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変化

進化して強くなったよ笑

さて、いろいろ調べてみたがステータスと刺青、そして翼以外は特に変わっていなかった。


翼が生えたから飛べるかなと思って試してみたが、いまいち翼の動かし方がわからず挫折した。


だが絶対飛べるようになってやろう。空を飛ぶのは全人類の夢だと思う。


俺も日本人の時は、人は何故飛べないのかとよく考えたもんだ。大学の論文で「空を飛ぶためには」と本気で書いて再提出くらったよ。俺は真剣なのにな。



しかし先程から全くといっていいほど3人が話しかけてこなくなった。


心なしかさっきからモジモジしているような……




「さっきからどうしたんだ?ずっとモジモジして… 俺、何かしたか?」


「ふぇっ!? いや、なんでもありませんよ!?」


「そうっすよ!ただ………」


「ただ?」



ネアが言い淀む。



ただ、なんだろうか?

そこまで聞いてしまったら気になって仕方がない。


その時、今まで静かだったフィリアが口を開いた。




「ゼノン様〜〜、かっこよくなった〜〜」


「かっこよくなった?俺が?」


「そう〜〜、だから〜〜、話すの緊張する〜〜……」




予想外の答えに俺は少しびっくりした。


まさかの照れ隠しか!?

しかしそんなに変わったか?翼が生えて刺青が出たぐらいの変化しかないように思うのだが…



それでも彼女達にしかわからない変化でもあるのだろうか、パンドラとネアがボソボソと話し始める。




「あの……見た目もそうですが、雰囲気も変わられました……。今までも凄かったですが、より洗礼された佇まいと気配で……素敵です……/////」


「そうっす…。いつも通りスキンシップをとろうと思ったんすけど、なんか…こう…心の準備が……/////」




よくわからないが美少女3人が照れながらカッコいいと俺に言ってくれるのは、なんか気分がいいな。


今なら普段おいそれと口に出せないことでも普通に言えそうだ。今の気分は俳優だからな。



「ありがとう。お前達の方が可愛いよ」



普段なら言えない三流俳優のようなセリフを言ってやった。すると真っ赤な顔をして俯いてしまった。



「今、その言葉は卑怯です……/////」




精一杯の照れ隠しを添えて。





すると………





「そんなこと言ってる暇あったら早くバルカン探しに行ってっす!!」


「そうですよ!!早くあのゴリラ探しを再開して下さい!!」


「そうだそうだ〜〜〜〜」




真っ赤な顔をしながら俺を押し、半強制的に灼夏の火山行き扉前まで連行され無理矢理扉に押し込まれた。



「そこで少し反省して、無事に戻ってきてください!!」



パンドラのその言葉を最後に、俺はまた灼夏の火山に戻ってきた。


すごいな。俺、魔王なのに扱いが悪さをした子供と一緒だったぜ?


まぁ、いろいろ迷惑かけたしな。当初の予定通りバルカン見つけて反省して帰るか。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




スタート地点は魔力水が溜まる洞窟の中だったが、もう用はないので入り口に戻るとする。


道は複雑だが、ガイドを持ってる俺の敵ではないね。

しかも無詠唱を覚えたから、頭の中で考えるだけで目的地が表示される。便利だね。


途中岩魔人が何体か現れたが、俺を見るなり一目散に壁の中へ逃げて行った。この短時間でそれほど強くなったということだろう。


それからこれといって問題もなく簡単に入り口に戻ることができ、岩の雨も止んでいた。止んでいたが……


雨上がりの後は晴天になるためか、太陽が出て気温が引くほど上がっていた。それに伴い、火山が活発化してきている。



「あっっっっつ…………………」




先程までの暑さではない。いや、マジで……

体感気温は100℃を超えてるんじゃないか?


それでも耐熱耐性のおかげで感じる暑さは下がっているのだろう。本当にこのスキルとっていてよかった…



そんなことを思っていると前から魔物が3体現れた。




[火炎魚]

溶岩の中を泳ぐ魚。口から溶岩をはいたり、空中に浮いたりすることができる。刺身にすると美味しい。




前から空中を泳ぐ魚が向かってきた。そして俺に向かって溶岩をはいてくる。




俺は焦っていた。敵の攻撃にではなく、自分の体に焦っていた。




「なにこれ、おっそ…………」



自分に向かってくる攻撃が全て遅く見えるのだ。


スポーツ選手や達人は自分が集中した時はゾーンに入り物事がゆっくり見えるというが、ゼノンも今その境地に達している。


これはひとえに一気に強くなりすぎて、半強制的に脳が擬似的にゾーンを作り出しているだけなのだが本人はそんなことを知らない。




そこからの行動は早かった。


本人の意思か魔王としての行動かはわからないが、即座に【黒紋印】を発動。一振りの剣を手にしたゼノンは、常人には捕らえられない動きで接近して3匹同時に斬りさった。



ゼノンが振り返れば、首と胴がなき分かれた火炎魚の死体が3つ転がっているだけだった。




「……ええええええ!? 俺強っ!」




自分でさえ一体どう動いたかわからなかった。


ただ一つわかることがあるとすれば……






初めてここに来た時よりも格段に強くなり、より魔王らしくなった存在がこの地に舞い降りたということだ。






面白ければブクマ、評価お願いします!!

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