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吸血姫  作者: 氷水悠斗
2章
10/19

10 姉妹

今回はゆるゆるな回です。あまり進展がありません。


え?いつも通り?吸血姫派遣しますよ?

私は"ルベリー・ヴァンピィ"、"ルベリー"だ。


ふむ、元日本人の私なのだが、特に恥ずかしげも無く名乗れてしまう。これも吸血姫になった変化の1つなのかしら。


…未だに女言葉になってしまう自分が恥ずかしい。こればかりは治りそうもない。


しかし、




ーーー人間、慣れてしまうと大抵の事は気にせず生きることが出来るのだーーー




と、いつかの似非(エセ)医者がほざいていたが、確からしい。


今の私は高度何千フィートを悠々と飛行出来てしまっている。


そう、自分の翼でだ。


有名合唱曲のような白い翼では無いが、自由に空を舞い踊ることが出来ている。私は幸せだ。



幸せなのだが、問題がある。



今どこに向かっているのか、分からないのだ。



私は我慢できずに、先行する同族へ問う。


「ねぇ、今どこへ向かっているの?()()()()………なぁっっっ////」

「「えっ」」


進行が止まった。顔を手で覆う私の前で2人はやんややんやと騒ぎ合う。


「ねぇリン、聞いた聞いた?ベリーが私のことを"()()()()"って!」

「うんうん、聞いたよー!お姉ちゃん!ベリーがはっきりと()()()()って!」

「かぁ、からかわないでよ"()()()"………ぬぁぁぁあっっ///」


自爆した。盛大に自爆した。私は紅く染まった顔を再び手で隠しふるふると震える。


「お姉ちゃんお姉ちゃん!私も言われたよ!"()()()"って!お姉ちゃんって!」

「聞いたわ聞いたわァ!ベリーがしっかりと()()()って呼んでたわね!」

「もうやめてぇ…やめてくださいぃ…」


私は涙目で首を横にブンブンと振る。


自分で言ってしまった!無意識に言ってしまった!


あまりにも強い羞恥心に今にも逃げ出してしまいたくなる。


中学生の頃の話をしようとすると度々焦っていた彼も、こんな気持ちだったのであろうか。


だとしたら地に頭を擦りつけたい。


()()()()はニンマリという効果音が聞こえてくる笑みを浮かべ言ってくる。


「私たちの血が多く混ざっているところに、私たちの家名が加わったから、貴女の魂も少し変化したのかもしれないわね!私の可愛いベリー!」

「ベイビーみたいに言うなぁっ!」


()()()()()()()胸をポカポカと叩く。



しかし、そんな私を()()()()は抱きしめて頭を撫で始めた。


「あら、ベリーの髪、とても撫で心地がいいわね〜それにあったかぁい…」

「あ、あの…ううう…」


やばい。これはやばい。レット姉の吐息がありえぬほど近くで聞こえてくるし、何よりもいい匂い…


吸血姫なのにお天道様のいい匂いがしてくる。そして、恐ろしく強烈な姉オーラ、私は骨の髄まで溶けてしまいそうだった。




しかし、そんな天国に終焉を告げたのは、けたたましいエンジン音であった。


不本意にも解放された私は、あからさまに怒りを込めて、音の鳴り響く方向を睨みつける。





そこに見えたのは接近してくる戦闘機群の姿であった。


「なにこれ」


私の怒りは跡形もなく消失し、私は迫り来る()()()に呆然とした。

戦闘機については詳しくないので機種名云々は省略する予定です。



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