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神隠しの森

少し休憩して、俺たちはまた歩き出した。


そこで俺はふと思った。



「いろんなことあって忘れてたが、俺たち各地にいる四魔天探してたんだよな?」


「あっ……!」




どうやら忘れていたようだ。




「ここ、常春の草原にいる四魔天ってどんなやつなんだ?」


「ここにいる四魔天はフィリアと言います。

そうですね……良いように言えばのんびり屋、悪いように言えば怠け者、でしょうか?」





のんびりで怠け者……なんかめっちゃサボってるイメージが湧いてくる…




「ですが……少し私も心配しているんです…私が最後に見かけたのは300年も前ですし…」




300年!!??どれだけ前から行方不明になってんだよ!それもうのんびりってレベルじゃねーよ!




っていうか300年も前って、パンドラって一体何才なんだ?




「何か?」


「なんでも♪♪」




こえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!




なんで女性って年齢が絡むと顔だけで考えてることがわかるんだよ!!エスパーかよ!!考えてることがわかるスキルでも持ってんのかよ!!




「さすがにこんなに長いこと行方が分からなくなることはなかったので、もしかしたら……」


と、パンドラは悲しそうな顔をした。





「俺はフィリアがどんな奴かはわからんが、何か用事があるだけかもしれないし、もしかしたらひょこっと出てくるかも知れん。だから信じて待とう。仲間なんだろ?」


「……そうですね。少し弱気になっていました。彼女は戦闘が得意ではありませんがそこらの魔物にやられるほど弱くはないはずです。信じて探しましょう!」




よかった。元気を取り戻したようだ。




だが300年もの間、この広い草原のどこで何をしてるのだろうか?





するといきなり目の前には大きな木々が立ち並んだ森が姿を現した。




「なんだぁ!?」


「珍しいですね……この森は神隠しの森(かみかくしのもり)と呼ばれ、現れたり消えたりを繰り返しますが、滅多に現れない幻の森です。私も存在は聞いたことあるのですが、実物は初めて見ました……!」




神隠し……日本にも言い伝えがあったな。森に入った人が突然消えたなんて……




まさか……




「もしかしたら…フィリアはここに入ってしまったんじゃないか?」


「そうですね…この遮蔽物のない草原で見つからないとしたら、ここ以外ありえませんね…」




神隠しの森か……現れては消える…300年……

こわいな…入ったら出られないかもしれん。




だがフィリアはもう俺の部下だ。部下が困ってたら助けるのが上に立つ者の務めだろう。


そしてパンドラも心配している。もしかしたら仲が良かったのかもしれない。




そして何より……




激レアの森の中には激レアな食材がわんさかあると決まっている!!


存在があるかどうかわかっていなかった森なんだ…存在が知られていない食材もたくさんあるだろう!!



人のためにすることってのは、巡り巡って自分に返ってくるものだからな!!



よし!もう覚悟は決まった!

もし帰れなくなったとしても、それを可能にするスキルを探せば良いだけだ!!



「じゃあ、フィリアを探しに行くか。」


「よろしいのですか!もしかしたら帰ってこれなくなるかもしれないのですよ?」


「その時はその時だ。それよりも、フィリアもパンドラも俺の大切な部下だからな。俺が命をかけないでどうするんだ。」


「……っ!………ゼノン様っ!寛大なお心に感謝致します!」





さて……行きますか!





俺たちは森に向かって一歩踏み出した。




すると森に入った瞬間、今まで立っていたであろう草原が消え、辺り一面が森の中の景色に変わった。




「ゼノン様!これは………!」


「なるほどな。そりゃ帰ってこれないわけだ。自分が今どこにいるのかもわからないんだからな。」




これは困ったな……


一面同じ景色すぎてどっちに進めば良いかわからん…


こういう時は何か便利なスキルがあればいいんだが…



と、上を見ると木に黄色の木の実がなっているのが目に入った。





[ビリビリレモン]

一口食べると麻痺状態になる。乾燥させると食べられるようになる。





うん……これが今から役に立つとは思わないな…

でも、便利なスキル持ってるかもしれんし一応収穫しとくか。




「ゼノン様、それは何ですか?」


「ああ。これはビリビリレモンというらしい。食べれば麻痺状態になるから食べない方がいいな。」


「なるほど。ではなぜ食べる態勢に入っているのですか?」


「いや……何か便利なスキルが得られるかな〜と…」





うん。好奇心には逆らえんからな。

だからそんなにジト目で俺を見ないでくれ……




「はぁ…しょうがないですね。気をつけてくださいよ?」


「あぁ。大丈夫だ。状態異常耐性もあるからな。」




よし、大丈夫だろう………多分。

大丈夫だと信じたい。




一口食べてみた。




ギャァァァァァァァァァァ!

痺れるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!




「ゼノン様大丈夫ですか!!なんかピクピクしてますけど!!」


「だ………大丈…夫…だよ……?」





はぁ……やっと引いてきた……

状態異常耐性持っててこれって…





「よし……なんとか治ったよ…パンドラ、これ絶対食べるなよ?」


「食べませんよ!?だれが好き好んで危険に飛び込みますか!?」




うん。非常に怒られたよ。



さて、この状況を打破するスキルは得られたかな?




【麻痺耐性】

麻痺に対して耐性がつく。麻痺攻撃が効きづらくなる。



うん、便利だね………

でも俺状態異常耐性あるんだよね……





今いらねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!






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