森の中心へ
あれからウロウロしたが、やはりどうしても迷子からは抜け出せないようだ。
しかもウィングボアの肉も少なくなってきたから、食料問題も発生している。
アイテムボックスがこちら♪♪♪
しとやか草×100
シトラス草×10
ディメンションイーター×1
ビリビリレモン×10
三途送り×7
黄泉の花×3
見事に普通の人が食べるものがございません♪♪♪
いや、マズイな……
まさかここまで普通のものが無いとは……
パンドラももうそろそろ限界だ。
さっきから後ろで肉…肉…って聞こえるから…
そしてさっきから三途送りが大量に俺たちを迎えてくれている。
もういいよ!三途送りばっかり!!
どんだけ俺たちを殺したいんだよ!!
パンドラが空腹のあまり食べそうで怖いんだよ!!
何か真新しさが欲しい……
新しい食材に会いたい……
すると、目の前の木に一羽の鳥が止まった。
体長は30センチほど、青色の体で頭に矢印のような体毛があるのが特徴的だ。
[ポイントバード]
手なずけると行きたい場所まで連れてってくれる鳥。
通称 導き鳥。幸運の鳥とされているので食べる者は少ないが、美味しいらしい。
肉だ!!しかも鶏肉だ!!
そして今喉から手が出るほど欲しいスキルを持っているかもしれない!!
幸運鳥だろうが今は食欲を満たすこと優先だ!
「ゼノン様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!肉ですぅぅぅぅぅぅ!!ぜっったい逃さないでくださいぃぃぃぃぃ!」
後ろがすげぇ怖えぇ!!
これ逃したら後ろから刺されんじゃねえか!?
絶対に逃がせない!!
「【風刃】!」
しかし攻撃は外れた
「「ああああああああああああ!!」」
ヤバイ!!主に後ろがヤバイ!!
そして逃げそうだ!
どうする!?なら数で勝負だ!!
「うおぉぉぉぉぉぉ!【風刃】【風刃】【風刃】!」
とりあえず打て!
MP切れるぐらい打て!
そして後ろは振り返るな!!
縦横無尽の刃が空に向かって飛んでいく。
そのうちの一発が空飛ぶ鳥の首に命中し、落下していく。
「「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
俺たちは急いで落下点に向かった。
その時パンドラが俺と並走していたのがびっくりだ。
どんだけ腹減ってんだよ……
たどり着くと先程倒した鳥がいたが、それを狙っている新たな魔物もいた。
[マーダースネーク]
凶暴で死肉が好きなヘビ。皮は硬いが身は柔らかく食べやすい。
「ゼノン様!食料が増えましたよ!」
「そうだな!その肉は俺たちのだぁぁぁぁぁぁ!!【風刃】!!」
俺たちの存在に気付く前にマーダースネークは絶命した。
危なかった……
しかし、食料が増えたから結果オーライ!
さぁ、実食タイムだ!!
とりあえず皮を剥ぎ、二人分に分けて木の枝に刺して焼くか。
ジュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……
「「おおーーーー!」」
いつもよりめっちゃ美味しそうに見えるな。
さて実食!
「おお!うまい!」
手羽先うまいな……ヘビも見た目によらずササミみたいな味がしてうまいわ……
あぁー……唐揚げ食べたくなってきた……
油探さないとなー。でも油ってどこで取れるんだ?
まぁ、おいおい考えるか。
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名前 : ゼノン
種族 : 魔王 レベル : 20
【体力】: 3300 (+90) 【MP】 : 2900
【攻撃力】: 1585
【防御力】: 1650
【素早さ】: 1510 (+60)
【運】 : 250
【ユニークスキル】
【悪食】【能力吸収】【鑑定】
【スキル】
【ファイア】【シトラス】【ディメンション】
【ラストブースト】【麻痺耐性】【風刃】【ガイド】
【蛇睨み】
【称号】
【新米魔王】【卵に負けし者】 【ユニークキラー】
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ちょっとずつステータスは上がっていくな。
問題はスキルだ。
【ガイド】
指定した目的地までの道すじを表示する。
ただし漠然とした内容は表示されない。
来たーーーーーーーーーーー!!
この状況を打破する可能性のあるスキルがついに来てくれた!!これでフィリア探しと帰り道探しが格段に楽になったぞ!!
さらにもう一つスキルが!
【蛇睨み】
指定した対象を少しの間威圧し、怯ませることができる。怯ませられる長さは対象の強さによる。
まさかのもう一つも便利だとは!?
これ使えばさっきみたいに避けられて逃げられることも少なくなりそうだ!
よし、早速フィリアを見つけよう!!!
「【ガイド】! フィリアの居場所は!?」
………シーン…
あれ?失敗か?
もう一回
「【ガイド】! フィリアの居場所は!?」
………シーン…
マジかよ!?天国から地獄に落とされるってこういうことか……
もしかして俺はフィリアの名前しか知らないから漠然とした情報扱いになるとか?
マジかー……まさかかなり使い所の限られるスキルだとは…
ん?じゃあどこまでが漠然とした情報になるんだろうか?知らない人は探せないとわかったんだ、いろいろ試したら何か反応するかもしれんしな。
「【ガイド】 人がいそうな場所。」
すると目の前に矢印が浮かび上がった。
マジか!反応した!!
ありそうな場所は探せるのかよ!!
でもこれでさっきまでとは状況が全然違うぞ!
とりあえずこの矢印の方向に行けば人のいそうな場所にたどり着くってことか!
向きはっと………右だな。
「よし、パンドラ。人がいそうな場所へ行けるぞ!もしかしたら、フィリアがいるかもしれない。」
「本当ですか!?ではお腹もいっぱいになったところですし、すぐ向かいましょう!!」
あ…ちゃんと全部完食してた。
ちゃっかりしてるな……
そこから目まぐるしく向きが変わる矢印を追いかけていると、開けた場所へとたどり着いた。
そして中央には、ありえないほど大きな木がそびえ立っており、木の幹にはト○ロがいそうな雰囲気がある大きな穴が開いていた。