パンドラの特技
まさか……適当に打ったファイアの射線上に鳥が入ってくるとは……
しかも結構でかいな…3メートルぐらいはあるんじゃないか?
そこにはペリカンのような見た目だが、よく見ると体毛が岩のようになった鳥が倒れていた。
「まさか…ロックフェザーを一撃で倒してしまうとは……! さすがゼノン様!これはハンマーで体についた岩を壊さない限り攻撃が効きづらいんですよ!」
えぇっ!?
まさかそんなやつを【ファイア】1発で倒せるとはなぁ…。
まぁ魔王だから当然なのか?まだこの辺りの常識がないから分からんが。
それよりもさっきのでまたレベルが上がったよ。
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名前 : ゼノン
種族 : 魔王 レベル : 5
【体力】: 1410 (+300) 【MP】 : 1400 (+300)
【攻撃力】: 725 (+150)
【防御力】: 700 (+150)
【素早さ】: 700 (+150)
【運】 : 250
【ユニークスキル】
【悪食】【能力吸収】【鑑定】
【スキル】
【果汁100%】【ファイア】
【称号】
【新米魔王】【卵に負けし者】
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一気に3も上がってた!!けっこう強いやつだったんだな!勝手に倒れたみたいな感じだから、強さがわからんが……
[ロックフェザー]
岩のような皮膚で守られた鳥。上空で旋回し、重い羽をとばしてくる。カラッと揚げると絶品。
なかなか厄介なやつだったようだ。カラッと揚げるか……、油が必要だがどこかにあるのだろうか?
早急に見つけなければ唐揚げが食べれないな!目標の一つに追加だ!
それよりこいつをどう持ち運ぶかだな。今食べてしまおうかと思ったが、焼くしかできないし 切るための刃物もないからなぁ…
こういう時に、最強スキルであろうアイテムボックスがあれば便利なんだが…
っていうかさっきからパンドラが大人しいな。
何かあったのか?
後ろを振り返ると、ドヤ顔でカバンを持っているパンドラがいた。
「私は魔道具製作が得意でして、こんなこともあろうかと亜空間収納カバンを作っていたのですよ!!容量は1平方キロメートルほどです!これ一つで持ち運び全てOKです!これでロックフェザーを持ち帰れますよ、どうですか!」
これはアイテムボックス見たいな機能付きのカバンか。それを自分で作ったと……
えっ、普通にすごいな。
そしてこの役に立とうと必死にアピールするパンドラめっちゃかわいいな。これは褒めたくなる。
少しオーバー気味で褒めようか。実際かなり探索が楽になったしな。
「ありがとうパンドラ。これで持ち運びも楽になったし、たくさん持ち帰れるな。それとこのカバンも自分で作ったのか。すごいじゃないか!!」
「〜〜〜〜! ありがとうございます!これからもゼノン様のお役に立てるよう頑張ります!」
うん。やっぱり笑顔が一番だな。
よし、じゃあ亜空間収納カバンとやらがどんなものか試してみるか。
それと、未だにくねくねしてるパンドラを現実に戻さないとな…
「おーいパンドラ、そろそろ戻ってきな…そのカバンはいったいどうやって使うんだ?」
「〜〜〜〜♪♪♪ はっ!カバンですか!?使い方はこのカバンの入り口に中に入れたいものを触れさせるだけです。」
カバンの中は 底が見えないほど真っ黒に染まっており、ロックフェザーをカバンの中に少し入れると 吸い込まれるようにして入っていった。
「さらにカバンの中に何が入っているかはこちらのパネルに表示されるんですよ。」
すると、カバンの前に半透明のウィンドウがあらわれた。
ロックフェザー ×1
「これで収納されていることになります。取り出したいときはこのパネルを触って頂けると取り出すことができます。」
思ったよりかなりハイスペックなカバンだな。
そしてアイテムボックスを見ると今頃になって異世界に来たんだなという実感も湧いてくる。
それとパンドラは魔道具製作が得意って言ってたが、もしかしたら包丁や鍋、コンロなんかを作れるかもしれんな。
ここにくる前に厨房を見してもらったが、誰も使ってないのかボロボロで器具も何も揃ってなかったからな……
普段どうやって食事してるんだろう?
まさか食事してないとか無いよな?
まぁ、それはおいおい考えるとして 運搬手段が見つかった今は とにかく片っ端から食材を食べる&採取していくか。
アイテムボックス的カバンがある限り遠慮なくいろいろな食材を回収できるしな。
俺達は目新しい食材がないか探すために再び動き出した。
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