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極冬の冷地

扉を開けてあらびっくり♪♪

目の前一面銀世界♪♪

今どこにいるのかすら分かりません♪♪



私ゼノン、ただ今絶賛後悔中です。



「何これ……前見えないんだけど……装備してても余裕で寒いんだけど……少しでも気を抜いたら余裕で死にそうなんだけど……!」



扉を開けて辿り着いた先は雪原であった。しかしただの雪原ではない。

北海道の猛吹雪が可愛く見えてしまうほどのブリザード、ー50℃程であろう体感気温。


周りを見渡しても木々や地面、岩や山すら見えない。自分の視界の限界が1メートルほどになってしまったかのようだ。


「これは火山でも見つけたように、早急にこの環境に慣れるためのスキルが必要だな……」



耐熱耐性EXが手に入ったように、ここら辺の生物はこの寒さをしのげるようなスキルを持っているに違いない、というのが俺の予想だ。


ちなみに今の俺のステータスがこれ。




-ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前 : ゼノン

種族 : 魔王 レベル : 35(+11)


【体力】: 41900 (+5200)

【MP】 : 48690 (+3400)

【攻撃力】: 25200 (+5630)

【防御力】: 24070 (+4300)

【素早さ】: 24100 (+3850)

【運】 : 350



【ユニークスキル】

【悪食】【能力吸収】【鑑定】【成長促進】

【自己再生】【魔力回復】 【無詠唱】

【黒紋印 le.2】


【スキル】

【ファイア】【シトラス】【ディメンション】

【ラストブースト】【麻痺耐性】【風刃】【ガイド】

【蛇睨み】【超音波】【ショルダーチャージ】

【胃袋吐き】【ロケット】【水鉄砲】【根性】

【猪突猛進】【A5ランク】【硬質化】

【耐熱耐性EX】【魔力譲渡】


【称号】

【中級魔王】【卵に負けし者】

【ユニークキラー】【ドライアドに認められし者】


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





暇つぶしの運動や、毎日のご飯を食べてるだけでここまで強くなった。改めて自分のチートっぷりを実感するよな……


どこまで強くなるかは分からないが、限界まで強くなってやろうと思う。このままだったら世界征服も夢ではない。やらないけどね。


このステータスでここにいる魔物にどれだけ苦戦するかだが、まぁ多分大丈夫だろう。

しかし油断はいけない。何せ情報がないからな。どんな魔物がいるかも分からないし、どんな地形でどこに何があるかも全くと言っていいほど分からない。


おまけに自分がどこにいて、どこに向かっているかも分からない状況だ。


「ガイド……って言っても目標にするものがないから反応しないんだよな」



本当にここにフローリアがいるのか不安になってくる。今の状況なんてどこからどう見ても遭難している一般人だからな。雪山サバイバル術なんて身につけてないぞ俺。



「フローリアーー、いたら返事してくれーー」



まぁ返ってくるわけないか。

これで返事が返ってきたらどれだけ楽なことか……


ていうかその場で留まっていても徐々に体力を奪われていく。早くこの吹雪をしのげる場所と魔物を探さないとな。


あっ、そうだ!


「俺にはファイアがあるの忘れそうだった。これ使えば凍傷にはならないな」


小さすぎる火だとこの吹雪で簡単に消えてしまうから少し大きめを出しておくか。


おお……!温い……!

火がこんなにもありがたいと思ったのは今日か始めてのキャンプファイアーぐらいだ。


これで保温と光源は手に入ったから、あとは探索と吹雪を凌ぐ住居の確保だ。



「とりあえず適当に動くか。動かなきゃ見つけられるもんも見つけられないしな」



帰るための扉もディメンションに閉まったから迷子を恐れる心配もない。


さて始めよう雪山探索。めっちゃ寒くて怖いけど実は少し楽しみなんだよな〜。

都会で育ったから実物の雪を見るのはこれが初めてなんだ。修学旅行で本当なら北海道に行くはずだったけど、楽しみすぎてテンションが上がって季節外れのインフルエンザにかかって行けなかったんだ。

あの時はよく働かない頭で神様をどう殺してやろうかと本気で考えたもんだ。


だからこそ今日を目一杯楽しみたい。

今は寒すぎて楽に手が動かんがカマクラを作りたい。人より大きい雪だるまも作りたい。

雪合戦したい。相手いないけど。


「そのためには耐寒耐性のスキルを見つけないとな」



しかし魔物1匹いやしない。

とりあえず前に向かって歩いてみたけど景色すら変わらない。ひたすら一面銀世界だ。

確か一面真っ白の部屋に居続けたら人の脳はヤラレるんじゃなかったっけ?

じゃあ今の状況不味くない?ずっと真っ白よ?


なんかちょっとした変化が欲しい!

真っ白はもう嫌だ!

めっちゃ強い魔物でもいい!何か変化をおくれ!



