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彼女の事情

さて、お互い服を着た訳だが……



「で、家族を助けてくれってどういうことだ?」


「あぁ。アタシには家族がいるんだけどよ……親父が魔王に呪われちまってよ……」




またお前か 前魔王!?ことごとく周りに迷惑かけやがって!!



いや、マジで迷惑かけすぎだと思う。パンドラはあまり関わってなかったみたいだが、フィリアにネアにバルカン……もしかしたらフローリアにも迷惑をかけているかもしれない。



しかし疑問が残る。




「っていうかバルカンって四魔天だよな?何がどうなったら親父が呪われるんだよ」


「名前を知ってた時もそうだが、よく私が四魔天だって知ってるな。お前魔王の使いか?」




ここで俺が魔王って選択肢は出ないんだな……

あっ、そうか。魔王が死んだことを知らないのか。


というわけで魔王が死んだことを報告してみようと思う。どんな反応するかな?




「魔王は100年前に死んだぞ」


「はっ?」



鳩が豆鉄砲を食ったような顔になった。そりゃそうか、親に呪いかけた奴が死んだんだもんな。




「……いょっしゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」




と思ったら大喜びである。バルカンは腕を高々と上げる。



「ついに人質を取ってアタシを働かせるようなクソ野郎が死んだか!!ザマァ見やがれ!!」




少し口が悪いと思ったが、ちょっと聞き捨てならない言葉が出てきた。



「今なんて言った? 魔王が人質を取ってお前を働かせた?」


「おう、あいつはアタシ達 竜人族を制御するために長である親父に呪いをかけやがった。治して欲しければ命令に従えってな」


「えっ?何そのクソ野郎」




予想の斜め上を行き過ぎて、さらっと口からクソ野郎が出た。えっ、マジで? そんなクソ野郎この世に存在すんの?




「で、里で一番強かったアタシが魔王城で働くことになったんだが雑用ばっかりで本人はろくに働こうともしやがらねぇ…」




なんか現代社会の風刺を聞いているようだな。魔王城はブラック企業か?




「しまいには、いつになったら親父を治してくれるんだ?って聞いたら『治せる訳ないだろう』なんて言い出しやがった!!」



なるほど……KING OF クソ野郎だな。

だから魔王城に帰らず、ずっと治す方法を探してるってところか。



「だから魔王を()()()()にして魔王城を出てきたんだ!!」




《悲報》魔王、部下にボコボコにされる。


ずっと思ってたけど魔王弱くない?

弱くて威張って何もしない……最悪の三拍子が揃ってるじゃねーか。




しかし俺に助けてくれって言うことは、その呪いの解き方を見つけたってことか?


ヒートアップしてシャドーボクシングをし始めたバルカンに聞いてみた。すると…



「ああ。呪いの解き方は簡単だが難しかったんだ」




簡単だが難しい?

なんだその矛盾めいた言葉は。しかし俺はすぐその真実を知ることになる。




「親父にかけられた呪いを解く方法は、呪いに()()()()勝つだけ。親父を取り巻く呪いに触れたら呪いが人の形をとるんだ」




その人の形をとった呪いと戦って、見事に打ち勝つことができたら呪いが払われる、と。


聞く限りは簡単そうだが、それでも何百年も解かれてないんだ。何か他に難しい要素でもあるんだろうな。




「あぁ、その通りだ。クソ野郎曰く、その呪いは呪いにかかっている本人が強ければ強いほど呪い自体も強くなる。」



厄介な呪いだな。魔王クソ弱いはずなのにどうしてそんな面倒くさいことはできるんだよ……


んっ?てことは……



「親父は炎竜王(えんりゅうおう)だからな。その実力を圧縮したような呪いと戦って勝たなきゃならねぇ……」



予想以上にヤバい状況だった。

竜王ってあれだよな?竜の頂点ってことだろ?それに炎がつくから、炎系の竜の頂点と戦って勝たなきゃいけないと……




……………ヤバくない?





そしてさらにバルカンがトドメの一撃を放ってきた。




「そして……呪いが発動するたびに親父の体力も減っていくんだ……あと1回持つかどうか……」




なるほど。次の戦いで勝たなきゃ親父さんが死ぬと…



うん。非常にマズい状況だな。

なんていうかプレッシャーがすごい。


しかしやらなきゃダメだ。

聞いた以上このまま見過ごす訳にはいかない。

このまま見過ごすことは簡単だが、それだとバルカンの期待を裏切ることになってしまうし、何より前魔王と同じになってしまう。



そして俺の心の内は決まった。




「…わかった。一か八かだが俺に任せておけ」


「本当か!?」



目を輝かしながらこちらに向き、そのまま抱きついてきた。よほど切羽詰まってたんだろうな…




「そうと決まれば早速向かうぞ!!」



バルカンが高らかに宣言したが、次の言葉で現実に引き戻される。




「ゼノンが通ってきた道を使って地上に向かおう!!どこから来たんだ?」


「俺が来た道は扉が塞がってもう後戻りできないぞ?バルカンこそ何処から来たんだ?」


「アタシは最近上の穴から落ちて、ここにたどり着いたんだ。流石にあの高さまでは飛べないから出ることは出来なかったがな!!アタシは飛ぶのが苦手なんだ!!」


「えっ?」


「えっ?」




ここで俺達は今がどれほどヤバい現状かを理解した。



意気込んだはいいが、出口がない。完全に閉じ込められているようだ。





…………さて、どうしよう。






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