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落下

黒紋印の新たな使い方笑

「まさか…俺がここまで強くなっていたとはな……」



俺は自分の強さに酔いしれていた。

だってそうだと思う。よく漫画やアニメの強キャラが使うような倒し方ができるようになったんだ。


これってアレだろ?気づけば自分の後ろにいて、

「ふっ、もう切ったぜ?」とかいうアレだろ!?



しかも先程の境地に陥ったおかげか、黒紋印の他の使い方が頭の中に流れてくるように、他にどんな武器になるかとか、どんな攻撃が出来るかということが手に取るようにわかる。




自分の戦闘の幅が広がったこととカッコいい戦闘方法を思いついたことで俺はいつになく浮かれていた。



だから気づかなかった。




自分の足元付近の地面が()()()()ているということを……



俺がそのひびを踏むと地面が崩れ大きな穴が開いた。




「………あれ?」




そのまま落下した。



「あああああああああああああああああ……!?」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「あああああああああああああああああ……!?」




100メートルほど落ちた頃、急に地面が明るくなったように感じて下を見てみると……



溶岩の川が待ち構えていた。





「えええええええええええええええええ……!?」




これはマズイ!?さすがにマズイ!?

いくら強くなったからって溶岩の川に落ちたらゲームオーバーだ。




この現状を打開する策は………翼だ!!

未だ一度も飛べた試しがないがそれしかない!!



俺は全力で翼を羽ばたかす。


しかし自分が浮く気配がない。



溶岩はどんどん近づいてくる。あと10秒もすれば俺は

骨だけになるだろう。




ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ…!!


全然飛べる気配がしない。これは本当にマズイ!




溶岩まで残り50メートルほどの位置に達した時、腕の刺青が動き出し翼にまとわりついた。


すると急に翼が動き出し、溶岩に落ちる寸前で軌道が変わり近くにあった壁に激突し、溶岩に落ちるのを免れた。


そしてそのまま壁を滑り落ち、近くの足場に無事着地することができた。



無事に助かったが、まだ心臓がばくばくいっている。



「本当に……進化しててよかった……」



そう、進化して翼が生えていなければそのまま溶岩に一直線だっただろう。


さらに黒紋印というスキルもなければ、翼が動くこともなかった。


この2つを得ていたからこそ、今のゼノンの命があるといえる。




「しかし、深くまで落ちたな〜」




自分が落ちた穴の入り口から入る光が豆粒のように見える。


しかし戻るのは簡単だ。翼を広げて飛ぶだけ。

先程奇跡的にスキルのおかげで飛べた感覚を覚えている。


その感覚を覚えているうちに練習をすればきっと飛べるはずだ。


問題は今ここで練習すれば溶岩に一直線な気がするので、自力で地上に戻らなければならない。



さて、この地下空洞をどう攻略しようか?


少し前なら焦ったかもしれないが、今の俺がどこまで通用するのか早く試してみたい。


俺は溶岩が流れる地下空洞の探索を開始した。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「暑い…………」



それはそうだ。地表でさえ暑いというのに溶岩の隣を歩くなど暑いに決まっている。


魔王としてレベルアップしても、さすがに暑さはどうにもならない。



あまりの暑さに目がぼやけて、()()がお風呂のように溶岩の中に浸かっているように見える。


ついに目までイカれてきたか……と思ったらそのクマと目があった。するとこちらに向かって火を吹いてきた。



咄嗟に身を躱したが、未だに現実を認識できない。



あんなに怖い顔したプーさんがいていいのか、と。



そのクマは溶岩を物ともせず悠々と俺の目の前に歩いてくる。




火熊(ひぐま)

獰猛で触れるものを燃やし尽くす。口から火を吹き、燃える皮膚には近づくこともできない。倒した時火が消える。




全身が毛ではなく火に覆われて、全身燃え盛っている体長3メートルほどのクマが目の前までやってきた。


俺の中のクマのイメージはもっとファンシーな感じなんだがな。全身燃えてるクマなんてノーサンキューだ。


しかし、俺を餌とみなしているのか逃がしてくれそうな気配はしない。ということで、俺の新しい能力の実験台になってもらおうと思う。



俺はある形を想像しながら黒紋印を発動した。

するとグニャグニャと形を変え、俺の手には()が握られる。


なぜ弓かって?あんな燃えてる奴に近づきたくないからだ。


しかし肝心の矢が無いではないか。どうやって放つのかなと考え、とりあえず一回弦を弾いてみようと思い力一杯引くと……



なんと漆黒の矢が突如出現し、自動で装填されるではないか!?



内心エグいぐらい感動しているが、プーさんが今にも襲ってきそうなのでとりあえず試し討ちとして討ってみると……



矢が音速で発射され、火熊の胴体に大きな風穴を開けた。それだけにとどまらず、後ろの壁ごと粉砕した。




……ちょっともう我慢の限界だから叫ばせてほしい。




「弓矢…すげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」





俺、今日から弓使いに転職しようかな。






面白ければブクマ、評価お願いします!!

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