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轆轤
轆轤を回しているうちにうとうとして眠ってしまった。
気が付くと、轆轤の上に粘土でできた赤ん坊がくるくると回っていた。呆気に取られていると、赤ん坊がわんわんと泣き始める。
お腹がすいたのだろうか、それともおしめだろうか、私にそんなことが分かるはずもない。そもそも粘土に食事やオムツが必要なのか?粘土が少し乾いているように見えたので、とりあえず水を足してやった。
すると赤ん坊はもっと泣き出す。轆轤上でくるくると回りながらわんわん泣く。私の気遣いなんて二の次なのだ。
パニックになった私は抱き上げれば泣き止むと早合点し、赤ん坊の首と膝裏に腕を差し込み、持ち上げようとした。
しかし、赤ん坊の首は存外に弱く、轆轤の勢いも合間って頭がぼとりと地面に落ちて、転がった。轆轤を止め、慌てて頭をくっつけようとしたが、赤ん坊はもう死んでいるらしかった。一瞬ヒヤリとしたがこう思い直す。たかだか粘土の赤ん坊である、そんなに世話を焼く義理もない。
心を一変させた私は、赤ん坊の形をしていた粘土を練り直し、未だ残る眠気に耐えながら、再び轆轤を回した。