監督、星野くんはメンバーから外されてしまうのでした。


 ◇◇◇


 うーん、今でも難しい問題。

 皆さんはどう思います?


 ちなみに、学生時代の私は『まあ、メンバーから外されるのもやむなしかなぁ』って答えでした。


 ただ、大人になった今は違う考えになりました。『これ、監督が指導者としても将としても少々未熟だったんじゃない?』って。



 ここから、何故そう思うのか下記3つの観点から私見をのべます。


(1)近代の学生スポーツが目指すべき姿


 上記について調べてみました。

 簡単にまとめるとこんな感じ


『指導者の指示待ちではなく自主性を育む。目先の勝利に固執せず、過程(試行錯誤、工夫)を重視する。ハラスメントのない健全な環境で成長を促す。卒業後もスポーツに関わり続けたり、社会で活躍できる人材を育成する。』


 まず星野くんの『打ちたい』と言う自主性が潰されています。で、バントしなさいと勝利に固執。子供達は送りバントに憧れて野球を始めるわけじゃないのにね。

 加えて『結果出したしええやろ』と星野くんやチームメイトが考えるような指導をしてきたのに『サイン無視したものは結果を出してもメンバーから外す』というのは顔を潰された監督の感情込みの判断の様にも感じます。サイン無視はダメというのは常識でしょうが、その時のペナルティも事前にチーム内で共有が出来ていませんでした。

 例えばこれが会社なら、部下が上司の指示とは違うやり方(ただし法律的には何の問題もない方法)で素晴らしい利益を出して皆で喜んでいる時、上司がその部下を冷遇しはじめるようなものかなって。



(2)送りバントという作戦について


 このお話が書かれた時代は『正攻法』だった無視一塁からの送りバント。ですが、データが蓄積された近代野球においては『愚策』と言われています。打率一割前半の打者でもない限り、普通に打たせた方が得点期待値は上がるそうな。


 そして原文によると『星野は元来よわい打者ではなかった。当たれば、そうとうな大ものをかっ飛とばすほうだった。』との事。


 てな訳で私からすると、前提として監督は作戦ミスをしているんです。また、星野くんを納得させられなかったのも監督の技量不足の様に思います。

 もっと星野くんに気持ちよくバントしてもらう言い方だってあったと思うんですよ『延長戦になる可能性を考えたら、ここでエースの君を打たせて消耗させたくない』とかね。


(3)自分の学生野球時代の経験


 今までは理屈っぽいことを言ってきましたが、正直、今の私が出している結論はこの経験によるバイアスが大きいと思います。


 本当にあったんですよ『星野くんの二塁打』と同じ様なケースが。そして、当時の監督というか恩師は、作戦変更して打たせてくれる人でした。(まあ、私が直訴したのは星野くんとは正反対でもっと小賢しいネガティブな理由からだったんですが……)


 しかも当時の私って、チームで一番打率の低いよわよわ打者でしたからね。当時のチームメイトには結婚式のスピーチで『その時は内心やめとけって思いました(笑)』と言われました。


 その時たまたま良い結果がでたから美化された思い出になっている可能性は否定しませんが『才能ないし中学で終わりかなー』と思っていた野球を今も大好きな趣味として続けているのは、あの時作戦変更を認めて下さったクソデカ度量の監督のお陰だと思います。

 Y先生、その節は本当にありがとうございました。




 と、言う訳で


『星野くんの二塁打』に対する今の私の考えは『監督が教育者としても指揮官としても少々未熟だったんじゃない?』ってものになります。


 まあ、このお話の監督である『別府さん』って、まだ大学生という事を考えると仕方ないんですけどね。むしろ、同じ頃の私よりも随分人間できているまである。時代背景による常識も違うし。


 あと、基本時に素直な上に自分の頭で考えることの出来る星野くん、君は将来、従業員ではなく個人事業主や起業家になるべき。今回の件を糧にして、BIGな大人になって欲しいなって思います。



 このエッセイは以上になりますが、ここまで読んで下さったアナタの考えも、ぜひ聞かせてほしいです。


 感想欄でお待ちしています(笑)


追記

色んな方の意見がもらえるようにフリーコメント可能にしていましたが、利用規約的にちょっとアレなちくちく言葉でのコメントが何件かありましたので、感想を『受け付ける(ログイン制限あり)』に変更させて頂きました。

コメントくれた人、ごめんね。もし本人にその気がなくても中傷的なニュアンスが入ると、消さざるを得なくなるので……

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これは現代感覚だとかなり危険な状態に見えますね、本番に弱い子が理由の説明も出来ない状態でパニック起こして強振してるように見えるので、バットがすっぽ抜けてピッチャーやキャッチャーに当たると言う重大事故起…
2026/01/10 13:45 ネット住民
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2026/01/10 08:08 眼鏡をかけた美少女
お話としては面白いっすよね! こんなバッター(メンタル弱い強打者)なんて、カッターひっかけてゲッツーかそれでストライク稼いだところにインハイまっすぐで終わりな気がしますが(笑)
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