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吸血姫  作者: 氷水悠斗
2章
11/19

11 能力

『』は回線表記のつもりです。


表示されてなかったらごめんなさい。


誤字脱字等はTwitter、または最近開設したdiscordへ!(そのリンクもTwitterです。)


『ザザッ………こちら、AA24(ダブルエーツーフォー)。"対象"を確認、当機の様子を窺っている、どうぞ。』


『…AA26(ダブルエーツーシクス)、了解。"対象"は何匹か、どうぞ。』


『3つだ、AA2(ダブルエーツー)…』


『おい()()、この回線は隠匿されてる身内用だし、オマケに()()()されてんだ。お堅いあれこれはやめにしようやぁ』

『そーだぜ?』


『ザザッ………お前ら、集中しろ、国には内緒で動いているんだ。さっさと始末し5機全員帰還するぞ。』


『了解、AA24(ダブルエーツーフォー)

『うい、AA27(ダブルエーツーセブン)

『承知、AA26(ダブルエーツーシクス)

『はいはい、AA30(ダブルエースリージロ)



『ザザッ………全機へ通達…所定位置へと到達、これよりプランA‬(アルファ)よりB(ブラボー)へ移行する。人間様の底力、物の怪共に見せつけてやろうぞ!』


『『『『応っっ!!!』』』』






()()()()()()()()()()()()()


私は苦笑しつつ、決め台詞(ゼリフ)へツッコミを入れる。


何故それが出来るのか。




それは、フラグの建設ラッシュ真っ只中の様子を終始漏れなく、()()()()()()()()()()()



自分でもなぜ聞き取れるのか分からないが、聞けるのだから仕方がない。



隠匿だの暗号化だのほざいていたが、吸血姫は回線までも()()()で聞き取れてしまう。


嗚呼、彼らの不憫さに涙が溢れてしまいそうだ。




さて、彼らは何らかの"プラン"で私たちのことであろう"対象"に対し危害を加えると()()()()()()


私はどう対処してやればいいのか。

そう思っていると、レット姉が声をかけてきた。


「"魔弾"の練習に丁度いいわね!私たちが手本を見せるから、真似してご覧なさい?」


こいつは何を言っているんだ、と理解に苦しんだが、吸血姫の時点で今更だと開き直り、素直に頷いた。


その後、私は驚くべき光景を見ることになる。




彼女らは華奢(きゃしゃ)な指先から飛び出した小さな光を、1点へとみるみる収束させていき、西瓜(スイカ)1玉程の大きさの所謂(いわゆる)"魔弾"を作り出した。



レット姉とリン姉はそれを両手で行っており、制御に慣れていることが分かる。


事前に聞かされては居たが、正直、目を疑った。


アニメーションや映画などのそれとは違い、私はそれが生成されていく工程がとても美しく見えた。



ふと耳を澄ますと、驚愕する人間()(さえず)りが聞こえてくる。



『嘘だろ…俺は夢でも見てるのかぁ?』

『撃て!撃って妨害を!』

『無駄だぁ…射程外だ。』

『ははは、はは。』


『待て皆!情報にあっただろうに!気を強く持て、こちとら()()()()で挑んでんだ!心配無用だ!』


『……あぁ、そ、そうだな、悪い…』

『焦ってないし?焦ってなかったし?』

『弾の無駄遣いしようとしてたよなぁ、お前。』

『…ザザッ』


『遊ぶのは後でも出来るだろ。よし、プランB(ブラボー)からC(チャーリー)へと…おい、何やってんだAA24(ダブルエーツーフォー)!』

『…ザザッ……グスッ』

『位置へ戻れ!勝手に突っ込むなぁ!』


『…ザザッ…ブチ』

『あ!あいつ、回線切りおった!』


『ははははっっ…どうせ死ぬなら道連れだ!!』






「馬鹿ね」「馬鹿だね」「馬鹿すぎる」

3姉妹は呆れた。しっかり狙い定まっている所へ自ら当たりに行くのか。


もし私が同じ立場であったとしても、わざわざ危険に突っ込まず迷わず逃げていただろうに。




レット姉は笑った。

「見てなさい?」



そう言ったあと、エンジン出力最大で迫り来る()()()レベルの戦闘機へ向けて、レット姉は右手の魔弾を、キャッチボール並の軽さで放り投げた。


しかし、見た目とは裏腹に、重力が横に働いているが如くどんどん加速していった。



それでも彼はがっちりと操縦桿を抑え、銃弾を豪快にばらまいているが、当然、私たちには届いていない。届くはずもない。


そんな泣きっ面の正面から魔弾がずんずん迫り来る。



彼は嗤う。声を上げ嗤う。


自らの後悔を消すように。


死の恐怖を消すように。



彼は、置き土産として仲間の心に更なる恐怖を植え付け、笑いながら、そして誰も道連れに出来ぬまま――――――――

プラン云々はハム用語を使用したつもりです。


今回はルビが多めになってしまいました。


まぁ、回線あるから仕方ないよね!ね!

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