しかしやはりブリザード。



「これ今までで1番キツイ……。強敵よりも怒られた時よりも精神的にくる……」



まさか永遠に同じ景色がここまでキツイとは思わなかった……

助けて誰か。気が狂っちゃいそう♪♪




ガサっ…………………





「なんだ!?」


今何か音がしたぞ!?てことは魔物か!?

探せ!本気で探せ!

初めての魔物なんだ、何かスキルを持ってるかもしれないし、真っ白の景色から意識を晒したいんだ。



「どこいったぁぁぁぁぁぁ!?」



確かこの辺りでガサって聞こえたんだ。この天候と足元の雪でスピードは出ないはずだからそんなに遠くにはいってないはずなんだ。


ひたすら音源の近くを手探りで探していると一瞬何かに触れた気がした。


あっ、今何かに触れたぞ!?

ここか!この辺りか!!


今、毛みたいなのを掴んだぞ!

よしっ!捕まえた!

捕まえたけど……ここに何かいる?ただ目の前が真っ白なんだけど……

でもフサフサしてる。ずっと触っていたいほどにもふもふしてる。


こういう時は鑑定だな。目で視認できないのに触覚だけはあるから目の前には絶対何かはいるのだろう。



[イエティ]

雪山に生息している哺乳類。景色に同化し、隙をついて攻撃してくる厄介なやつである。



イエティ!?イエティってあのイエティ!?

UMA特集とかでテレビでよく探されてたあの!?

すげぇ、人類の夢が今俺の目の前に……!


でも全く見えないんだよな。

なんで見えないんだろ?隙をついて攻撃してくるって書いてあるから攻撃してくるのかな?


見えないけどもふもふするからもふっとこ。

めっちゃ温かいし。




もふもふ、もふもふもふ、もふもふ



「………………………」



もふもふもふもふもふもふもふもふ



「………………………」




もふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふ



「…………………ガアァァァァァァァァ!!」



びっくりした。急に叫ぶなよ。

いきなり叫ぶなんて、もしかして怒ったのかな?

もふもふされたぐらいで怒りなさんな。男ならドンと構えてもふられなさい。



それにしても目の前から声は聞こえるのにやっぱり姿が見えないな。擬態機能凄すぎない?

あっ、今動いたような……


目を凝らしてよく見てみると、雪と全く同じ色をした体毛で全身が覆われている人型?のようなのが目の前にいた。

顔も毛で覆われているため、目も鼻も口もどこにあるのかすら分からないが、そこにいるっていうのは何となくわかった。



「こんなの見つけられるわけないじゃん。よく捕まえたよ俺。吹雪が吹いてるせいでより景色と擬態して見分けがつかん。」


こいつなら寒さ対策のスキル持ってそうだが、人型の魔物を食うってなかなか抵抗があるぞ。

しかも調理が難しいし、捌く過程なんて側から見れば殺人現場に等しい。



もうこいつの毛でも食えばいいんじゃないか?

肉食べないとスキルを得られないなんて誰が決めたんだ?……俺だ。

今日その固定概念を崩す時が来たようだ。

俺だって好き好んで毛なんて食いたくねぇが生きるためだ……


ごっそり頂くのは何か忍びないからちょっとだけ切りとる。

痛っ!…………叩かれた上に逃げられた……



まぁいい。毛をもらうミッションは達成した。

まさか毛を食う時が来るとは思わなかった。

人生何があるかわかったもんじゃないな。いきなり転生させられるしな。



とりあえず一口。



「………………何の味もしない。そして、ただひたすらに口の中が気持ち悪い。」


風呂場で頭を流してる時に、たまに抜け毛が口の中に入って違和感を覚える時あるじゃん?

アレの2乗気持ち悪いよ?2倍じゃないよ、2乗だよ?


気持ち悪い思いをしただけでレベルどころかステータスすら上がらなかった。そのかわり……




【耐寒耐性】

寒さに耐性がつく。しかし耐え切れる寒さには限度があるため慢心しないように。




スキルを覚えたのだよ!!

毛を食べてスキルを覚えられたよ、能力吸収の新たな可能性を見出せたな。


じゃあ魔物の身体の一部とか、毛一本とかでもスキルを覚えられるのかな?もし覚えられるならとんでもないことになるぞ。


スキルのおかげで心なしか温かくなったような気がする。


さっきまでがマグロを保存する冷蔵庫の中ぐらいの寒さだとすると、今は真冬にストーブをつけていない家の中ぐらいの寒さかな。

例えが微妙だけど許してほしい。他に思いつくほど寒い経験してないんだよ。北海道も行けなかったしな。


さて、少し温かくなったところで気を取り直して探索を続けるか!

人類のロマンことイエティ様、ありがとうございました。


俺はイエティが去っていったであろう方向に手を合わせて拝んでからひたすら真っ直ぐ歩き始めた。




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