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吸血姫  作者: 氷水悠斗
1章
1/19

1 吸血姫

更新頻度は不定期です。気ままに書いていくのでよろしくお願い致します。誤字脱字等はTwitterのDMへお願い致します。

 "きゅうけつき【吸血姫】[名]吸血鬼──人間の血を吸う鬼──の女性のこと。"


 アニメーションや漫画などでよく見る"彼女ら"──吸血姫が辞書に載るとしたらこんな感じだろうか。

 いや、正しさを求める出版社は更にこう述べるだろう。


 "この世に存在しないもの"と。


 しかし、そのようなことなど、サンタクロースやツチノコ諸共、小学生後期には誰だって分かっている。


 例外として中学生時代の友人が「俺は大悪魔王ネメシスだ!」などと片目に眼帯をし、腕に包帯を巻いてフィギュアスケート選手も目を見開く程のイナヴァウアをして、度々叫喚(きょうかん)していたが、


 高校生になった今では、怪我が完治したのか、眼帯包帯外して極々普通の痩せ型眼鏡青年と化している。


 中学生の頃の話をしようとすると、

「だあっ、誰だよそいつ!知らんっ俺ぁ知らんぞ!」

と焦り出すのがまた面白い。

 全く、"頭の怪我"も治って実に良かった。


 彼のように年月という薬を使うことで狂った妄想は誰でも治ってしまう。黒歴史という後遺症はあるけど。


 そのようなことを考えていると、後ろの席の女子が、教育実習生に指された。日付と出席番号が一致していたのが運の尽きだ。


 彼女は答えを用意する以前に指名されることすら予想していなかったと慌てる声で簡単に分かった。

 その流れが教卓前の俺の席に行くか、後ろの席の寝てる奴に行くか、心配する必要などない。

 何故なら、問題は全て解けていたからだ。

 だから俺は、先程のような思考に力を注げていたのだ。


 さて、授業時間のちょうど半分の時刻を指し示す時計に目を向け、こいつ、授業ペースが遅いなぁ、などと呑気に考えていたその時だった。


 "彼女ら"に遭ったのは。

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