チアーズプログラムで報われて欲しい人たち
ごきげんよう、ひだまりのねこですにゃあ。
さて、最近チアーズプログラムの話ばかりしているような気がしますが、それは私がこのプログラムこそ小説家になろうに足りなかった最後のピースだと思っているからです。
たぶんほとんどの人はピンとこないかもしれません。収益化自体は珍しくもなんともありませんし、おそらく現時点でこのプログラムで稼げる人は限定的です。多くの利用者にとってそこまで重要なものだと思っていなくても当然かと思います。
私は数日前に小説家になろうでの活動五周年を迎えました。創作歴=小説家になろうの活動歴なので、まだまだ創作者としては新人、未熟者です。
この五年間で色々見てきました。多くの人と出会い、別れ、また出会い、別れる。
私にとって小説家になろうは、ただの小説投稿サイトではなく、世界そのものです。そこには多くの人々が懸命に生きていて、悩み、苦しみ、葛藤し、その生きざまを作品という形で表現する人々がいます。
2024年11月の時点で、小説家になろうの登録ユーザー数は約267万人、これはつまり、大阪市や名古屋市規模の住人全員が小説を書いたり読んだりしているってことです。想像しただけで胸熱ですよね!!
華々しくランキングを駆け上がったり、コンテストで受賞して書籍化やアニメ化の夢を叶える人もいれば、まったく読まれず静かに筆を折る人々もいます。光と影のコントラスト、残酷ですがだからこそ美しいと私は思います。
そして――――そんな残酷な世界で、黙々と投稿を続ける人々がいます。派手にスポットライトを浴びるわけでもなく、ランキングの常連というわけでもなく、誰にでもわかる結果を残しているわけでもないけれど、自分の好きを追い求め、唯一無二の作品を紡ぎ続ける人々。
そんな人たちを私はたくさん知っています。ほとんどの人が三年以内に消えてゆくこの世界で、目に見える評価を得ることなく書き続けることがどれほど困難なことか。彼らは日々悩み苦しみながら、それでも書き続けます。
ランキングは時代の鏡です。その時の流行りや求められているものがはっきりと現れるものです。
書籍化やコミカライズはより多くの人に受けなければ商売になりませんから、ランキングから選ばれるのは理にかなっています。
私は世の中に自分が求める作品が無いから書いています。それはつまり、その時点で多数派ではないのです。私が五年間この世界に居て気付いたのは、成功する作者さまに共通しているのは、人気の作品を、世間で名作と言われるものを素直に良いと評価出来ている人たちです。そして、そういう作品を自分で書きたいと願っている。それは、つまりその時点で多数派なのです。
もちろん価値観に優劣などありません、時代や国、場所によって変わりますし、求められるものも変わってきます。昭和の文豪が今の時代、小説家になろうで投稿したところで、ランキングに掠りもしないでしょう。
時代だけでなく場所も重要です。小説家になろうでは見向きもされなくても、公募から芥川賞作家になる人もいるでしょう。実力の問題ではなく、作品内容の問題ではなく、単なる需要と供給、機会提供やシステムの問題です。
すべての参加者に平等なシステムというのは不可能ではないですが、平等で公平であるがゆえに不平等で不公平な結果をもたらす矛盾をはらんでいます。多くの人は結果で判断しますから、平等な結果を求めることは、不公平なシステムを必要とします。
報われなくとも、評価されなくとも書き続けてきた作品には力があります。多くの人の注目を集めることは出来なくとも、深く刺さって生涯忘れることのない体験を味わうことが出来ます。
それは、その人の生きざまが、魂の叫びが刻まれているからです。そして――――そんな作品には、決して多くはなくとも熱心なファンがつきます。百万人に読まれることはなくとも、十人の読者の心を癒し、魂を救うのです。
そして――――そういう日の当たらない多くの人々こそが、小説家になろうという世界を支え、ジャンルを支え、文化を支えているのです。
私は、そんな人たちが報われて欲しい。
多様性を失った生物は絶滅します。文化もまた同じ。しっかりとした分厚い土台があってこその上澄みであって、より高い玉座を戴くことが出来るのですから。
チアーズプログラムではPV(広告表示回数)が収益化されます。他の方が分析されているように、仮に100PV=1円とした場合、500円稼ぐのに5万PV必要です。一年間という有効期限がありますから、マイナージャンルじゃ無理だよ、と思うかもしれません。
