嘘告の答え・・・
いつの間にか、二年になってから三日が経過していた。
もう三日も過ぎたのか。
とくに、これといったことは、全くなかった。
ほんとに、何もだ。
クラスには、なじめないし、告白なんてもってのほかだ。
俺、どれだけ浮かれていたんだ。あほが・・・
俺は、そんなことを思いながらも、ベットから出て顔を洗った。人のいる気配がない。
もう父さんは、仕事に行ったらしい。
キッチンに行き、冷蔵庫の中を見た。卵と牛乳とチーズしかない。
テーブルにはパンが一枚、袋の中に入っている。
学校帰りに買い物しとくか。
あーでも今日から図書室開くんだっけ・・・
仕方ない。今日図書室行くのは、あきらめるか。
そんな感じで、残り一枚のパンを焼き、目玉焼きを作り、パンの上にチーズと目玉焼きをのっけた。そして、コップに牛乳をそそぎ、テーブルにおいた。
最近の朝はいつもこんな感じだ。
朝飯を食べ終わって、テレビを見ると天気予報と、よくわからない政治家がくだらないことを言っていた。
天気予報だけでいいだろ。興味がない。退屈だ。
俺は、ゆっくりと制服に着替えてテレビなどを消して、歯など磨き、家を出た。
学校についたら、教室に荷物を置き、すぐに俺は、屋上に向かった。
屋上についた俺は、何か嫌な予感がした。
なぜか本能的に、この扉の奥に行くことを嫌がっている。
いや、でも、この時間に人は、いないでしょ。
俺の浅はかな考えは、綺麗に外れ、嫌な予感は、的中した。
「やっぱりきた。村寺先輩・・・会いたかったです。少しいいですか?」
おいおい。この雰囲気。マジかよ。
フラグだったか。
しかも初日にいたよくわからないこと言ってた子犬みたいなギャルぽいやつか。
とりあえず、俺は
「誰?」
と聞いてみた。
この女子は、
「忘れたんですか。ショックです。」
と、小声で呟き
明るい顔色を変えて
「一年二組の、河北 麗奈です。」
といった。
ほんとに嘘告をしにくるなんて・・・。
どうせ人の感情なんて気にしてないやつなんだろうな。
そしてこの状況を楽しんでる奴らもいるんだろうな。
なぜか、まだ告白されていないのに、イライラしてきた。
冷静になれ 冷静になれ 冷静に・・・、わかってるだろ俺・・・。
「要件は、何?」
と俺は、少し低いトーンで言った。
大丈夫、嘘告白されたら、俺がいう答えは決まっているから・・・
「そうですね・・・」
河北さんは、一呼吸おいて、言った。
『先輩。付き合って下さ・・・』
『いいよ。』
俺は、最後まで言わさずに食い気味に言った。
なぜだろうか。河北さんは、驚いていた。
俺の答えがそんなに意外だったか。
俺は、嘘告の話を聞いた時、とても不快な気持ちをもった。絶対に断ってやる。ほんとに最悪な気持ちだった。
担任に八つ当たりをするくらいだったしな。
だが、俺は冷静になって考えてみた。
そうか。
どうせ、こんなことを提案した、あの女王様気取りの女達は、絶対、嘘告をしようとは来ないだろう。
罰ゲームにするくらいだろうしな。
だったら、どうなるか。
嘘告をする。という冗談で終わるか、それとも
スクールカーストの低い女子または、嫌っている女子に無理矢理させる。かである。
そうなってくると、もし俺が断ると・・・
その女子は、いい笑いものだ。
悲しいだろうな。つらいだろうな。惨めだろうな。
なら少しでも・・・。考えを広げているうちに、
俺が何とかはできないだろうか
という、考えに変わっていた。
だって悪いのは、こんな姿の、俺だしな。
だから俺は、初めて嘘告白、いや告白を受けた。
俺は、大丈夫だ。嘲笑って、「嘘告でした」とかいっていいよ。
俺は、次の言葉に、覚悟をした。