プロローグ
本作に目を向けてくださり有り難うございます。
今回が初投稿になります。
最後まで読んで頂けると幸いです。
忙しい。とにかく忙しい。
この国ができてもう数百年たっているが、歴代の王族の中で私ほど忙しくしている者はいなかっただろう。いや、絶対にいない。
帝国の皇帝とはこの前会ったが、毎日子供と遊んでいると笑っていた。
ふざけんな!こっちの身にもなれよ!
ああ、学生の頃が懐かしい。
あの頃は色々とやんちゃもしていたものだ。
よく怒られては、反抗していたものだが、今自分が逆の立場になってよくわかる。
こっちの仕事増やすなバカやろう!
「ルドルフ、物思いにふけってないでさっさと仕事して下さい」
宰相のシルヴィアの私を呼ぶ声で、見たくもない書類の山が目に入ってしまう。
「頼むから少しは休憩の時間をとらせてくれないかね。朝早くから起こされて、いきなり書類仕事はさすがにしんどいのだが」
私がシルヴィアに文句を言うが、そんなお願いが叶うはずもない。
「そうですか。そうですか。しんどい、ですか。かれこれ3日も徹夜している私に向かって休ませてくれ、ですか。昨日はぐっすり寝ておられて十分お休みになられたでしょう」
シルヴィアが笑いながら(目は全く笑っていなかったが)、私に答える。
ああ、どうしてこうなったのか。
これも全てあいつのせいだ。
あの時、これから地獄が待っているとも知らずに、勇者が見つかったと浮かれきっていた自分をぶん殴ってやりたい。
「ルドルフ、手が止まっていますよ」
シルヴィアに急かされ、私はまた仕事を始めた。
プロローグ、最後まで読んで頂き有り難うございました。
第1話も同時に更新しました。
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