ですが、チアーズプログラムが始まって確認出来ましたが、チアスコアによるリワード獲得は作品単位ですが、管理は作者単位です。
つまり――――たくさん作品を持っている作者はそれだけで優位。頑張ってきた積み上げが評価につながるのです(AI生成作品は、スコアが著しく落とされるはず)
たとえば、私は現在316作品ありますので、そのすべてを収益化設定すれば、獲得PVのハードルは一気に下がります。
全てを手計算するのは無理なので、試しに長編ファンタジー5作品の去年一年間のPVを調べてみたら――――合計で約六十万PVもありました。完結して何年も経っているにも関わらず、です。
それでも六千円です。微々たる金額かもしれません。
ですが、ランキングには反映されずとも積み上げたものがこうして評価されることはとても嬉しいものです。
それにしても――――新着に載るわけでもない、ランキングに載っているわけでもない過去作品をどうやって見つけて読んでくれているのか? 不思議ですよね。
本屋さんでたまたま手に取った本が運命の出会いとなるように、一つ一つのPVに奇跡みたいなドラマがあるのかもしれません。
一つの感想が誰かの目に留まり、そこから繋がったのかもしれない、一つのレビューが長い時間をかけて読者を連れて来てくれたのかもしれない。書くことで、交流することで、読むことで、感想を書くことで、評価することで、ブックマークすることで、天文学的な確率を乗り越えて辿り着いたのかもしれない。
この場所でPVを獲得することは決して簡単ではありません。でも、この世界ですることに意味がないことなんて一つもないんです。続けてきたこと、積み重ねてきたもの、すべてがPVに繋がっている。
収益化ラインに届くかなんて重要じゃありません。チアーズプログラムによってこれまで無意味だと思われてきたものに光が当たること、それ以上に大切なことなんてない。
もちろん、落とし穴もあります。
始まった当初、普段見ないのにPVを意識してしまって無駄に凹んだり、モチベーションが下がったりしましたが、リワード獲得は二か月後、これ、リアルタイム獲得方式だったら闇落ち必至でしたね……。連載って短編と違って本当に最初は読まれませんし、評価も付かないですから。
これまでは単なる利用者でしかなかった私たちが、広告枠の一部を貰えるってことは、本当の意味で仲間になるってことです。サイト全体のPVが増えればその分利用者に恩恵が増えます。
ランキング上位の人たちはたくさんファンと読者を連れて来てくれるわけですから、素直に感謝できるようになるかもしれません。そして――――読者を増やすには、既存の読者だけでなく、これまでとは異なる層を攻略しなければなりません。
新たな広告枠によって運営さまが潤えば、その資金でシステム改修や強化、宣伝に繋がり、結果としてその恩恵は私たちに分配されます。
もちろん懸念材料はあります。注目が集まればAIによる汚染が問題になるでしょう。ですが、これはチアーズプログラムとは別問題、運営さまだけでなく私たち創作者全員で戦わなければならないことです。
全力で楽しんで、作品を書いて投稿する。
私は、無料で楽しめる小説家になろうが大好きです。子どもから大人まで全力で趣味を楽しめて、さらには夢をみることだって出来ます。収益化が避けられない時代の要請だったとしても、チアーズプログラムは小説家になろうの文化を破壊することがないように考えられて設計されていると感じます。
この素晴らしい世界と文化を守るには、私たち一人一人の強い覚悟と意志が必要です。
絶望するのも戦う前から諦めるのもまだ早いです。終わってもいないし、まだ始まったばかりです。
私は言葉の力を信じていますし、それこそが私を何度も死の淵から救い上げてくれたものです。
登録作者全員が新たにニ、三人読者を捕まえれば――――単純計算で数百万人の読者が増えます。
そうすればそのおこぼれで私もお小遣いで季節のスイーツが……じゅるり。
まだチアーズプログラムは始まったばかり、実際のチアスコアがどういう感じになるのかわかりませんし、投げ銭のような第二弾が始まれば、さらに稼げるようになるかもしれません。
未来は不透明で、だからこそ何色にもなるし可能性は無限大。
皆さま、めいっぱい楽しんで小説家になろうとともにバラ色の未来を切り開きましょう!!




