第1回 魔王のお料理教室
ここから少し日常パートが続きます。
そのあとから新エリアに行きます!
新たな出会い!
「第1回 魔王のお料理教室〜〜!!」
「わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「Zzz……………………………」
さて、今から晩御飯を作っていきますか。
フィリアは寝ているが料理が完成するまでには起きるだろ。
今日の食材はこちら。
火喰い草
しとやか草
アポの実
レッドチリホーン
吸血コウモリ
人食い蛙
スケルトンバード
レッドチリパウダー
塩
一応これが俺以外が食べられる食材だな。
他の食材は毒ばっかだからな……
最後のレッドチリパウダーはレッドチリホーンの鎧のような皮を削ったら調味料になった。
味見してみるとピリッと辛いがなかなか美味しかった。チリペッパーみたいだな。
肝心の塩が無いと思ってたら城にちょっと余っていたらしい。普段どうやってご飯を食べているのか気になるところだが……
まぁいい…早速作っていこう。
献立はこんな感じだ。
・火喰い草としとやか草の野菜炒め
・レッドチリスープ
・人食い蛙の素焼き
・アポの実
油が見つかればもう少し豪華になりそうだが今は無いからできる限りのことをしよう。
まず、皮を剥いで身を洗うか。
水道ってあるのかなと思ったら魔石に反応して水が出る仕組みがあるんだって。手を掲げるだけ。現実より便利じゃない?
とりあえず火喰い草を細かく切ってしとやか草と炒めよう。塩とレッドチリパウダーを忘れずに。
辛味と辛味だが大丈夫だろうか?
でもいい感じにいい匂いになったぞ!
鑑定メニュー通りに作って正解だな。
次に鍋でスケルトンバードを煮込んで鶏がらスープを作りたいが、時間があまりに足りないので高火力で出来るだけ近づけるか。
灰汁が出てきたな…臭みが出るから取っていかないと。
ある程度取り終えたところで吸血コウモリを一口サイズに、レッドチリホーンをザク切りにして鶏がらスープに投入!!一応しとやか草も。
味付けに塩とパウダー入れただけだから、いい感じに旨味が出てくれることを願う。
それが完成するまでの間に蛙を焼こう。
本当は照り焼きにしたかったが、酒も醤油もみりんも無いからな……
とりあえず蛙を捌いてっと……
なんか蛙の解剖見たいだ…化学の授業思い出すな…
今思い出すのはやめよう…
塩をまぶしてフライパンで表面がカリッとするまで焼いていこう。
肉汁がすごいな…!いや、蛙汁か?
肉汁の方が字面がいいから肉汁だな!!
蛙を焼きながらパンドラの方を見ると、ヨダレが垂れ流れていた。
おいヨダレめっちゃ垂れてるじゃねーか!?
こっちの肉汁より凄いことになってるぞ!?
まぁ、ご飯を食べるためにいろいろ頑張ってくれたからな……どんだけ楽しみにしてたんだ……
「ん〜〜〜、いい匂い〜〜〜〜♪♪」
匂いにつられてフィリアも起きてきた。
「ゼノン様〜〜、お腹すいた〜〜〜〜。」
「ああ、もうすぐ完成する。ちょっと待ってな。」
「は〜〜〜〜い。」
さて、仕上げ作業だ。
まずはしとやか草と火喰い草の炒め物を皿に乗せて、その上に蛙を切り分けて乗せるか。
スープはできたか?どれどれ……
おお!思いのほかいい感じにできたな!
めっちゃうまそうな匂いする!!
あとはアポの実だな。
こっちは少し洒落てウサギ型にしてみた。
よし完成!!即席魔王飯!!
「よしできたぞー。」
「わ〜〜い、おいしそ〜〜〜〜。」
「わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」
パンドラが鬼気迫る勢いで怖い……
「さーて、食べるか!!いただきます!」
「ゼノン様〜〜、その〜〜いただきますって〜〜何〜〜?」
「いただきますってのは感謝の言葉みたいなものだ。生き物の命を俺達はいただいてる立場にあるからな。その生き物達の分も俺達は感謝して生きていかなければならないってことだ。」
「へ〜〜、いい言葉だね〜〜。いただきま〜〜す。」
「いただきまぁぁぁぁぁぁぁぁぁす!!」
パンドラ落ち着け……そこまで迫力はいらない…
さて食べるか。こっちの世界に来て初めての料理上手くできたかな?
まずはしとやか草と火喰い草の炒め物〜人食い蛙の素焼きを添えて〜 だ。
さてどうだ? ……おぉ、美味い!
しとやか草のシャキシャキした食感に火喰い草のピリッとした味付けがマッチしている!レッドチリパウダーをかけたのにそこまで辛く無い。むしろちょうどいい辛さだ!白米が欲しくなる!
人食い蛙もジューシーで美味しいな!味付けは鶏肉に似ている。
次はレッドチリスープだ。……こっちも美味い!!
鶏がらスープが臭いかなと思ったが、全然そうでもなかったな。しかもレッドチリホーンと吸血コウモリがいい感じに旨味を出してくれている。文句なしに美味い!
パンドラとフィリアはどうだろうか?
美味しいと言ってくれるかな?
「おいし〜〜〜い♪♪♪ ゼノン様すご〜〜〜い♪♪♪ 」
よかった…不安だったがお口にあって何よりだ。
普段ゆっくりのフィリアがパクパク食べてくれるって何か感慨深いものがあるな…
パンドラはどうだろうか?
パンドラを見てみると……号泣していた。
ちょっと待て!?何があった!?
泣くほど不味かったのか!?
「ごんな……ごんなおいじい料理……はじめで食べまじだ……」
あっ、よかった…
不味くて泣いているんじゃなかったのか。
しかし嬉しいな。泣くほど喜んでくれるなんて…
あとゆっくり食べなさい。
誰も取らないから……
とにかく2人には満足してもらえたようだ。
頑張って作った甲斐があったってもんだ!
「おかわりまだあるから欲しかったら言えよ?」
「おかわり下さい!!」
「私も〜〜〜〜♪♪」
俺達はそのあとしばらく話しながら料理の味を堪能していた。
「ごちそうさまでした。」
「ゼノン様〜〜、それもお礼なの〜〜〜〜?」
「ああ、いただきますとごちそうさまの2つで一連の流れだな。本来はお礼の意味だが、今は食べ終わったことを表しているな。」
「なるほど〜〜、じゃあみんなでもう一回〜〜。」
「「「ごちそうさまでした!」」」
よし、あとは片付けだが今日はもう疲れたから水につけといて明日の朝やろう。
今はゆっくりして寝たい気分だ。




